皇帝のための器楽曲集
18世紀前半のハプスブルク帝国において、首都ウィーンは政治的に安定しており、絶対君主ヨーゼフ1世とカール6世は音楽のパトロンとして積極的で、美術や建築にも多額の支出を行い、ウィーンの貴族たちも音楽に惜しみなく投資をしました。特に宗教音楽においては、宮廷音楽家は重要な役割を果たし、ヨハン・ヨーゼフ・フックスとアントニオ・カルダーラが音楽監督として影響力を持ちました。当時の宮廷では「ガラ・グランデ」と呼ばれる宗教音楽の演奏が定められており、演奏する際にはトランペットとティンパニが含まれることが必須とされていました(金管楽器なしの器楽ソナタは「ソナタ・オルディナリエ」として作曲され、時にトロンボーンやヴィオラが加わることもありました)。宮廷トランペット奏者に求められる技術的水準は非常に高く、特にトランペットは非常に高い音が求められました。
このアルバムには6人の作曲家の作品を収録。演奏するのはグダニスク出身のトランペットとティンパニ奏者によるアンサンブル「Tubicinatores Gedanenses(トゥビシナトーレス・ゲダネンセス)」と弦楽アンサンブル「Arcus adiuncti(アルクス・アディウンティ)」。300年前のドナウ川沿いの首都を特徴づけた壮麗さを華麗に描き出すプログラムで、私たちを当時のウィーンへ導きます。ボーナス・トラックとして添えられたのは、リガとポーランドで活躍したメーダーの歌劇の一部です。(輸入元情報)
【収録情報】
フランツ・イグナツ・アントン・トゥーマ[1704-1774]:
● 序曲 ハ長調『クラリーノのための』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
● ソナタ第1番ハ長調『トランペットとティンパニのための』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
● 3声のパルティータ ヘ短調/ヘ長調〜弦楽合奏と通奏低音のための
ヴェンツェル・ライムント・ヨハン・ビルク[1718-1763]:
● ソナタ ハ長調『トランペットとティンパニのための』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
トゥーマ:
● ソナタ第2番ハ長調『トランペットとティンパニのための』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
● 3声のソナタ/トリオ ハ短調〜弦楽合奏と通奏低音のための
● ソナタ第3番ハ長調『トランペットとティンパニのための』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
カール・マティアス・ラインハルト[1711-1767]:
● ソナタ ハ長調『トランペットとティンパニのための』〜2つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
トゥーマ:
● ソナタ第4番ハ長調『トランペットとティンパニのための』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
ヨーゼフ・ウムシュタット[1711-1762]:
● 3声のソナタ 変ロ長調〜弦楽合奏と通奏低音のための
イグナツ・プルストマン[c.1683-1723]:
● ソナタ ハ長調『トランペットとティンパニのための』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
ウムシュタット:
● 4声のパルティータ ニ長調〜2つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
マティアス・エットゥル[1675-1725]:
● ソナタ ハ長調『4声のクラリーノの協奏』〜4つのトランペット、ティンパニ、弦楽合奏と通奏低音のための
ヨハン・ヴァレンティン・メーダー[1649-1719]:
● 歌劇『最上のアルゲニア』〜5声のシンフォニア/シンフォニア第2番/戦いのソナタ/シンフォニア第4番
トゥビシナトーレス・ゲダネンセス(古楽器アンサンブル/ナチュラル・トランペット4、ティンパニ)
アルクス・アディウンティ(古楽器アンサンブル/ヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ、コントラバス、ファゴット、チェンバロ)
録音時期:2024年7月8-11日
録音場所:Niebo Polskie, Gdansk
録音方式:ステレオ(デジタル)