Name Of Life

カリブ海に浮かぶ小さな島、ジャマイカで生まれ、幼少の頃からレゲエ・ミュージックに囲まれた環境の中、独学で音楽を学び、おおよその楽器を使いこなせる天性の才能を持ったシンガー・ソングライター、アネット・ブリセット。
アネット・ブリセットの音楽は、メイシー・グレイやエンヤにも共通する、アーティストとしての強烈なまでの個性とその歌声、そしてルーツ音楽の魅力なエッセンスが織り成す、極上のコンテンポラリー・ポップスである。また、その音楽性は女性版ボブ・マーレイとも称されている。それは、まさに現代の病める社会に、女神のごとく、やさしく強く問いかけ、癒しを与えてくれる存在なのである。
人生のひとこまひとこまを捉えた美しくも切ないラブ・ソング。身近な社会問題から、世界平和に至るまで、見事なまでのリリシズムと、ジャーナリスティックなセンスを交差させたメッセージ・ソング。彼女の詩は、アネット・ブリセットという一人の人間像を浮き彫りにしている。そして彼女の鼓動がそのまま踊っているかのような、やさしく、美しいメロディーと力強いサウンドは、人々の心の琴線に痛いほど響く。
本作『Name Of Life』の前面プロデュースに起用されたのは、ジャマイカが生んだリズムツイン、スライ＆ロビー。彼らは、これまでにローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン等をはじめとする数多くの大物アーティストのプロデュース／プレイを手掛け、1998年には、自らのアルバム『FRIENDS』でグラミー賞を受賞している。最近では、NO DOUBTのアルバムからの1stシングル『HEY BABY』のプロデュースで、再びシーンに彼らの存在を大きくアピールしている。そして、サウンドを固めている注目すべき日本人ミュージシャンの存在。小島良喜（キーボード）と西慎嗣（ギター）が見事なプレイでスライ（ドラム）＆ロビー（ベース）を強力にサポートしている。
そんな彼らが、愛情と時間をたっぷりと注いでプロデュースを手掛け、アネット・ブリセットの才気と歌心を鮮やかに結晶させた。
珠玉の一枚、それが『Name Of Life』である。スライ＆ロビーにとっても、アネット・ブリセットは混沌を深めていく現代社会の中で、女神のごとき存在の歌姫なのである。