CD 輸入盤

ゲルギエフ/ロシアン・ハート(17CD)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4825471
組み枚数
:
17
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ゲルギエフ/ロシアン・ハート(17CD)


ゲルギエフがPHILIPSレーベルで制作したロシア/ソ連の音楽からのコレクションがイタリア・ユニバーサルから登場。イタリア・ユニバーサルは2012年に「ゲルギエフの芸術」と題した12枚組ボックス、2015年にウィーン・フィル録音集5枚組をリリースして好評を博しており、今回はゲルギエフ第3弾ということになります。
 収録内容は、マリインスキー劇場管弦楽団(キーロフ歌劇場管弦楽団)、ロンドン・フィル、ロッテルダム・フィル、ロンドン交響楽団を指揮したものとなっています。
 参考までにそれぞれのディスクのかつてのジャケット画像を表示しておきます。(HMV)

Disc1
1812年〜ロシア管弦楽名曲集
マリインスキー劇場管弦楽団


1. グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲
2. ハチャトゥリアン:剣の舞(バレエ音楽『ガイーヌ』から)
3. ハチャトゥリアン:アダージョ(バレエ音楽『スパルタクス』から)
4. ボロディン:だったん人の踊り(歌劇『イーゴリ公』から)
5. ボロディン:だったん人の行進(歌劇『イーゴリ公』から)
6. リャードフ:交響詩『バーバ・ヤガー』 op.56
7. リャードフ:交響詩『キキモラ』 op.63
8. チャイコフスキー:序曲『1812年』 op.49

 マリインスキー歌劇場合唱団(4)
 オランダ王立海軍楽隊員(8)
 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1993年4月、5月
 録音場所:オランダ、ハーレム
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc2
ムソルグスキー:展覧会の絵、チャイコフスキー:フランチェスカ・ダ・リミニ
ロンドン・フィル


現代指揮界最後のカリスマ、巨匠ゲルギエフの本格的デビュー盤となった1989年録音の『展覧会の絵』。2000年のウィーン・フィルとの再録音も迫真の演奏ですが、37歳の若きゲルギエフによる当録音もその生命感と激しさ、スケールの大きさと鋭い切り込みの深さにおいて一歩もひけを取っていません。

● チャイコフスキー:幻想曲『フランチェスカ・ダ・リミニ』 op.32
● ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』(ラヴェル編)

 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1989年7月
 録音場所:ロンドン、セント・ジョンズ・チャーチ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc3
ボロディン:交響曲第1番、第2番
ロッテルダム・フィル


カリスマ、巨匠ゲルギエフが国際的にめきめきと頭角を現し始めた30代半ばに録音されたボロディンの交響曲。ロッテルダム・フィルの首席客演指揮者に就任した時期のこのコンビの初録音です。ロシア的な雰囲気と色彩豊かなオーケストレーションの魅力を鮮やかに聴かせます。(UNIVERSAL MUSIC)

● ボロディン:交響曲第1番変ホ長調
● ボロディン:交響曲第2番ロ短調

 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1989年10月
 録音場所:ロッテルダム、デ・ドゥーレン
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc4
チャイコフスキー:交響曲第6番《悲愴》、《ロメオとジュリエット》
マリインスキー劇場管弦楽団


ゲルギエフのチャイコフスキーといえば、今の世に珍しい、野蛮なまでの豪快演奏が大反響を呼んだウィーン・フィルとの交響曲第5番(1998年ザルツブルグ・ライヴ)の記憶も生々しいところですが、その第5番の1年前、手兵キーロフ歌劇場管とフィンランドで収録された今回の《悲愴》も、予想通りヘヴィーで濃厚、そのドラマティックな資質を改めて印象付ける強烈な演奏となっており、ファンにはたまらない内容と言えます。
 『ロシアの低弦』の威力をまざまざと見せ付けた重厚な冒頭から、金管セクションの炸裂に仰天の展開部を経て、深い溜息を思わせるコーダまで、一遍のドラマのように描き切った第1楽章からして、この指揮者独特の隈取り濃い表情付けに驚かされます。早めのテンポで流麗に進めながらも、分厚い旋律線が身に迫る思いがする第2楽章も圧巻、第3楽章では“野人”ゲルギエフの面目躍如たる痛快なマーチを聴かせ、そして、まさに『慟哭』としかいいようのない終楽章での激烈な表現に至っては、もう言葉もありません。ゲルギエフが要求する息の長い旋律形成に万全に応えて息切れひとつみせないキーロフ歌劇場管の底知れぬスタミナも特筆ものです。カップリングの《ロメ・ジュリ》での異様なまでのヴァイタリティも聴きもの。

● チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 op.74『悲愴』
● チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』

 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1997年7月4,6,7日
 録音場所:フィンランド、ミッケリ、ミカエリ・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc5
チャイコフスキー:『眠りの森の美女』抜粋
マリインスキー劇場管弦楽団


チャイコフスキーのバレエ音楽の中で最も長大な『眠りの森の美女』は、マリインスキー歌劇場で初演されました。この録音は、ゲルギエフ率いるマリインスキー歌劇場管によるもので、同コンビによる初のチャイコフスキー・バレエ音楽録音でもあります。

● チャイコフスキー:バレエ音楽『眠りの森の美女』 op.66 抜粋

 マリインスキー歌劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1992年2月
 録音場所:サンクト・ペテルブルク
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc6
ラフマニノフ:交響曲第2番
マリインスキー劇場管弦楽団


メランコリックな旋律に溢れたラフマニノフの第2番は、彼の交響曲作家としての実力を遺憾なく発揮した名作として知られています。このアルバムにはゲルギエフと手兵マリインスキー劇場管弦楽団による初のラフマニノフ交響曲録音となった演奏を収録。ともすると冗長になりかねないこの作品を、ゲルギエフはロシア的情緒を抑制した純音楽的なアプローチによって再現し、作品の持つ抒情性や詩情を美しく歌い上げています。

● ラフマニノフ:交響曲 第2番 ホ短調 作品27

 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1993年1月19-23日
 録音場所:サンクトペテルブルク、マリインスキー劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc7
プロコフィエフ:オラトリオ《イワン雷帝》全曲
ロッテルダム・フィル


この作品はエイゼンシュタイン監督の映画《イワン雷帝》の音楽として作曲されたもので、監督とプロコフィエフの厚い信頼関係、緊密な共同作業の末に完成しました。この録音にはプロコフィエフの死後9年を経て、指揮者A.スタセヴィチが演奏会用の作品に仕立て直したオラトリオ版の楽譜が使用されました。16世紀を舞台に分断されたロシア帝国を統一していくイワン雷帝を、ゲルギエフ率いるロッテルダム・フィルが躍動感溢れる音楽作りで生き生きと描き上げ、重厚な合唱がドラマティックに物語を盛り上げています。

● プロコフィエフ:オラトリオ《イワン雷帝》(全曲)
・1.序曲
・2.若きイワンの行進
・3.大海原
・4.私は皇帝になるのだ
・5.ウスペンスキー大聖堂
・6.遥かなる歳月!
・7.苦行僧
・8.白鳥
・8a.讃歌
・9.敵の骨を踏みしだき
・10.タタール人
・11.砲兵
・12.カザンへ!
・12a.ポーランド宮廷
・13.イワン、貴族たちに懇願す
 13a.ステップはタタールのもの
・14.エフロシニアとアナスタシア
・15.ビーバーの歌(少女エフロシニアの子守歌)
・16.アナスタシアの棺のそばに佇むイワン
・17.親衛隊員たちの合唱
・17a.親衛隊員たちの誓い
・18.フョードル・バスマノフと親衛隊員の歌
・19.親衛隊員の踊り
・20.フィナーレ

 リューボフ・ソコロフ(メゾ・ソプラノ)
 ニコライ・プチーリン(バリトン)
 マリインスキー・オペラ合唱団
 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:ワレリー・ゲルギエフ
 録音:1996年9月、ロッテルダム、デ・ドゥーレン
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc8
プロコフィエフ:スキタイ組曲、アレクサンドル・ネフスキー
マリインスキー劇場管弦楽団


炎の指揮者ゲルギエフが生まれる2ヵ月に世を去った、プロコフィエフの没後50周年に捧げられた録音。濃厚な色彩と鬼気迫る野趣満点の力感、激しく強烈なエネルギーを噴出させるゲルギエフの卓越した技量は他の追随を許しません。

● プロコフィエフ:スキタイ組曲『アラとロリー』 op.20

 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:2002年7月
 録音場所:フィンランド、ミッケリ、ミカエリ・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

● プロコフィエフ:カンタータ『アレクサンドル・ネフスキー』 op.78

 オリガ・ボロディナ(メゾ・ソプラノ)
 マリインスキー劇場合唱団
 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:2002年5月
 録音場所:モスクワ音楽院大ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

