Blood Spirit Land Water Freedom

そのシックでモーダルな装いは､数多のラテン･ジャズ･アルバムでも最高のクオリティとして強力レコメンド！
エディ･パルミエリ･バンドの2009年来日メンバーであり､ドナルド･ハリソンやラルフ･ピータソンのクインテットにも名を連ねる実力派ベーシスト､ルケス･カーティス(Luques Curtis)。その兄でピアニストとしてブライアン･リンチ､ジェリー･ゴンザレス＆フォート･アパッチ･バンドなどへも参加するサッカイ･カーティス(Zaccai Curtis)。若き天才ミュージシャン兄弟は､新たなクリエイティヴ･フィールドとして2007年に"カーティス･ブラザーズ･プロジェクト"を立ち上げ､アルバム｢A INSIGHT - GENESIS｣を2007年にリリース｡インディながら専門家筋や､多くのラテン･ジャズ･ファンに鮮烈な印象を残した快作であった｡そして2009年､兄弟それぞれのセッション･ミュージシャンとしての活動を通じて暖められたアイディアが､洗練のパフォーマンスで投影されたプロジェクト最新作「Blood･Spirit･Land･Water･Freedom」を完成させた｡

カーティス兄弟＋ドラム､パーカッションのシンプルなカルテットが､完璧な調和と自己主張を以って絡み合う｡流麗で粒立ちの良いピアノのアタック､そしてラティーノ独特のコード･ワークが躍動感を押し上げるベース＆リズム･セクション･･･ラテン･ジャズの粋を凝縮したセンスが心地よく染み渡る｡作品のテーマである「血､魂､大地､水､自由･･･｣そのポリシーを投影したリリカルなアンサンブルは､ステレオ･タイプのラテン･ジャズを超越した領域といっても過言ではない｡カーティス兄弟､そしてコンガ奏者で参加のレイナルド･デ･ヘススによるオリジナル･コンポーズを中心に､バド･パウエル(M06)､ノロ･モラレス(M11)と､ジャズ＆ラテンの古典作品の新たな解釈も絶妙｡ホーンを配したM1,10､♀ヴォーカルをフィーチュアしたM2､10も好アクセント｡今､最も注目すべきN.Y.ラテン･ジャズの核心が､この音の中に生きている｡