「彼女が楽器を吹き始めると、驚きが止まらない・・・この柔軟性、火花、そしてエネルギー!」
と絶賛を受ける名手が、イタリア・ルネサンス〜バロック音楽の感情豊かな秘宝に光を当てる
ドロテー・オベルリンガーの新録音は「ディスカヴァリー・オブ・パッション(=感情の発見)」と題され、16世紀から17世紀にかけてのルネサンスからバロックへの転換期、つまり、それまでの時代の音楽と違って、感情や情熱といった要素をより豊かに表現できるような新たな音楽語法が創り出された時代に生まれた作品に新たな光を当てています。
この時代、特にフィレンツェ、フェラーラ、ヴェネツィア、ローマ、ナポリのイタリア文化の中心地となる多くの都市では、新たな音楽理論をもとに、作曲家の感情が音楽に反映されるようになり、豊かな旋律や和声を通じて音楽に盛り込まれた感情の起伏が聴き手にも直接伝わるようになりました。ソナタやカンツォーナといった小さな形式の器楽曲にさえ、連続する不協和音や息をのむほどの速いパッセージによって、絶望や怒りといった感情の大きな起伏が盛り込まれるようになったのです。
このアルバムは、クラウディオ・モンテヴェルディ、タールキニオ・メールラ、ジローラモ・フレスコバルディ、サラモーネ・ロッシ、ジョヴァンニ・バッサーノ、ジョバンニ・バティスタ・ヴィターリなど、当時のイタリアの最先端を走っていた重要な作曲家による作品を収録しています。このアルバムは、ヴァイオリン奏者、指揮者、そしてカウンターテナー歌手という3つの顔を持つ、カリスマにして型破りの音楽家であるドミトリー・シンコフスキーとの共演が実現し、これによりレパートリーは魅力的なアリアに囲まれています。オベルリンガーとシンコフスキー、オベルリンガー自身のピリオド楽器アンサンブル「アンサンブル1700」の楽器奏者も加わり、説得力ある音楽が繰り広げられています。(輸入元情報)
【収録情報】
1. ロッシ:シンフォニアとガリアルダ集 第1巻よりシンフォニア第2番『in Eco』
2. ダリオ・カステッロ:現代的なソナタ・コンチェルターテ 第1巻よりソナタ第1番
3. バッサーノ:『リチェルカーレ、パッサージョ、カデンツ集』よりリチェルカータ第3番
4. メールラ:教会と室内のための協奏的ソナタによるカンツォン第3集 Op.12より第20番『チャコーナ』
5. ヴィターリ:ソナタ・パルティータ集より『パッサ・ガッリ』
6. ジョヴァンニ・パオロ・チーマ:教会音楽集より4声のソナタ
7. ピエトロ・パドロ・メッリ:リュートのためのインタボラトゥーラ第5巻より半音階的カプリッチョ
8. モンテヴェルディ:ミラヌッツィの優美なアリオーソ第4巻より『苦しみが甘美なものなら』
9. フランチェスコ・ロニョーニ:『種々のパッセージの森』より『ああ私はこんなに傷ついて』
10. メールラ:教会と室内のための協奏的ソナタによるカンツォン第3集 Op.12より『ラ・カタリーナ』
11. ジョバンニ・バッティスタ・フォンタナ:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調 F.1475.02
12. モンテヴェルディ:『ポッペアの戴冠』より『ここに戻ってきてしまった』
13. モンテヴェルディ:マドリガーレ集 第8巻『戦いと愛のマドリガーレ』より『今や天と地と風が黙し』 SV.147
14. ジョヴァンニ・バッティスタ・スパーディ:段階ごとの上行と下行のパッサッジョの書より『たとえ再び別れても』(リュート編曲版)
15. フレスコバルディ:カンツォーナ集 第2巻より『ラ・ベルナルディーニャ』(リコーダーとオルガン編曲版)
16. ミケランジェロ・ロッシ:オルガンとチェンバロのためのインタボラトゥーラによるトッカータとクラントよりトッカータ第7番
17. メールラ:転落したクルツィオと様々なカプリッチョ集第2巻 Op.13より『そんな馬鹿げたことを』
18. マルコ・ウッチェリーニ:ソナタ、アリアとクラント Op.3よりベルガマスカのアリア第5番
ドロテー・オベルリンガー(リコーダー)
ドミトリー・シンコフスキー(ヴァイオリン、カウンターテナー)
ジェレミー・ジョゼフ(チェンバロ、オルガン)
ルーカ・ピアンカ(リュート)
マルコ・テストーリ(チェロ)
アンサンブル1700
録音時期:2019年10月14-18日
録音場所:ケルン、ドイチュラント放送カンマーザール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)