African Beat

　アート･ブレイキー作品群の中で、リズムのルーツをアフリカン・ビートの中に見い出す意欲作の中でも、集大成的な作品。ジャズという枠を超えた本作は、“これもジャズだ！”と訴えるような広がりも感じさせてくれる。ブレイキーにプラスして6人のパーカッション奏者が織り成す、アフリカの大地を感じさせる“うねるリズム”を敲き出し、打楽器の原点がかつてトーキング・ドラムだったことの郷愁さえ呼び起こす演奏。リズムは言葉、うねりは心のバイブレイションだ。

　ブレイキーが録音してきたブルーノート・レーベルへの「アフリカもの」は、そうした意味ではジャズのルーツを白日の下に暴き出し、現在のようなソフィスティケイテッドされたジャズだけがジャズではないことを伝えてくれる。

Yusef Lateef(oboe,ts,fl,coebell,thumb piano)Solomon Ilori(vo,penny whistle,talking drum)Ahmed Addul-Malik(b)Art Blakey(dstympani,gong,telegraph drum)Curtis Fuller(tympani)Chief Bay(Conga,telegrah drum,double gong)Montego Joe(banbara drum,double gong,corboro drum,log drum)Gavin Masseaux(chekere,african maracus,conga)James Ola Flami(conga)Robert Crowder(bata drum,conga)
Recorded 1962-1-24.