ベルギーの楽譜出版社、ハファバラの上級グレードを集めたマスターピース・シリーズの一枚です。
演奏はイヴ・セヘルス楽長指揮、ベルギー王立近衛兵軍楽隊です。
今回はオリジナル作品と編曲作品がそれぞれ4曲ずつのバランスの良い選曲です。
オリジナル作品はメルテンスやコスミッキ、ゴーブとベテラン勢が勢揃い。
当然というか、作品の出来は一定の水準で仕上がっているが、個人的にはその中ではマイナーな、シュテルトの『ヴェア・イスト・エリーゼ?』が面白いと思った。
編曲作品はいずれもジョセ・シンスによる編曲である。
シンスは演奏団体のトロンボーン奏者を務めながら、かなりの編曲を残し大半はハファバラから出ている。
今回はマイナーな作品が多く、マンシーニ『ポップス・オーケストラへの序曲』コーツ『全労働者諸君』の吹奏楽版は珍しい。
演奏は流石ギィデ、どの曲も余裕のある演奏で、クラシカルな表現からジャズまで幅広いジャンルに対応している。
軍楽隊のサウンドのカラー的に違和感がある作品もないわけではないのだが、少なくとも参考演奏としては十分だろう。
セヘルス楽長も着隊して10年経って、軍楽隊とのコンビネーションはバッチしだ。
録音は普通で、これは残念であるが、総合すると悪くない一枚である。