Disc9
プロコフィエフ:交響曲第1番、第3番
ロンドン交響楽団



● プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調 作品25『古典交響曲』
● プロコフィエフ:交響曲第3番ハ短調 作品44

 ロンドン交響楽団
 ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:2004年5月
 録音場所:ロンドン、バービカン・ホール

 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

Disc10
プロコフィエフ:交響曲第5番
ロンドン交響楽団


数々のオペラや管弦楽曲、協奏曲の演奏・レコーディングにより、プロコフィエフのエキスパートとして世界的な賞賛を浴びてきたゲルギエフによる交響曲録音。音源となったのは2004年5月初頭にロンドンのバービカン・ホールで、ロンドン交響楽団を指揮しておこなわれた全曲チクルス。

 演奏は、強靭なオスティナートから荒々しい躍動感、爆発的なクライマックス形成、そして悲痛な叙情美にいたるまで、プロコフィエフの語法を隅から隅まで知り尽くしたゲルギエフならではの雄弁な表現が展開されているものとなっています。

● プロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調 作品100

 ロンドン交響楽団
 ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:2004年5月
 録音場所:ロンドン、バービカン・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

Disc11
プロコフィエフ:ロメオとジュリエット(抜粋)
マリインスキー劇場管弦楽団


激しく悲しくしかも荒々しいというロシア的な属性をきわめた素晴らしいプロコフィエフ演奏。西側で洗練され過ぎてしまったこの作品に本来のロシアン・パワーを回復したプロコフィエフのエキスパート、ゲルギエフ会心のレコーディング。

● プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』op.64(抜粋)

 マリインスキー劇場管弦楽団(サンクトペテルブルク・キーロフ歌劇場管弦楽団)
 ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1990年8月
 録音場所:サンクトペテルブルク
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc12
ストラヴィンスキー:火の鳥、スクリャービン:『プロメテウス』
マリインスキー劇場管弦楽団


2000年のザルツブルク音楽祭では、ウィーン・フィルを指揮して“火の鳥”を演奏し、喝采を浴びたゲルギエフですが、色彩感の強烈さと凶暴なまでの力強さではこちらのディスクが断然上。 組み合わせも大編成の“プロメテウス”という、これまた色彩的な作品であり、このコンビならではの濃厚な演奏が心行くまで楽しめます。 必ずしもコンディションのよくなかったウィーン・フィルはじめザルツ・ライヴに不満をもたれた方にもお薦めの内容です。

1.ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』(1910年版)
2.スクリャービン:プロメテウス−火の詩(交響曲 第5番)

 マリインスキー劇場合唱団(2)
 アレクサンドル・トラーゼ(ピアノ 2)
 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1995年4月、1997年7月(2)
 録音場所:サンクトペテルブルク・フィルハーモニー大ホール(1)、 フィンランド、ミケッリ・ホール(2)
 録音方式:ステレオ(デジタル)

Disc13
ストラヴィンスキー:春の祭典、スクリャービン: 『法悦の詩』
マリインスキー劇場管弦楽団


ラストの溜めは、おそらく史上最長。野性味溢れるゲルギエフの「春の祭典」。凝ったオーケストレイションを抑制を効かせて鳴らすことで、作品の狂気を表現していくブーレーズなどの演奏が美徳とされてきた「春の祭典」。ここで聴かせてくれるゲルギエフの演奏はそのような作品の特性を大切にしながらも、随所でオケをパワフルに鳴らしきることで、この作品を"フランス的"な味わいから野性味溢れる"ロシア音楽"に引き戻すことに成功しています。
 特に低弦の迫力は尋常でなく、「春のきざし」(トラック2)での地響きのような支えや「春の踊り」(4)での深く唸るような響きには圧倒されるところ。また管楽器を中心とした、ソロやアンサンブルについては逆に抑制の効いた表情が楽しめ、冒頭のファゴットの艶かしさ、「祖先の儀式」(13)のトランペットの極微妙なレガートなど、小技にも注目したいところです。また、男女の営みを表現したと言われる「法悦の詩」も、激しい仕上がりです。

● ストラヴィンスキー:バレエ音楽『春の祭典』(1947年版)
● スクリャービン:交響曲第4番作品54『法悦の詩』

 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1999年7月
 録音場所:バーデン・バーデン
 録音方式:ステレオ(デジタル)

