ぼくはスピーチをするために来たのではありません

G ガルシア マルケス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784105090197
ISBN 10 : 4105090194
フォーマット
出版社
発行年月
2014年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
205p;20

内容詳細

伝えに来たのです。皆さんに伝えなければならないことだけを――。かくてスピーチ嫌いで知られる作家が生涯にわずか22回、文学と友情、祖国とラテンアメリカ、教育とジャーナリズム、等々を壇上から語り、宿命の人生と思想の信念をもにじませた全講演の記録。

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読書メーターレビュー

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  • nobi さん

    内容多彩な講演録。本人!が語るぞくっとするような自身のアイデアの小話。プラハの春の年、同市に向かう列車の中でフエンテスと聞いたコルタサルのジャズ論議(コルタサル追悼)。「百年の孤独」誕生時の原稿郵送費も出せない困窮。「政治家としての胆力と詩人として神がかり的な力を備えていた」ベタンクール元大統領70歳の誕生日を祝うスピーチ。20世紀末所謂知識人達は連携し発言していたと感慨深い種々国際会議等。ノーベル文学賞受賞式、中南米の暴力と痛苦の歴史と気概を語る迫力のスピーチ。訳者あとがきの波乱万丈のマルケス経歴紹介。

  • Y さん

    ガルシア=マルケスの人物像をここまで鮮やかに胸に描くことが出来たのは初めて。どんな時も活力に満ちていて多方面にアンテナを伸ばして、一つ一つに全力をささげていて…、端的に言ってとても魅力的な人だった。過酷な日々の彼を支えたのは「人間を、生きることへの愛」ではないかと訳者のあとがきにあるが、その通りだと思う。作家コルサタルに向けた「誰からも愛されるようになったアルゼンチン人」がすごく好き。自分のことよりも人のことを語るときにとりわけ目を輝かせる人なんだろうと思った。交遊関係が広かったのも頷ける。

  • Vakira さん

    「是非伝えたいことがあってきたのです」というモロにこの表現ではありませんがこの様なニュアンスの言葉が続く。ガボさん17歳〜80歳の間の22の講演会での談話集。 物語の作り方、映画(フランシスコ・ロージー)、友情(愛しの変人?へ)、ジャーナリスト、ラテンアメリカ、コロンビアという国についてとか思いは熱い。自分の読んだガボさんの小説「百年の孤独」「迷宮の将軍」とかの逸話が出てくるとかなり嬉しい。「風が吹くと桶屋が儲かる」的な物語の創作話は特に面白い。

  • キキハル さん

    彼の著作は一時期はまって集中的に読んでいたが、そこからラテンアメリカの歴史や他の作家へと興味が波及しなかったのが今になって悔やまれる。講演嫌いな彼が生涯で行ったそのテキストは、平易な言葉できちんとしたデータも添えて丁寧に語られている。痛烈な皮肉にはユーモアをまとわせ、文学や文化について、友人達や身の回りの出来事について、口調は細密にして鷹揚だ。殊に「ダモクレスの大災厄」やジャーナリズムへの論考が良かった。タイトルも秀逸だ。まるで、近寄りがたい校長先生だが話してみると意外に面白かったというノリで愉しめた。

  • 梟をめぐる読書 さん

    ガルシア=マルケスが生前に行った講演22編を収める。作家が高等学校に在籍していた頃の卒業生への送辞から文学賞の受賞スピーチ、セミナーや会合まで講演の種類は多岐にわたるが、いずれも彼の詩的な表現能力が随所に光るものとなっている。「講演というものは人間がかかわる事柄の中でもっとも恐ろしいもの」というほど「講演ぎらい」だったマルケスだが、80年代以降になると年に一度は講演の壇上に立たされていたようだ。ラテンアメリカ地域の厳しい現実について訴えた「ラテンアメリカの孤独」と「ラテンアメリカは存在する」は名スピーチ。

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