忘却のしかた、記憶のしかた 日本・アメリカ・戦争

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000247832
ISBN 10 : 4000247832
フォーマット
出版社
発行年月
2013年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
22

内容詳細

冷戦の終焉、戦後五〇年という節目において、またイラクやアフガニスタンでの新しい戦争が進行するなかで、日本とアメリカは、アジア太平洋戦争の記憶をどう呼びおこし、何を忘却してきたのか―。ポスターや着物に描かれた戦争宣伝や修辞、ヒロシマ・ナガサキの語られかた、戦後体制のなかで変容する「平和と民主主義」、E.H.ノーマンの再評価など…。過去をひもとき、いまと対置することで「政治化」された歴史に多様性を取りもどす、ダワーの研究のエッセンスが凝縮された、最新の論集。一九九三年以降に発表したエッセイ・評論に、著者自身による書き下ろしの解題をつける。

目次 : 第1章 E.H.ノーマン、日本、歴史のもちいかた/ 第2章 二つの文化における人種、言語、戦争―アジアにおける第二次世界大戦/ 第3章 日本の美しい近代戦/ 第4章 「愛されない能力」―日本における戦争と記憶/ 第5章 被爆者―日本人の記憶のなかの広島と長崎/ 第6章 広島の医師の日記、五〇年後/ 第7章 真の民主主義は過去をどう祝うべきか/ 第8章 二つのシステムにおける平和と民主主義―対外政策と国内対立/ 第9章 惨めさをわらう―敗戦国日本の草の根の諷刺/ 第10章 戦争直後の日本からの教訓/ 第11章 日本のもうひとつの占領

【著者紹介】
ジョン・W・ダワー : 1938年生まれ。アマースト大学卒業。ハーバード大学博士号取得。日本近代史・日米関係史。マサチューセッツ工科大学名誉教授

外岡秀俊 : 1953年生まれ。東京大学法学部卒業。朝日新聞社で学芸部、社会部、ニューヨーク、ロンドン特派員、編集委員などを歴任。現在、ジャーナリスト活動を続けながら、北海道大学公共政策大学院(HOPS)研究員を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Miyoshi Hirotaka さん

    奴隷解放宣言から約150年、人種問題は依然として一触即発の緊張の火種。それは、事実が忘却されないから。ところが、約70年前、国家間では記録の隠蔽、捏造、遵守するつもりのない基準の押し付けとやりたい放題。勝者の野蛮性や残虐性を隠すための都合のいいストーリー作りと敗者の記憶の再構築が行われた。戦争を境に善悪を分ける考え方には賞味期限がある。わが国に敵対する近隣諸国が、様々な手段で介入を企てるようになり、作られた記憶の不自然さに対し、無制限に寛容にはなれない。記憶と忘却のバランスにこそ永続的な平和がある。

  • 壱萬弐仟縁 さん

    2012年初出。近代化定式に急進的な歴史観の伝統を暗黙裡に批判する標的がある(17頁)。1948年にノーマンは、自由はそれが永らく勢力をもっていた国においても、これをおろそかにしたり冷淡であったりするならば、失われてしまうことがありうる、と慶大で述べたという(30頁)。社会科学は自由をどう確保するかの術を教えるものという考えであれば、極めて自由への向き合い方は問われるところ。自由がすたれれば、自尊心をなくし、絶望や自棄や羨望や欺瞞や怨恨が廃園の雑草のようにはびこって来る(34頁)。故郷が放射能汚染の如し。

  • Kazehikanai さん

    歴史をどう捉えるか、歴史から何を学ぶべきかを強力に示唆する好著。面白いと言っては語弊がありそうだが、日本の敗戦や戦後の忘却された過去の歴史的経験、いろはかるたの表現に見る一般感情を分析する論文など、どれも非常に興味深い。過去の論文に付した解題があるのも親切で、著者が一貫した視座を保ちつつ、冷静な論議をしてきたことがよくわかる。戦後の日本を深々と見つめてきた著者の言葉の数々は重たい。米朝チキンレース、改憲論争などを見るにつけ、今まさに読まれるべき論考集だと思う。

  • Homo Rudolfensis さん

    ☆4.1 『敗北を抱きしめて』のジョン・ダワーさんの著書。ダワーさんの論文集で、結構難解でよくわからないものも多かったんですが、「二つの文化における人種、言語、戦争」はかなりわかりやすかったです。なんと、日系人収容の混乱の中で、アメリカでは「ジャップ狩猟免許証」なるものが配布され、店頭には「ジャップ狩猟解禁」の貼り紙が掲示されていたとか。ただ、単純な母国批判の左派学者というわけではなく、日本に関しても「敗戦」と「加害」を真っ向から受け止めずに、自身の「被害」を強調する傾向にあることも鋭く指摘してます。

  • KAZOO さん

    第1章ではハーバート・ノーマンを引き合いに出して歴史分析論のような感じがします。私は、日本の読者へ、序論、この第1章でかなりこの著者の考え方を知ることができました。あとは比較的読みやすく日本の被爆者や戦後の状況などにかなりページが割かれています。また「敗北を抱きしめて」を再読したくなりました。

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