(こちらは新品のHMVレビューとなります。参考として下さいませ。中古商品にはサイト上に記載がある場合でも、封入/外付け特典は付属いたしません。また、実際の商品と内容が異なる場合がございます。)
エドゥアルト・ファン・ベイヌムの芸術 Vol.1(9CD)
ベイヌム&コンセルトヘボウ管、ロンドン・フィル
1949〜1953 レコーディングス
巨匠ベイヌムの遺したPHILIPSとDECCAの主要音源から、CD22枚分を、英スクリベンダムが2巻のセットでリリース。
このVol.1のセットには、デッカからの音源がCD9枚に収められています。ベイヌムはメンゲルベルクの時代からコンセルトヘボウ管弦楽団を指揮しており通算30年に及ぶオーケストラとの関係を築いています。特に後半の14年間は首席指揮者としてオケに深く関わり数々の名演奏を聴かせていました。
ベイヌムは戦時中にも僅かにレコーディングをおこなっていましたが、本格化するのは、1946年にデッカと契約してからのことで、コンセルトヘボウ管弦楽団をメインに、ロンドン・フィルとも録音しており、その後1953年までデッカとの関係は続きます。
【勢いのあるデッカ録音】
その間に生み出された録音の数々は、生々しいサウンド志向だったデッカの音の傾向もあってか、活気に満ちた演奏となっているものが多く、昔から定評のあるブラームスの交響曲第1番や、幻想交響曲、マーラー4番、ブルックナー7番など、当時のベイヌムの勢いのある指揮をよく伝えてくれます。
【ベイヌム・プロフィール】
メンゲルベルクの後任としてコンセルトヘボウ管弦楽団の音楽監督となったエドゥアルド・ファン・ベイヌムは、1901年9月3日、オランダのアーネムに誕生しています。幼い頃からヴァイオリンとピアノを学んでいたベイヌムは、16歳でアーネム管弦楽団に入団し、ヴィオラ奏者として活動する一方、指揮の勉強も始め、アムステルダム音楽院では、ピアノ、ヴィオラ、作曲を学んでいます。
ベイヌムは19歳の時にピアニストとしてデビューしていますが、並行して各地のアマチュアのオーケストラや合唱団の指揮を始め、ほどなく指揮者に転向します。
プロとしての指揮者デビューは25歳の時で、同年、ハールレム交響楽団の常任指揮者に就任。1929年には、コンセルトヘボウ管弦楽団への客演デビューが大成功を収め、1931年にはメンゲルベルクの招きにより、同楽団の副指揮者となって活動を展開、1938年からはメンゲルベルクとともに正指揮者として同楽団の指揮にあたり、1945年にメンゲルベルクが戦犯として追放されると、ひとりで同楽団の高い水準を維持、各地の演奏会でも成功を収めることとなります。特にロンドンへの引っ越し公演は大成功で、これがきっかけで1946年からはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を兼任することとなり(1951年まで)、さらに1954年にはフィラデルフィア管弦楽団に客演してアメリカ・デビューでも大成功を飾り、同年、コンセルトヘボウ管弦楽団を率いてのアメリカ・ツアーでも大きな成功を収め、それを機に1956年からはロサンゼルス・フィルの常任指揮者を兼任することとなりました。
しかし、もともと病気がちだったベイヌムにとっては、こうした激務はこたえたようで、晩年には心臓疾患となってしまい、1959年4月13日には、アムステルダムでのブラームス交響曲第1番のリハーサル中に心臓発作で倒れてしまいます。まだ57歳という指揮者としては働き盛りの年齢でした。(HMV)
【収録情報】
Disc1
・ベートーヴェン:バレエ音楽『プロメテウスの創造物』Op.43 [38:10]
1952, Kingsway Hall, London
・モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 K385 『ハフナー』[17:01]
1952, Kingsway Hall, London
ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団
Disc2
・ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.68 [41:17]
1951, Amsterdam
・ブラームス:大学祝典序曲 Op.80 [10'19]
1952, Amsterdam
・ブラームス:悲劇的序曲 Op.81 [13'20]
1952, Amsterdam
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Disc3
・ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14 [46:50]
1951, Amsterdam
・ベルリオーズ:『ファウストの劫罰』〜「ラコッツィー行進曲」 [04:23]
・ベルリオーズ:『ファウストの劫罰』〜「妖精の踊り」 [02:18]
・ベルリオーズ:『ファウストの劫罰』〜「鬼火のメヌエット」 [05:17]
1951, Amsterdam
・ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』 Op.9 [07:59]
1951, Amsterdam
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Disc4
・ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB.107 [58:40]
1953, Amsterdam
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Disc5
・マーラー:交響曲第4番 ト長調 [52:11]
1952, Amsterdam
・フランク:交響詩『プシシェ』[20:30]
1951, Amsterdam
マーガレット・リッチー(ソプラノ)
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Disc6
・ハイドン:交響曲第94番 ト長調 『驚愕』[22:06]
1951, Amsterdam
・ハイドン:交響曲第96番 ニ長調 『奇跡』[22:25]
1952, Amsterdam
・ハイドン:交響曲第100番 ト長調 『軍隊』[18:50]
date unsure (1946 or 1950), London
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団(軍隊)
Disc7
・シベリウス:交響詩『エン・サガ』Op.9 [19:10]
1952, Amsterdam
・シベリウス:交響詩『タオピラ』Op.112 [17:36]
1952, Amsterdam
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Disc8
・ブリテン:春の交響曲 Op.44 [35:43]
1949, Amsterdam
・ブリテン:歌劇『ピーター・グライムズ』より4つの海の間奏曲 Op.33a [14:12]
1953, Amsterdam
・ブリテン:『青少年のための管弦楽入門』Op.34 [17'01]
1953, Amsterdam
ヨー・ヴィンセント(ソプラノ)
キャスリーン・フェリアー(アルト)
ピーター・ピアーズ(テノール)
ロッテルダム少年合唱団
オランダ放送合唱団
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
Disc9
・シューベルト:『ロザムンデ』序曲 ハ長調 Op.26 D644 [10:06]
1952, Amsterdam
・シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D417『悲劇的』[28:29]
1952, Amsterdam
・メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』〜序曲 [11:37]
・メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』〜夜想曲 [6:07]
・メンデルスゾーン:『真夏の夜の夢』〜スケルツォ [4:23]
1957, Amsterdam
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
エドゥアルト・ファン・ベイヌム(指揮)