モラルの話

J・M・クッツェー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784409130407
ISBN 10 : 4409130404
フォーマット
出版社
発行年月
2018年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
157p;20

内容詳細

「人間のモラル」の底を描く、余韻に富んだ最新作。欲望すること。歳をとること。人間であること。円熟期にある作家が、今どうしても伝えたいこと。ノーベル賞作家が、これまで自明とされてきた近代的な価値観の根底を問い、時にシニカルな、時にコミカルな筆致で開く新境地。英語オリジナル版に先駆け贈る、極上の7つの物語。

【著者紹介】
J・M・クッツェー : 1940年、ケープタウン生まれ。一六歳のとき写真家をこころざすが断念。ケープタウン大学で文学と数学の学位を取得して渡英。コンピュータ会社で働きながら詩人をめざす。65年に奨学金を得てテキサス大学オースティン校へ、サミュエル・ベケットの文体研究で博士号取得。68年からニューヨーク州立大学で教壇に立つが、永住ヴィザがおりず、71年に南アフリカに帰国。以後ケープタウン大学を拠点に米国の大学でも教えながら執筆。初小説の『ダスクランズ』を皮切りに、南アフリカや、ヨーロッパと植民地の歴史を遡及する、意表をつく、寓意性に富んだ作品を次々と発表して南アのCNA賞、フランスのフェミナ賞ほか、世界的な文学賞を数多く受賞。83年の『マイケル・K』と99年の『恥辱』では英国のブッカー賞を史上初のダブル受賞。03年にノーベル文学賞を受賞

くぼたのぞみ : 1950年、北海道生まれ。翻訳家、詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    短編7つ。最初の『犬』、その吠えられる時の嫌な感じは よくわかる。小さい頃、野良犬数頭に追いかけられ背中に乗られた日以来、犬はダメ。『物語』婚外で男とセックスする女には色々なタイプがあるだろうが、ここでは、その女の相手をする男の気持ちが妙にわかりやすい。残りの短編は、『エリザベス・コステロ』の老いと、彼女の娘と息子の関係性。初老以後は、たとえ速度を緩めることは出来ても、好転はしないのだ、それを認められる理性は、モラルのひとつであると思った。 解説は頭に入ってこず。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    モラルと題されているものの、そのモラルを形成するのは現実や人に如何に誠実である事なのだろう。「犬」は読んでみてピンと来なかったのですが、解説で物凄く、身近な問題が仮託されていた事に気づき、自分の読みの浅さを恥じました。エリザベス・コステロシリーズは『遅い男』しか読んでいなかったので「彼女、家族がいたんだ!」と驚きました。そして息子のジョンが老いていくエリザベスに対し、施設に入る理由を優しくも独善的な理由ではなく、逃れられない事実を伝えようと決意する姿、エリザベスがヒヨコに思いを馳せた理由が身に沁みる。

  • どんぐり さん

    「犬」「物語」「虚栄」「ひとりの女が歳をとると」「老女と猫たち」「嘘」「ガラス張りの食肉処理場」の短編7篇。このなかから1篇挙げるなら、語り手がハイデガーとハンナ・アーレントの不倫関係やデカルトについて哲学的思弁を弄する「ガラス張りの食肉処理場」が印象に残ったくらいで、全体的にはこれがモラルで括られる話なの?と思いながら読み終える。長編小説からのアンソロジーっていう感じです。

  • M H さん

    発売年を知らなくてもこれは後期のクッツェーだろうなとなる明晰でシンプルな文章の短編集。読みやすさの底には動物、ジェンダー、暴力などの価値観が横たわる。冒頭の「犬」から揺さぶられ、クッツェー本人を思わせるようなそうでもないような老作家エリザベス・コステロが登場すると、これまた本人ぽい息子ジョンとのある意味一方通行な対話に戸惑い、老いの不可逆性がのしかかった。あまり消化できず、「サマータイム」「イエスの学校時代」のほうが好きかな。

  • かふ さん

    『エリザベス・コステロ』という前書を読んでいなかった。その架空の女性作家の老後問題と息子の対話。息子はクッツェー自身だろうか?神学と存在論という哲学的問いを含む人間と動物の「モラルの話」。老人介護問題とシステムと食肉処理場を連結させた文学機械というべきか。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n5e42fe3ac831

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