女神 新潮文庫 改版

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101050256
ISBN 10 : 4101050252
フォーマット
出版社
発行年月
2002年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,346p

商品説明

さながら女神のように美しく仕立て上げた妻が、顔に醜い火傷を負った時……女性美を追う男の執念を描く表題作等、11編を収録する。

<三島由紀夫>(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威。1947年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。

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美とは、美しい女性とは何か、歪んだ愛情・...

投稿日:2012/10/19 (金)

美とは、美しい女性とは何か、歪んだ愛情・・・。本編の女神も面白いのですが、本編が終わった後、3~4ページくらいの短編が続きます。僕は何故だかその短い話の方が、とても面白く感じて、次から次へと読み進めてしまいました。人間の醜い部分まで美しい文章で表現してしまい、違和感なく感動させる三島文学!ほんの数頁ごとにじんわりと何かが心にきました。

ひ〜ちゃん さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    表題作の中篇「女神」をはじめ、主として三島の20代に書かれた掌・短篇を10篇収録。三島文学の系列からすれば、『仮面の告白』や『金閣寺』といった本格的な小説と、ライトな三島との中間くらいの位置づけ。女を描かせれば実に上手い三島だが、ここでも朝子を近距離から眺めながらも、冷静沈着に分析して見せる。エンディングは多義的な解釈が可能だが、私はやはりエレクトラ・コンプレックスを採る。他の小品では「侍童」、「鴛鴦」あたりは小説の巧みさが光るし、「雛の宿」の幻想文学的な洒脱さも捨てがたい。三島はやはり若くして三島だ。

  • 遥かなる想い さん

    三島由紀夫ほど、肉体・美貌というものに拘った小説家はいないかもしれない。美しく仕立て上げた妻が顔に醜い火傷を負って…何を書こうとしたのだろう。

  • takaichiro さん

    由紀夫先生をもう一冊。表題の中編、他10の短編を収録。「女神」は女性美を追い求める男の飽くなき執念を軸に、周辺に様々な人間の感情を時に鮮やかに、一方で暗闇に蠢く得体の知れない気持ち悪さまで編み込む。煌びやかな文体は少し抑えめ。その変わりキメ細かな心情描写と微かだが予想外の展開を重層的に表現。遠くまで続く波間の重なりを海岸で見つめている時の様な畏怖を感じる。美貌の妻が空襲で顔に火傷を負い、娘の朝子を美の化身に育て上げようとする周伍。若い朝子の恋愛感情や、母親の娘に対する嫉妬も絡み思い通りには行かず・・・

  • 優希 さん

    主観的・閉鎖的な美の世界に息を呑みました。10編全てに歪でありながらも完璧な美しさが見られます。三島の追求する美意識が至る所に散りばめられていると言ってもいいでしょう。中・短編とはいえども、流麗な言葉で語られる世界観には、酔わせる力を感じました。話が短い分、凝縮された世界観が伺えるように思います。

  • 馨 さん

    表題作目当てで買いました。他の短編集も素晴らしく贅沢な1冊でした☆戦後文学のイメージにない内容の話が多く昭和20年代に書かれたとのことで驚きました。『女神』『接吻』『雛の宿』『哲学』が良かったです!『朝の純愛』もサスペンスチックで面白いです。『女神』は、自分が朝子、周伍、依子のどの立場からでもどこか共感でき、美しい姿だけを求める姿=いつの間にか人間の醜さが現れるものなのだなと感じました。それにしても三島先生の作品の日本語の美しさはここでも健在で読んでいて日本語に誇りが持てました。。。

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