Latinalma

ジャン･ピエール・マとOut Note Records のレーベル･プロデューサーであるジャン＝ジャック･プショウとのつながりは遡ること70年代、プショー氏の最初のレーベルであるOWLレーベルから。つまりその付き合いは30年以上になります。ジャン･ジャック氏といえば、ヨーロッパの中でも芸術色が強いこだわりプロデューサー。アーティストの選出はもちろん、編成や、表現など、細部まで、自らのセンスを信じてアルバムを制作。そして評価を受けて来たことは広く知られる所であり、数々のアーティストからもリスペクトされてやまない存在ですが、今回の旧知のピアニストとの作品は意外に意外にも、ラテンへの愛情を滲ませた作品集になりました。


しかし、この作品コンセプトは、ピアニスト、ジャン･ピエール･マが心から欲したものなのだとか。収められた楽曲16曲はカルトーラ、ジョビン、アリエル･ラミレズによる3曲を除いては、全てジャン･ピエール･マによるものなのですが、どの曲もラテンの哀歓とヨーロッパの憂愁が滲み、交わる世界。ピアニスト、ジャン･ピエール･マの新たなる音楽の世界、趣向が浮かび上がります。サラヴァ･レーベルの創設者であり、名シンガーでもあるピエール・バルーのフランス語詞朗読を6 曲でフィーチャーする他、バンドネオンには、アルゼンチンのレジェンドとも言えるモサリーニ。加えて、ブラジルとヴェネゼーラの女性シンガーが各3 曲づつ歌っています。酸いも甘いも体験した大人の哀愁が、この上なく詩的に切なく語られる一枚です。(新譜インフォより)


Jean-Pierre Mas(p), Pierre Barouh(narrator), Sheyla Costa(vo), Elvita Delgado(vo), Juan José Mosalini(bandoneón)