Disc14
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番
マリインスキー劇場管弦楽団


曲は、ゲルギエフ自身が“戦争交響曲”と位置づける『交響曲第4番』。通常、ショスタコーヴィチの“戦争交響曲”というと、第7番から第9番の3曲を指しますが、ゲルギエフによれば「第二次大戦開戦前の不穏な時代に書かれた第4番から第6番もそれらに含めるべき」とのこと。
 確かに、この問題作から感じられる異様なまでの激しさ、力強さ、残虐さは比類のないものであり、それらに戦争や圧政の影を結びつけて考えるのも自然なことかもしれませんし、また、並存する諧謔的な表現についても、アイロニーの発露と考えれば納得も行きます。
 とはいえ、そうした時代背景への認識を抜きにしても、マーラーの7番や1番、マイスタージンガーの引用(パロディ)を経た大音響地獄の果てに、最後は美しく静かなコーダに収斂されてゆくという構図は、交響曲好きにはたまらないものがあるといえるでしょう。
 この第4番はショスタコーヴィチの交響曲の中でも特異な経緯を持ついわく付きの作品で、30歳の時に完成、画期的な大作交響曲でありゲネプロまで終了していたにもかかわらず、政治的判断により作曲者みずから発表を中止。そして実に25年後の1961年、〈雪解け〉といわれる状況の中、コンドラシンの指揮でようやく記念碑的初演が行なわれるのです。確かにその後の成功予定作(?)の第5番と較べると、この第4番は余りにも斬新かつ凶暴であり、ショスタコーヴィチが当局を恐れたのも無理からぬことだったのかもしれません。
 ゲルギエフの演奏は、これまで通り、破壊的なダイナミズムと細部まで入念な表現の両立した見事なものであり、その鮮やかなくまどりがもたらすショッキングなまでに強烈な印象は、作品の複雑な性格を極限まで追求した結果とも考えられます。
 ゲルギエフの濃密な語り口は、高い抽象性と深い含蓄を持つこの交響曲を、現代に見事に着地させた解釈といえるでしょう。とりわけ2組のティンパニの予告に始まる圧倒的なクライマックスは全曲の白眉。金管のコラールから全強奏で叩き込まれる壮絶なカタストロフを、ゲルギエフは容赦なく開示しています。そして不穏な気配をはらみつつ、緊張感を伴った透明な静寂のうちに作品は閉じられます。聴き返すほどに新しい発見を聴き手にもたらしてくれるこのゲルギエフ盤、これまでの歴史的名盤に比すべき現代の名演として、今後長く君臨し続けることでしょう。

● ショスタコーヴィチ:交響曲第4番
 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:2001年11月20-22日
 録音場所:サンクト・ペテルブルグ、マリインスキー劇場
 録音方式:ステレオ(デジタル)

Disc15
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、第9番
マリインスキー劇場管弦楽団


ゲルギエフの力強くシンフォニックなアプローチはここでも一貫しており、騒々しい音響やこけおどし的表現に陥りがちなコーダにおいても、外面的効果とは無縁のダイナミックかつ格調高い表現が達成されています。20世紀には数多くの指揮者によりこの曲の名盤が多数残されましたが、ようやくこれらを凌駕する『21世紀の名盤』というにふさわしいアルバムが誕生しました。自らが信じる音楽をストレートに表現しようとするゲルギエフの強靭な意志とその底知れぬ表現意欲から生まれた現代の名盤です。カップリングの第9番は軽く扱われがちな曲ですが、ゲルギエフによる第1楽章冒頭の絶妙なテンポを一聴するだけで、ここでは十分な重みをもって演奏されていることが分かります。さらに繊細かつ大胆なアゴーギクによって作品から驚くほど雄弁な表情が引き出され、アイロニカルな面での魅力抽出も申し分ありません。

● ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 OP.47『革命』
● ショスタコーヴィチ:交響曲第9番 変ホ長調 OP.70

 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

録音:2002年6月30日(第5番)、2002年5月14日(第9番)


Disc16
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番『レニングラード』
マリインスキー劇場管弦楽団&ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団


