Introducing: イントロデューシング: 砂漠の交差点

砂漠のブルースの新たなるヒーローたちが登場！
ラフ・ガイド・シリーズの一連の索引や、ヌールー・カイネ、シエラ・マエストラなどの新録音作品をリリースしている【リヴァーボート】などを抱えるUKワールド・ミュージック･ネットワーク社の最も新しいシリーズが【イントロデューシング】。文字通り世界の知られざるアーティスト/音楽を紹介してくれるシリーズですが、その第5弾としえ登場したのが’砂漠のブルース’のニューカマー、エトランン・フィナタワのアルバム。
エトラン・ｆィナタワはマリの東側にいちしている西アフリカの国ニジェール出身のバンド。ニジェールはサハラ砂漠の南部と接していてそこには砂漠に生きる遊牧民を多く抱えていますが彼らはまさにその遊牧民たちで構成されています。
遊牧民バンドといえば、砂漠のブルース･第一人者バンドのティナリウェンがそうですが、彼らはそのティナリウェンの活躍から登場した新世代グループ。
2004年にグループを結成、当初メンバーたちはトゥアレグ族4人、ウダベー族6人というサハラ砂漠に住む違う部族の遊牧民達で構成されていましたが、現在はそこから2人減って8人で活動。ティナリウェン同様エレキ・ギターとベース、パーカッション（ジェンベ、ハンドクラップなど）を中心としたシンプルな伴奏をバックに男気をかんじさせる無骨な歌声が印象的。結成からたった2年ですが既にニジェールでは高い人気を誇っているほか、2005年にはヨーロッパ・ツアーを成功させているなど、その知名度はどんどん高まるばかり。ちなみに’エトラン・ｆィナタワ’という名前は’伝統のスター達’という意味だとか。本作はそんな彼らの世界デビュー作。少しよれた感じの6/8拍子のリズムをベースにシンプルにかつエモーショナルに砂漠のブルースを奏でてくれます。ティナリウェンよりも泥臭く、そしてよりプリミティヴな演奏が彼らの持ち味。ティナリウェンが好きならこちらも是非お薦め。