Every Time I Think Of You

グラミー賞のノミネ−ト常連となった「ピアニスト」、アラン・ブロードベントの真骨頂を浮き上がらせる、スムースなタッチ、流れるようなフレーズとどれをとっても満足なアルバム。ビル･エヴァンス派の一人と数えられるブルードベントだが冒頭の“枯葉バリエイション”は、エヴァンスへのリスペクトに溢れる優雅な演奏。

ニュージランド生まれのブロードベントだが、近年はすっかり「Universal Music」での音楽監督・プロデューサー業で実績を積み重ねており、そうした地道な努力がピアニストとしての実力にさらに幅広い音楽性を付け加えてきた。ダイアナ・クラールとのコラボレイションでも優れたアレンジ能力を発揮。現代の優れたアレンジャーの仲間入りを果たしている。本作はそうしたブロードバントの側面を発揮したストリングス・アレンジも聞き物だし、キング・レコードのジャズが売り物としている「ベースの重低音」を大切のした録音は、今回もブライアン･ブロンバーグの深く、趣ある演奏をさらにスケールアップさせている。�Cの中間部のベース・ソロの唸りを聞けば納得するだろう。

Alan Broadbent(p) Brian Bromberg(b) Kendall Kay(ds) with Strings (arranged by Alan Broadbent:Recorded at B2 Studio In L.A. in Fall 2005 　
日本先行発売タイトル『Alan Broadbent With Strings 』