2001年9月19日〜21日、ロッテルダムのデ・ドゥーレンにおけるライヴ・レコーディング。「この作品のけたはずれの激烈さを表すには、世界大戦のような大音響が必要」と語るゲルギエフの理念に従い、2つのオーケストラによる合同演奏というスタイルを採用しているのが注目されます。
 合同演奏とはいっても、この場合は単に演奏者の数を増やすということだけが目的ではなく、それぞれのオーケストラからの選抜メンバーで構成するという形態を採用しているところに大きな意義があり、2つのオーケストラの最良の部分が演奏に現われるようになっているのがポイントです。
 この形態ではこれまでにも、キーロフ歌劇場管弦楽団に、北ドイツ放送響やサンタ・チェチーリア国立アカデミー管、NHK交響楽団を組み合わせるという形でコンサートがおこなわれており、いずれも大成功を収めていますが、ここで聴けるロッテルダム・フィルとの合同演奏を聴けばその評判にも十分に納得がゆくというものです。
 その大音量時におけるマッシヴな音響の凄まじさはまさに、「世界大戦のような大音響」を髣髴とさせるもので、その意味では両端楽章におけるカタストローフと歓喜の恐るべき爆発ぶりは過去に例が無いとさえ言えるほどのレベルに到達しているとさえ言えるでしょう。
 ゲルギエフならではの容赦のないアジテーションも、この作品にはまさにピッタリで、「巨大な悲劇」「平和への祈り」「生への期待」が作品の中心テーマだと語る彼の解釈方針を克明に描いていて申しぶんありません。
 また、この録音では、世界でも有数の名ホールと言われるデ・ドゥーレン(de Doelen)の豊かな響きもあって、凶暴で強大なトゥッティにさえ独特の美しさが加わっているのが嬉しいところで、その力強くしかも奥深い響きを見事に捉えた技術者のセンスは脱帽ものの素晴らしさ。 大音量で楽しみたい優秀録音盤です。

● ショスタコーヴィチ:交響曲第7番ハ長調 Op.60『レニングラード』
 マリインスキー劇場管弦楽団
 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

録音時期:2001年9月
録音場所:ロッテルダム、デ・ドゥーレン
録音方式:デジタル(ライヴ)

Disc17
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番
マリインスキー劇場管弦楽団


1994年のセッション録音。かつて『スターリングラード交響曲』とも呼ばれていたこの戦時中の作品は、戦争の酷さや悲しみ、虚無感を投影したものとして、壮大・激烈な音響にさえ独特のペシミズムやパロディ感覚、アフォリズムの精神が備わるという含みのある重層的な性格を持っているのが特徴。
当時のゲルギエフは41歳。35歳の若さでキーロフ劇場芸術監督に就任し、3年後のソ連崩壊による劇場の混乱をなんとか収拾して再建に成功して間もなかった時期という事もあってか、劇場のオケであるキーロフ管弦楽団の荒削りながらもパワフルなサウンドからは意欲あふれる演奏を聴くことができ、ゲルギエフのドラマティックなスタイルによく適合しています。(HMV)

● ショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65
 マリインスキー劇場管弦楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:1994年9月
 録音場所:オランダ、ハールレム、コンセルトヘボウ
 録音方式:デジタル(セッション)

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小生はオーディオリスナーである。クラッシ...

投稿日:2017/03/01 (水)

小生はオーディオリスナーである。クラッシック音楽を極上の音で聴くことを常としたい、が、いまだ日々追いかけている。今年になって実家農家の納屋に40年近く置き去りしたネズミの糞まみれの真空管とさびだらけのトランス類を偶然見つけたしだい。引き締まった低音、弦 ブラス類が生々しく再現できないかとの思いから、だめ元でアンプ製作をすることに。抵抗、コンデンサーなど新調し、なんとか 2A3S ロフチン.ホワイト型を完成させた。そして本BOXで音出しということになった。ゲルギエフ マリンスキー のコンビは ブラスの響きが素晴らしく、録音もDeccaで悪かろうはずがない。衝撃を受けたのが CD7のオラトリオ イワン雷帝。途中 ”おや! 映画音楽かいな?”。HMVの楽曲説明をあらためて読んでみて得心。後半に大太鼓であろうか? ”ドスン”と部屋を揺らす”音”がなまなましく録音されている。う〜ん 音楽 演奏もそうだが、この魂を揺する コーラス、独唱を含む”音”の洪水は。。 しばし言葉を失う。フィナーレ部、チャイコフスキーの1812の旋律が?聞き違いか?調べるとチャイコの同曲にはロシア帝国国歌が使用されているとあった。プロコフエフも(歴史)映画音楽とあれば同国歌やロシア民謡をアレンジしてもおかしくはないだろう。ま、小生にとっての収穫は、調整段階で貴重なパワー管が4本のうち2本が怪しい青白い火花を散らしてボツになったのは悔やまれるが、残った2本で素晴らしい低音と中高音を奏でるアンプにある。市販の300Bアンプがかすむくらいだ。音にうるさい方々、音楽の何たるをうんちくする博士諸君、間違いなく、本BOXはハートをくすぐるだろう。

室長鉄男 さん | 新潟県 | 不明

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