鉄の時代 河出文庫

J・M・クッツェー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309467184
ISBN 10 : 4309467180
フォーマット
出版社
発行年月
2020年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
329p;15

内容詳細

反アパルトヘイトの嵐が吹き荒れる南アフリカ。末期ガンの70歳の女性カレンは、庭先に住み着いたホームレスの男と心を通わせていく。差別、暴力、遠方の娘への愛。ノーベル賞作家が描く苛酷な現実。

【著者紹介】
J・M・クッツェー : 1940年、南アフリカ・ケープタウン生まれ。2003年ノーベル文学賞受賞。作家、批評家。74年『ダスクランズ』でデビュー。『マイケル・K』(83)、『恥辱』(99)で英ブッカー賞を2度受賞。現在オーストラリア在住

くぼたのぞみ : 北海道生まれ。翻訳家、詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Shun さん

    著者はアフリカで生まれ多様な言語に長け、西欧社会の文化や文学に対する見識が伝わります。この小説は末期ガンを宣告された70歳の老女性による娘に宛てた手紙という形をとり、彼女の暮らすアフリカそれもアパルトヘイト解放後の未だ分断された社会が描かれます。娘は既にアフリカから離れ、混乱やまぬアフリカの地で老女性の孤独と癌による内なる痛みは彼女の筆を通して痛烈に溢れてくる。そして読んでいて女性作家が書いたのかと錯覚する程この独白が真に迫っているように覚え、翻訳からでもこの言葉に詩的な美しさや荘厳さが感じ取れました。

  • ロビン さん

    1986年、悪名高きアパルトヘイトがようやくその黄昏を迎えていた時代の南アフリカを舞台に、癌に冒された元大学教授の老女で白人のエリザベス・カレンと、黒人ホームレスのファーカイルの奇妙な交流を娘宛ての書簡体で描いた小説。国に吹き荒れる暴力と差別に対して無力な自身を「恥」と感じ、痛む体を強いて抵抗するカレンと、自堕落な暮らしをしながらカレンと過ごすファーカイル。二人の関係は微妙で奇妙であり相互理解に欠けているが、絶妙にリアルである。乾いた、硬質で淡々とした老女の独白が見事に一つの人生の終わりを織り上げている。

  • ザビ さん

    南アフリカ…実の娘が「彼ら(権力者)が街灯の柱から逆さに吊るされる」までは帰国しないと誓うくらい、アパルトヘイトで分断され紛争の続く社会。その環境でカレンが本能から許せなかったのが子どもを暴力に浸すことだった。「この殺し合い、同志の絆という名の流血については心底嫌悪します。野蛮だと、そう思います。〜同志の絆というのは、殺すこと死ぬことに仮面を被せて偽装してること…もっと悪いことに子ども逹にそれを奨励している」誰も傷つけず、メッセージで社会の欺瞞に戦う姿勢を示す末期癌の老婦人。この熱量、心震えます。そして→

  • hasegawa noboru さん

    悪名高いアパルトヘイト体制下末期、1986年の頃の南アフリカを舞台に、末期がんを告知され〈この世を去るまぎわ〉の老白人女性によって綴られた長い長い手紙、遺書という設定。魂の叫びというと広告常套句めくが、激怒と暴力が支配する現実の事態を目の当たりにして、当人である主人公(ミセス・カレン)「わたし」が次々と繰り出し、問いかけることばは、今世界各地で頻発する、貧困格差、分断、差別による暴力殺人のことへと想像がつながる。そのことばは分厚くて暗くて重い。傑作だ。

  • ひでお さん

    クッツェーを読むには南アフリカの歴史と時代を理解する必要があるし、あちらこちらにちりばめられたキーワードを慎重に吟味する必要がある。がしかし、そういう側面とは別に、読み手を物語に引き込む不思議な力がある。この本は、末期がんを患った女性が、人生の最後を娘にあてた手紙を書くというスタイルで記述される。饒舌と思えるほど語られる文体なのに、その一言一言が突き刺さる感じがする。人生の最後に思うことってこういうこのなのかもしれないと、ページを読み返しながら考えた次第。訳者による解説も秀逸。

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