Candombaires

アグスティン・フローレス・ムニョス(bass)、シルヴィナ・オロスコ(♀vo)、パブロ・メンゴ(g)、フアンホ・ブラーボ(d)からなるグループ、CARPE（カルペ)。モノ・フォンタナやアレハンドロ・フラノフがゲスト参加した1stアルバム「Aire D」では、プログレともジャズともカテゴライズできない独特のサウンドで、アルゼンチンのフォルクローレを再構築。ユニークな組体操ジャケットとともに密かに楽しまれてきた、ここ日本でも知る人ぞ知るグループである。現地アルゼンチンでも若手の注目株として認められつつある彼らだが、実は2009年に2NDアルバムをリリースしている。それが本作「CANDOMBAIRES」である。

ゲストにセサル・フラノフ(アレハンドロ・フラノフの兄)、そしてアメリカン・クラーベ諸作品で世界的にも知られるキューバ出身のドラマー、オラシオ”エル・ネグロ”エルナンデスが参加。”カンドンバイレス=カンドンベ+バイレ(ダンス)”というタイトルどおり、より強靭なビートが融合しつつも、それに頼ることなく元来持つひねくれたPOP感覚を更に深化させているから驚き。アルゼンチンならばONDA VAGAといった他アーティスト、そしてバルセロナMIXTUREシーンのオホス・デ・ブルッホなどにも通ずる独特の土臭さ+現在のフォルクローレ・シーン特有の透明感・・・。この不思議な感触は唯一無二といえるだろう。

爛熟のブエノス・アイレス・シーンのまた知られざる一面を見ることのできる、フォルクローレ〜ロックの注目作品。アルゼンチン音楽ファンには是非チェックしていただきたい作品。