コンラート・ユングヘーネル・エディション(10CD)

コンラート・ユングヘーネル・エディション(10CD)

リュートの巨匠、コンラート・ユングヘーネルが1982年〜1995年にかけてドイツ・ハルモニア・ムンディに残した名盤10枚をボックス・セット化したものです。
　ユングヘーネルは1953年、ドイツ生まれのリュート奏者。16〜18世紀のリュート作品の演奏に力を入れており、現代最高のリュート奏者の一人として絶賛されています。独奏者としてだけでなく通奏低音奏者としても活躍し、ムジカ・アンティクヮ・ケルン、クイケン・アンサンブルなどの古楽アンサンブルとの共演も多く、高く評価されました。1978年からはケルン音楽院で教鞭をとり、さらに1987年には声楽アンサンブル「カントゥス・ケルン」を結成し、指揮者としてバロック時代の知られざる声楽作品も含めて積極的に紹介しています。
　ここに収録されたレヒナー、シャインなどの演奏は、「ユングヘーネルの密度の濃い演奏は作品の輝きを示し、構造を明確にしている」と、初出時に絶賛を受けたものです。完全生産限定。(輸入元情報)

【ビーバー：ロザリオのソナタ】
昨年10月に亡くなったヴァイオリニスト、フランツヨゼフ・マイヤーは、バロック・ヴァイオリンのパイオニアとして、ソロ奏者、室内楽奏者、コレギウム・アウレウムのコンサートマスターとして活躍したほか、教授として、ラインハルト・ゲーベルやヴェルナー・エールハルト、マンフレート・クレーマーらドイツ古楽界の逸材を育てています。
この『ロザリオのソナタ』は、マイヤーの代表作で、気品ある美しさが印象的な素晴らしい演奏です。各曲を調弦を変えて演奏するというこの作品に向き合うにあたり、マイヤーは、作曲者と関わりの深かったヤーコプ・シュタイナーの銘器など4本のヴァイオリンを弾き分け、時代考証を反映させた解釈によって演奏しています。伴奏の通奏低音は、フランツ・レールンドルファーのオルガンと、マックス・エンゲルのチェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、そしてコンラート・ユングヘーネルのテオルボという編成です。

オーストリア・バロックの作曲家ビーバー
1994年、生誕350周年を機に注目を集め始め、没後300周年の2004年に人気に火がついたハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバー[1644-1704]は、ヴァイオリンの名手として名を成し、やがて、ザルツブルク大司教のもとで、宮廷楽長の地位にまで登りつめたオーストリア・バロックを代表する作曲家。
宮廷作曲家として教会音楽を書くときのビーバーは、荘厳な美に彩られた作風が特徴的でしたが、器楽作曲家としてのビーバーの作風は、ときに大胆で過激なまでの手法を駆使することもあったという革新的な存在でもありました。

ロザリオのソナタ
後者の代表作としては、当時のヴァイオリン演奏技法を集大成したと言われる『ロザリオ・ソナタ』がなんといっても有名。
『ロザリオ・ソナタ』は『ミステリー・ソナタ』とも呼ばれ、聖母マリアとイエス・キリストの生涯を、受胎告知からキリストの受難・復活、聖母マリアの戴冠までのストーリーに沿った標題を持つ15の場面に分け、15のソナタと「守護天使」を表す無伴奏のパッサカリアから構成された作品です。
このソナタは、実際、神秘と謎に満ちています。もっとも特徴的なのがその調弦で、通常の調弦がおこなわれるのは第1曲「受胎告知」と「パッサカリア」のみで、ほかのすべての曲は、異なる調弦のヴァイオリンを用いて演奏されるという「スコルダトゥーラ（変則調弦）」の技法が採用されており、第11番『復活』に至っては、２弦と３弦をクロスさせて張り替えるという独特の手法でユニークな響きを獲得しています。

【収録情報】
Disc1-2
● ビーバー:ロザリオのソナタ(全曲)

　フランツヨゼフ・マイヤー(ヴァイオリン)
　フランツ・レールンドルファー(オルガン)
　マックス・エンゲル(チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ)
　コンラート・ユングヘーネル(テオルボ)
　録音時期:1982-1983年

