確かにこの演奏も素晴らしいのですが、今でも愛聴盤のひとつですが、同じ日本コロンビアから1993年10月に発売されてすぐに廃盤になってしまった同じステファンスカのピアノでショパン ピアノ協奏曲第１番 指揮-ヴィト−ルド・ロヴィツキ/ワルシャワ国立フィルハーモニー の方がもっと素晴らしい演奏です。録音の年月日は不詳ですが、原盤はPolskie Nagrania Polandとなっています。ステレオ録音で良い音です。カップリングはグリーク ピアノ協奏曲 指揮-ヤン・クレンツ/ポーランド放送交響楽団 これが超名演です。早く復刻してほしいですね。

「本物」リパッティとアッカーマン盤の項にも書いたが、堂々と大手レコード会社が「偽者」を誤って販売し、それを評論家がリパッティだから名演と短絡的に評価し、間違いと気づくと「偽者」はこっそり廃盤になり、評論家も忘れ去る。評論家はステファンスカ盤の再評価を怠るべきでなかったと思う。今の音楽評論界の混迷・低迷の萌芽ではないか。本物を探せるよう雑音に惑わされず、リスナーも賢くならねばと思う。

評論家はｱﾙｹﾞﾘｯﾁを推したり、ﾙﾋﾞﾝｼｭﾀｲﾝを推したりして、それらも良いとは思うけれども、いろいろ聴き比べた結果、私としてはｽﾃﾝﾌｧﾝｽｶが一番好き。私にとっての最高はこれです。演奏家の名を伏せ、目隠しして聴けば、誰もが同じ結論になると思います。

これがﾘﾊﾟｯﾃｨの演奏と間違われていたという演奏ですか。演奏者が誰であろうと、演奏の素晴らしさは変わりませんよ。このCDを、昔のように（ﾘﾊﾟｯﾃｨ盤のときのように）評価すべき！！

教則本で有名なﾁｪﾙﾆｰの末裔であるｽﾃﾌｧﾝｽｶが弾くｼｮﾊﾟﾝとﾓｰﾂｱﾙﾄであるが､ﾊﾞｯｸがｽﾒﾀｰﾁｪｸとｱﾝﾁｪﾙという名匠であり､素晴らしい演奏である｡一時期､ﾘﾊﾟｯﾃｨの演奏と間違われ､物議を醸したいわくつきの録音である｡｢ﾘﾊﾟｯﾃｨ盤｣であった時は評論家諸氏挙って“推薦”と声高に叫んでいたはずだが､ｽﾃﾝﾌｧﾝｽｶの演奏と分かるや否や､手を返したように注目されなくなり､廃盤になった記憶がある｡本CDを聴いて自分の耳で聴いて下さい｡ﾓｰﾂｱﾙﾄ共々一級品ですヨ!!