この指揮者は40番を非常にドラマティックに聴かせます。かつてこのCDシリーズで出ていた演奏も素晴らしかったですが、今度の新盤も優れた演奏です。最近流行のオーセンティックやら原典主義の演奏とは正反対の演奏で、学究派が歴史的観点や楽譜の表記から作曲家の真意に迫ろうとするなら、この人は自分の信念と作曲家への愛を魂の歌として歌い上げるタイプです。そこに好き嫌いも出てくるでしょうが、最近チヤホヤされる、物の分かったような若造指揮者などとは比べ物にならない内容を持った演奏である事は確かです。

心が安らぎます。昨今では聴けなくなった、というより流行らない演奏かも。私は、この時代の演奏に浸ってきた者ですので何よりも親近感が湧きます。細部まで細かく丁寧で、決して煽らず純粋な音が流れる。ベトのこの曲には「崇高さ」を感ずるのですが、精神性に寄り添い見事に聴かせてくれます。品格ある堂々たるﾍﾞｰﾄｰｳﾞｪﾝであります。

予想もされなかった初出録音ばかりで、発売当時かなり話題になったCD。39年放送録音の「運命」は音は今ひとつながら精悍な30年代のフルトヴェングラーの姿を見せてくれ、VPOとの40番はロマンティックな情緒と切り込みの鋭い表現で魅力的だった。その他ラヴェルの作品のリハーサル風景なども含まれ、ファンには欠かせないアイテム。

このめっぽう楽しい曲と出会ったのは高校生時代，Philipsから出ていたベルリンフィルハーモニー八重奏団（ヴィオラは土屋邦雄さん）のレコードによってでした。現在は入手できないようですが，この演奏を一番彷彿とさせるのがベルリン・ゾリステンの演奏。さすがベルリンフィルだけあって，クラリネットのライスターはじめ名手が揃っています。余裕あるテンポと伸び伸びふっくらした表情が何とも楽しげで和やか。モーツァルトのホルン五重奏曲が，これまた優雅で美しい演奏。録音（1990年）はとても柔らかく音場感豊かです。

ピアノを弾いているヴュルツ嬢はブダペストの出身。解説によると，あのアンドラーシュ・シフのマスタークラスを受けたそうです。他にはモーツァルトのピアノソナタの選集（Brilliant）を聴いただけですが，安定した技術と清楚な音で，作品の魅力をじっくり味わわせてくれる人だと思います。このディスクでは，管楽器の4人と息の合った演奏を聴かせていて，室内楽にも適性があるようです。nekoさんご指摘のクラリネット，私は特に不満を感じませんでした。聴き方が甘いのかな？ ピアノと管楽器の溶け合いが美しい優秀録音（1997年）。

Hessの心温まる表現をしっかり支えるBoultも素晴らしい。モーツァルトはさらに温かい雰囲気が聴こえてくれるが確かに音質が・・・ これが残念。

ベト４番。素晴らしいのは、タメが非常に効いている点だ。だから、抒情が満を持して炸裂する。合唱幻想曲も緊迫した演奏だ。モツＰ協１３番はやや堅い。骨格のしっかりした演奏だと言うことも出来る。２０番は、オケの出だしの音が堅い。ピアノの低音部がゴトゴトという感じで気になる。中・高音部が良いだけに、また、大好きな曲だけに、更にはカッチェンというピアニストに強く惹かれるだけに、どうしても注文は多くなる。２５番は、こんなにきっぱりした曲だったかな？　ソナタ１１番は、端然としてひたむき。集中力を感じる。

最高！感激しました。ベートーヴェン交響曲「第７番」の第２楽章の美しさ及び第４楽章の迫力に、久しぶりに感動しました。モーツァルトの演奏も面白いです。

意外なところから、意外なものが出るものだ。HMVのレヴューの通りカーゾンとブーレーズのアプローチの違いが合奏のずれにも現れているが、各々を「別々に」楽しめば良かろう（寧ろそうするしかない…）。ベートーヴェンは兎も角、モーツァルトではピアノの幻惑的な表情に魅了される一方、オーケストラも彼等の最良のものを提示していて何度聴いても飽きない。精妙な音程とリズムの統制が、単なる完璧さを超えて一音一音に固有の音色と輝きを与え始めている。ブーレーズの頭の中にある響きは、本当はこのようなものであったのだろうか。

「ジュピター」はクナらしい演奏、しかしこの「７番」は誰？、クナにしては立派すぎる演奏、でも聴く価値あり、ラテン系のレーベルなんで大目にみてね。