Disc3-4
● J.S.バッハ:リュート作品全集
　1. 組曲ト短調 BWV.995(リュート組曲第3番)
　2. 組曲ハ短調 BWV.997(リュート組曲第2番)
　3. プレリュード ハ短調 BWV.999
　4. フーガ ト短調 BWV.1000
　5. プレリュード、フーガとアレグロ 変ホ長調 BWV.998
　6. 組曲ホ短調 BWV.996(リュート組曲第1番)
　7. 組曲ホ長調 BWV.1006a(リュート組曲第4番)
　
　コンラート・ユングヘーネル(リュート)
　使用楽器:ヨハン・クリスティアン・ホフマンのモデルによるニコ・ヴァン・デル・ヴァールス製の13弦バロック・リュート　1984年
　録音時期:1988年

Disc5
● ロイスナー:リュート作品集
　1. リュート組曲ニ短調
　2. リュート組曲ハ短調
　3. リュート組曲ニ長調
　4. リュート組曲ト短調
　5. リュート組曲ハ短調
　6. リュート組曲ホ短調

　コンラート・ユングヘーネル(リュート)
　録音時期:1991年

Disc6
● ヴァイス:リュート作品集
　1. 序曲 変ロ長調
　2. 組曲第17番ヘ短調
　3. 組曲第21番ト短調
　4. 組曲ニ短調

　コンラート・ユングヘーネル(リュート)
　録音時期:1984年

Disc7
● レヒナー:生と死の箴言
　1. Deutsche Spruche von Leben und Tod
　2. Come nave ch'in mezzo
　3. Ach herzigs Herz
　4. Wie var mir nur injungen Tagen
　5. Nackend bin ich
　6. Das erst und ander Kapitel
　7. Gott bhute dich
　8. Freu dich heut und allezeit
　9. Zart edles Gmut
　10. Hort, was sich hat zutragen
　11. Ein Musicus wollt frolich sein
　12. Ach, wer wird mir mein' Geist
　13. Aus tiefer Not schrei ich zu dir
　14. Wohldem, der den Herren
　15. Ich ging einmal spazieren
　16. Nach meiner Lieb
　17. Frau, ich bin euch von Herzen
　18. O Tod, du buist ien bittre Gallen
　19. Ach Lieb, ich muss dich lassen
　20. Ganz sehr betrubt
　21. Der Mai viel schoner Blumlein

　カントゥス・ケルン
　コンラート・ユングヘーネル(指揮)
　録音時期:1990年

Disc8
● J.S.バッハ以前の聖トーマス教会カントールの教会作品
　1. クニュプファー: Ach Herr, strafe mich nicht
　2. シェッレ: Das ist mir lieb
　3. クーナウ: Gott, sei mir gnadig nach deiner Gute
　4. シェッレ: Ach, mein herzliebes Jesulein
　5. シェッレ: Barmherzig und gnadig ist der Herr
　6. クニュプファー: Es haben mir die Hoffartigen
　7. シェッレ: Aus der Tieffen rufe ich, Herr, zu dir
　8. クーナウ: O heilige Zeit

　カントゥス・ケルン
　コンラート・ユングヘーネル(指揮)
　録音時期:1992年

Disc9
● シャイン:羊飼いの快楽〜世俗音楽曲集
　1. おお、美わしきアマリリ
　2. 美しき髪のアウロラ
　3. 修道士の仲間よ、こちらへ
　4. 私を取り巻くのは悲しみばかり
　5. フィリが美わしく、清らかだったとき
　6. フィリの美しい瞳の中に
　7. おお別れ、おお辛き別れ
　8. このあいだ盲の神様の
　9. 美わしきフィリ、いったいどうなるのだろう
　10. コケコッコー
　11. 盲いたキューピッド
　12. フィリが愛の光を
　13. おお、類なく美しきアマリリ
　14. 泣きわめき、涙を流すのも
　15. 緑の森のすべてのけものたち
　16. おお、ヴィーナス、盲いたキューピッド
　17. 恋の泥棒キューピッド
　18. ああ、絹のごとき巻き毛！
　19. 兄弟、親愛なるわが兄弟
　20. ミルティッロの子羊
　21. 小鳥たちはさえずり
　22. わが小船は荒海を進みゆき

　カントゥス・ケルン
　コンラート・ユングヘーネル(指揮)
　録音時期:1989年

Disc10
● シャイン:宗教的作品集
　1. 『イスラエルの泉』より
　2. 『Opera Nova II』より
　3. 『Cantional』より

　カントゥス・ケルン
　コンラート・ユングヘーネル(指揮)
　録音時期:1995年