Songs By Alan O'day

ヘレン・レディのナンバー１ヒット「アンジー・ベイビー」（74年）やライチャス・ブラザーズ「ロックン・ロール・ヘヴン」（74年、全米3位）の作者として、また自身も77年、「アンダーカヴァーエンジェル」をヒット・チャートのトップに送り込んだアメリカのAOR系シンガー・ソングライター、アラン・オデイ。山下達郎の「ユア・アイズ」（82年のアルバム『フォー・ユー』に収録）や同曲を収めたサウンドトラック盤『ビッグウェイヴ』（84年）などで英語詞を担当していたことでもJ-ポップ・ファンにはお馴染み。先頃その「アンダー・カヴァー〜」や「アンジー・ベイビー」の作者ヴァージョンを収めた70年代後期のソロ・アルバムが再発され話題になったばかりだが、73年のファースト『ケアレス・ミー・プリティ・ミュージック』に先だって、自作曲の売り込み用にデモ・オンリーで流通していた激レア・アイテムの登場だ。収録された14曲は70年から73年までの間に作られたもので、数曲にディーン・パークス(スティーリー・ダン他で知られるLAのセッション・ミュージシャン）がドラムス[14]、ベース[1][3][5][7][8][9][10][11]、ギター[9][10]でサポートしている以外は、自身のヴォーカルはもちろん、すべての楽器（ピアノ、ギター、ドラムス、ベース、クラヴィネット）をみずから手掛けている。後年のスタジオ盤のような作りこまれた完成度という点では劣るものの、すでにその優れたメロディメイカーぶりが遺憾なく発揮されていて、それは収録曲の大半が他の多くのアーティスト（アン・マレー、ナンシー・シナトラ、スリー・ドッグ・ナイト、ペギー・リー、ダスティ・スプリングフィールド、トニー・オーランド＆ドーン、キャプテン＆テニール他）によってカヴァーされていることによっても証明されている。[2]はファースト・アルバム（73年）のタイトル曲となり、[3][9]も同アルバムで、また[11]は77年の『アペタイザーズ』で再レコーディングしている。まさにオデイの音楽キャリアの原点となる貴重な作品集だ。