放浪者メルモス

C・r・マチューリン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784336055248
ISBN 10 : 4336055246
フォーマット
出版社
発行年月
2012年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
988p;19

内容詳細

「メロドラマに登場する悪党のすべては、牧師マチューリンのかの偉大なる悪魔的創造、メルモスなる有名な放浪者の末裔であると言ってさしつかえない」(ボードレール)。ロセッティやワイルド、ポー、ソしてバルザックらによって熱烈に讃美された不朽の巨篇。

【著者紹介】
富山太佳夫 : 1947年、鳥取県西伯郡生まれ。東京大学文学部を卒業、同大学大学院修士課程を修了。お茶の水女子大学、成城大学を経て、現在は青山学院大学教授。専攻、英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ケイ さん

    分厚さに手が痛んでも、その痛みがもどかしいほどに熱中した。実際、登場人物を生きたままとらえるために、一気に読んで良かった。宗教的問いかけは、無宗教に近い私などにはどこか虚しいのだ。200年前の作品であるから、放浪者という意味が現代とは違う。神への問いかけ、教理問答の中での迷い子たるメルモスは、天国への道を探しているのだろう。しかし、こういう問いは、現世での生活の苦しさ、貧しさがあるために、その苦悩を救い上げるものではないかと思うと、読んでいて苦しくもなる。しばし、放心。

  • kasim さん

    ゴシックロマンスの白鳥の歌とされる作品。呪われた怪人メルモス。スリリングなプロットと陰影に富んだ描写が両立するとこんなに長くなるんだ…。しかもリレーと入れ子の連続で話がどんどん変わるという複雑な構造。バランスが少し悪いし疲れたが、素晴らしかった。今まで読んだゴシック小説の主人公には、これほど叙事詩的な葛藤はない。「決して成功することのない誘惑者」(解説)と雛鳥のように彼を慕う圧倒的に可憐な楽園の少女イマリーに慄然とする。

  • cowley さん

    分厚さにひるんだけれど、すごく面白かった。もう次から次へと。最後のあたりで再登場した人物を『(この人物のこと、読者は既に失念してしまわれたろうか)』ってホント忘れてたし!

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