カール5世が愛した『千々の悲嘆(かなしみ)』収録
ビウェラ、リュートそれぞれの楽器の魅力と持ち味を最大限に堪能できるプログラム
ビウェラ音楽は、「楽器の収集家で音楽愛好家であったカール5世と共に生まれ、共に消えた」といっても大げさではない。中音域が最も良く鳴り、高音と低音は弱い。対位法の音楽に適している。一方同時代の6コースリュートは細かくて速いパッセージや、舞曲のリズム作りには好都合である。歴史的なガット弦によって演奏されることによって、2つの楽器の違いがはっきりと聴き分けられることもこのCDの目的の1つである。(商品帯より)
櫻田亨は、日本ギター専門学校でギターを学んだあと、オランダのデン・ハーグ王立音楽院でリュートを佐藤豊彦に師事。ソリストとしてのみならず、通奏低音奏者として、共演者の意図を十分に汲み取って盛り立てる柔軟な音楽性は、多くの演奏家から信頼を集めています。リュートソロCDに、好評発売中の『やすらぎのガット』(WAONCD060)があります。
ビゥエラとリュートの魅惑の音色が堪能できる貴重な一枚。このディスクをかけると、時間の流れる速度がふっと変わるようです。(WAON RECORDS)
【収録情報】
ナルバエス:
・『クラロス伯爵』による変奏曲
・『ファンタジア』第2巻第2番
・『ファンタジア』第2巻第6番
・リシャフォーの『我、無気力に塞ぎ込む』
・『ファンタジア』第1巻第2番
・『低音上の対位法』
・『ファンタジア』第2巻第4番
・『牛を見張れ』による変奏曲
・『ファンタジア』第2巻第3番
・『皇帝の歌』(ジョスカン(?)の『千々の悲嘆(かなしみ)』)
ノイジードラー[1508-1563]:
・ジョスカン(?)の『千々の悲嘆(かなしみ)』
・オルガン風プレアンベル(プレリュード)
・ホフハイマーの『あなたの意のままに』
・ラピチーダの『タンネルナックにて』
・ジョスカンの『さらば恋人よ』
・素敵なイタリア舞曲
・イサークの『泉流れて』
・イサークの『異教の女』
・掻き鳴らし奏法による宮廷舞曲
櫻田亨(ビウェラ、リュート)
録音時期:2008年10月28-30日(リュート)、2009年11月11-12日(ビウェラ)
録音場所:長崎県西海市、大島文化ホール
録音方式:DSD recording(セッション)
Producer, Engineer, Edit:小伏和宏
Recording co-producer:佐藤豊彦
CDは国内プレスとなります。
ビウェラとリュートの違いを歴史的ガット弦による演奏で聴きわけようという企画。スペインのカール五世が独り占めした感の強い前者の響きは珍しい。デン・ハーグで研鑚した櫻田の演奏は真摯なもので楽器の違いも見事に再現される。全体を通してテープヒス様のノイズが被る録音が少々残念。(田)(CDジャーナル データベースより)