モーヴァン BOOK PLUS

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784048973045
ISBN 10 : 4048973045
フォーマット
発行年月
2003年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
301p;19

内容詳細

ある日、台所で「彼」が自殺しているのを発見する。死体をロフトに置き、日常生活を続ける「私」。S・モーム賞を受賞した作家の処女作。

【著者紹介】
アラン・ウォーナー : 1964年、スコットランド生まれ。本作品は、処女作にてサマセット・モーム賞を受賞。BBCフィルムズで映画化が決定。二作目は「These Demented Lands」。三作目の「Sopranos」で大ブレイク。この作品は、早くもハリウッドでの映画化が決まっている。現在、アイルランドのダブリンに在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    モーヴァンは21歳の主人公(女)の名前で、この小説の語り手でもある。物語の主要な舞台は、スコットランド北西の辺境の港町(少なくても地図からはそう見える)オーバン。クリスマス前に始まり、ほぼ1年後に幕を閉じる。一種のロード・ノヴェルといった感もある。小説作法はコーク・マッカーシーに似ていると言えば、まあそうだ。抒情の質も重なるように思う。モーヴァンは思索することがない。ただ、感じるだけのようにも見える。語るのは彼女の聴いている音楽だろうか。そうであるようにも思う。スコットランド新感覚派パンク文学なのだろう。

  • NAO さん

    冒頭いきなり死体が現れて驚かされるが、それを発見した語り手(モーヴァン)が驚くわけでもなく、誰かを呼ぶわけでもなく、平然と日常生活を続けることに度肝を抜かれる。彼女は冷酷というより驚くほどにドライなのだ。彼女には「今」と「ちょっと先の未来」しか頭にない。舞台は、明記されてはいないが、解説によるとスコットランドだという。小さな港町で、誰もが顔見知り、誰もが飲んだくれ。孤児で里親に育てられ中学さえ中退した少女の日常。そういったもろもろから醸し出されるやり場のない暗さ。彼女は、そこから抜け出したかったのだろう。

  • ヘラジカ さん

    モーヴァンは、周囲の人間と同じ自由奔放・自堕落な生活を送っていながら、どこかがズレている女性。その行動や感じたことは一人称で淡々と記されている為ズレは目立つ形では見えないのだが、彼女は間違いなく異質な存在である。狂気と言うと少し違うが、明らかに危ういバランスの上に成り立っている脆さを感じる。この小説は、そんな現代の『異邦人』とも言うべきモーヴァンをひたすら即物的に描いた作品である。大して面白くもないし、好みでもないのだが、止め難い魅力があって一気に読まされてしまった。読み易いのに難物という不思議な小説。

  • 501 さん

    なんとなく村上龍の"限りなく透明に近いブルー"を思い出す。"限りなく~”は好きな作品だが、こちらは、若さゆえの感性の鮮烈さは感じられるものの、海外の感性なのかいまいちのれず。突然自死した彼の死体を目の前にし、それをうまく受け止められず感覚が麻痺しているように物語は淡々と進んでいく。文体は主人公のつぶやきや心から漏れ出した言葉のようでもあり、文体そのものが主人公のような不思議な感覚のある。

  • 4423 さん

    訳者の瀬戸氏いわく、モーヴァンの語り口は文法を無視したかなり独特なもののようで、文章がざらざらと引っかかりまくるのはそのせいか。 時おり美しい表現に圧倒されつつも、クスリとセックス、孤独に溺れるモーヴァンの淡々とした日常を描いていく。彼氏の自殺、里親、スーパーの安い賃金で働く女。孤独。孤独。快楽。孤独。「未来は明るいとは言えないだろうな、モーヴァン」その言葉に不思議と救われた思いがする。ふつうならば逆のことを言うのだろう。未来は明るいのだから、元気を出してなんて風に。

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