ほとんど記憶のない女 白水Uブックス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784560071748
ISBN 10 : 4560071748
フォーマット
出版社
発行年月
2011年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
209p;18

内容詳細

「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」わずか数行の超短篇から私小説・旅行記まで、「アメリカ小説界の静かな巨人」による知的で奇妙な51の傑作短篇集。


わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉全51編。「アメリカ小説界の静かな巨人」によるひねくれた独特のユーモアは、一度読んだらクセになる。


十三人めの女/ほとんど記憶のない女/フーコーとエンピツ/大学教師/肉と夫/地方に住む妻1/私たちの優しさ/サン・マルタン/認める/認めない/ロイストン卿の旅/この状態/出ていけ/ノックリー氏/たいていの場合彼が正しい/自分の気分/グレン・グールド/裏のアパート/混乱の実例/オートバイ忍耐レース 他全51編


異形の物語
「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」
わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉を収めた傑作短編集。カウボーイとの結婚を夢みている自分を妄想する「大学教師」、自分の料理を気に入らない夫の好みを記憶を辿りながら細かく分析していく「肉と夫」、思考する〈私〉の意識とメモをとる〈私〉の行為を、まったく主語のない無機質な文体で描く「フーコーとエンピツ」他、全五十一編を収録。「アメリカ小説界の静かな巨人」デイヴィスの、目眩を引き起こすような思考の迷路や言葉のリズム、また独特のひねくれたユーモアは、一度知ったらクセになる。


リディア・デイヴィス Lydia Davis
1947年マサチューセッツ州生まれ。ニューヨーク州在住。
著書に『話の終わり』(作品社)、Break It Down(1986)、Samuel Johnson IsIndignant(2002)、Varieties of Disturbance(2007、白水社より刊行予定)など。ビュトール、ブランショ、レリスなどフランス文学の翻訳家としても知られ、プルースト『失われた時を求めて』第一巻『スワン家の方へ』の新訳の功績により、2003年にフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを授与された。また2010年にはフロベール『ボヴァリー夫人』の新訳を5年がかりで完成させた。


訳者:岸本佐知子(きしもと さちこ)
1960年生まれ。上智大学文学部英文学科卒。翻訳家。
訳書に、N・ベイカー『中二階』『もしもし』『ノリーのおわらない物語』、S・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、J・ウィンターソン『さくらんぼの性は』『灯台守の話』、T・ジョーンズ『拳闘士の休息』、M・ジュライ『いちばんここに似合う人』、L・デイヴィス『話の終わり』他。編訳書に『変愛小説集』『変愛小説集 II』。また著書に『気になる部分』、『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)がある。




【著者紹介】
リディア・デイヴィス : 1947年マサチューセッツ州生まれ。ニューヨーク州在住。ビュトール、ブランショ、レリスなどフランス文学の翻訳家としても知られ、プルースト『失われた時を求めて』第一巻『スワン家の方へ』の新訳の功績により、2003年にフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを授与された。また2010年にはフロベール『ボヴァリー夫人』の新訳を5年がかりで完成させた

岸本佐知子 : 1960年生まれ。上智大学文学部英文学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」。著者はルシア・ベルリン作品集の解説を書かれた方で、その文章から興味が湧いて彼女の作品を読んでみた。この奇妙な読み味はまさに好みのものだった。収録された掌編51篇は多彩で、自由自在な語りに惚れてしまった。知的で深みがあり、それでいて親しみ易さがある。思考、思考、思考を巡らせる文章の中で、考えすぎる自分にうんざりと著者は頭の中の余白の大切さを問う。読み手を煙に巻くようでいながら、物事の本質的な感覚を取り戻させるかのように寄り添ってくれていると感じた。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    一人である孤独と解放感、親切にする人に対する嬉しさと一抹のうっとおしさ、家族に植え付けられた怒りと無神経の蓄積に対する憎悪と無理解と諦めとそれでも依存してしまうという言葉にならなかったことが細やかに表現されています。心の襞に内包している蟠りなどを的確に切り取る辻村深月さんに近い作家さんだと思いました。最後が「共感」と言う物語で終わっている構成が上手いです。

  • たまご さん

    エッセイのような,私小説のような,紀行文のような,哲学のような.表現的にはさまざまだけれど,でもどれも悩み尽くしている,でも当事者なのにどこか客観的な作者の視点が,統一感をもたらしているように感じます.繊細で知的で,おそらく完璧主義で悲観的な作者.そんな作者の,その出来事が起きた時の,感情というより思考の変遷が語られる. 世の中は,思考に満ちている.

  • KI さん

    「異形」と書くとどこか恐ろしさがあるけれど、「異なる形を持つもの」と書くとどこか愛くるしさが湧いてくる。

  • mm さん

    感想が書きにくい読書体験。イメージが喚起されたり、鋭い切り込みにハッとしたり、ちょっとした言い回しに感心したり…決して読みにくいわけではないのだが、ガッチリ掴んだ気にならない。思わず読み返して見れば、確かに内容は頭の中に残っているのに…作中の誰かに感情移入して物語の中に取り込まれるみたいな読み方はできなかった。作者と文と私と文中人物と時々視線を交わしながら進むんだけど、目は合わなくて気配を手探りしてるみたいな感じ?でも、クールでカッコ良さは最大級でした。フーコーのどんな文が読みにくいかだけは共感したけど。

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