’50〜’60年代のダークでブルーなムードが現代に蘇ったようなアルバムだ。ウォルトンは相当な年齢だが、深みのあるレイジーなタッチは最近の若手プレイヤーからは聴けない貴重なもの。RVGの録音もテナーの音像がちょっと小さいが、旨みが詰まっている。これは素晴らしい！

　ハード曲の「Ｂｏｌｉｖｉａ」、「Ｆａｎｔａｓｙ　ｉｎ　Ｄ」、「Ｂｌｕｅ　Ｍｏｎｋ」、「Ｒｈｙｔｈｍ‐ａ‐ｎｉｎｇ」をお薦めします。「Ｒｈｙｔｈｍ‐ａ‐ｎｉｎｇ」は特にテーマが癖になるメロディーでＴｈｅｌｏｎｉｏｕｓ　Ｍｏｎｋ『Ｌｉｖｅ　ａｔ　ｔｈｅ　Ｖｉｌｌａｇｅ　Ｇａｔｅ』（Ｘａｎａｄｕ）でも収録されています。

　ハード曲「Ｏｆｆ　ｍｉｎｏｒ」、「Ｈｏｌｙ　ｌａｎｄ」、「Ｉ′ｍ　ｎｏｔ　ｓｏ　ｓｕｒｅ」、「Ｏｊｏｓ　ｄｅ　ｒｏｊｏ」をお薦めします。 　「Ｏｊｏｓ　ｄｅ　Ｒｏｊｏ」はＲａｙ　Ｂｒｏｗｎ『Ｓｏｍｅｔｈｉｎｇ　ｆｏｒ　Ｌｅｓｔｅｒ』（Ｃｏｎｔｅｍｐｏｒａｒｙ）に収録されています。 　Ｂｏｂ　Ｂｅｒｇが参加しています。

　ハード曲の「Ｂｌｕｅ　ｔｒａｉｎ」、「Ｔｈｅ　ｓｕｎｄａｙ　ｓｕｉｔｅ」をお薦めします。 　Ｂｏｂ　Ｂｅｒｇが参加しています。

しぶい！すばらしい！あきない！

欧州ピアノトリオもいいけれど、アメリカのベテランピアニストの新作もいい。少しも奇をてらうことのない演奏で、私のジャズ心のツボをしっかり刺激してくれる。かといって古くはない。新しいジャズのひとつの形がここにはあるのだと思う。４曲に参加しているVincent Herringのテナーサックスもいい味を出している。