True Story

フランス、NYを股にかけ、常に創造性豊かなピアノを聴かせてくれるジャン･ミッシェル･ピルクのNew Trioが始動。アグレッシブさやちょっとした難解さも、前作ではすっかり纏めてリリシズム溢れるサウンドを聴かせたピルクですが、本作ではまた新しい世界に飛び出ようとしている模様です。静謐なオープニングはその冒険の嵐の前の静けさ･･。続く、2 曲目はシューベルトの楽曲を大胆不敵なジャズ･アレンジ。しかし、それは決して奇をてらったものではなく、オリジナルの楽曲など、メロディアスなものあり、アグレッシブなものあり、どれも本人の個性が反映されたものになっています。また演奏はウネルようなものもあれば、華麗な鍵盤さばきあり、左右のフレーズのコンビネーション鮮やかな演奏あり（M-5）、時には、モンクっぽい奇妙心地いいコードがでたかと思うと（M-7、9）、可憐なもの（M-7）あり、きらめくようなタッチ（M-8）あり、もう、これは自由自在に自分の音楽をやっている、という潔さが漲っています。気持ちいい裏切りも含め、刺激に満ちたトリオ。コール･ポーターだって、やっぱりこの人流。物語性にも満ちたM11-15 も聴きものです。このリリースを機に、NY（55Bar, Smalls, Fat Cat 他）、またヨーロピアン･ツアーも予定されている、正に生きたトリオの録音です。(新譜案内より)

Jean-Michel Pilc(p)
Boris Kozlov(b)
Billy Hart(ds)