ヤーノシュ・シュタルケル
マーキュリー・イヤーズ(7CD)
シカゴ交響楽団首席奏者を退任後、インディアナ州ブルーミントンを拠点に、ソリスト、教授として活躍し始めたシュタルケルが1962年から1966年にかけてマーキュリー・レーベルにステレオでおこなったセッション・レコーディングをまとめたセット。シュタルケル38歳から41歳にかけての録音ということで、演奏はエネルギッシュで機敏、録音も優秀で、豪快なサウンドが実に魅力的です。
ボックスの仕様はクラムシェル・ボックス・タイプで、サイズは、縦130mm×横132mm×奥行20mm、英語表記ブックレットを封入し、内袋入りの各ディスクは、それぞれオリジナル・デザインが印刷された紙ジャケットに収納されています。
【プロフィール】
ヤーノシュ・シュタルケルは、1924年7月5日、ポーランド系の父とウクライナ移民の母の元にブダペストに誕生。二人の兄はヴァイオリンを学んでいましたが、ヤーノシュは幼い頃からチェロを弾き、ブダペスト音楽院に入学、アドルフ・シファーとレオ・ヴェイネルに師事、11歳でリサイタル・デビューし、翌年には海外公演もおこなっており、さらに、14歳の時には、わずか3時間の練習で代役としてドヴォルザークのチェロ協奏曲に出演してコンサート・デビューも果たすほどの天才ぶりでした。
しかし、シュタルケルはユダヤ系だったため、1939年にブダペスト音楽院を卒業すると、強制労働に従事させられ、大戦末期の3ヶ月間は両親と共に強制収容所にいました。その間、2人のヴァイオリニストの兄、ティボールとエーデは当時のドイツ政府によって殺されたと言われています。
戦争が終わると、シュタルケルは、ブダペスト歌劇場とブダペスト・フィルの首席チェロ奏者となりますが、翌年ソ連が侵攻してきたため、祖国を後にし、まずウィーンでコンサートを開いて成功を収めます。そして、ジュネーヴを経てパリに拠点を移し、コンサートやレコーディングに力を注ぎ、1948年、パシフィック・レーベルにコダーイの無伴奏チェロ組曲を録音、このレコードがディスク大賞を受賞すると名声が一躍高まります。
ほどなくアンタル・ドラティの招きもあってアメリカ移住を決意、まずダラス交響楽団の首席チェリストとなりますが、翌年にはフリッツ・ライナーの誘いを受けてメトロポリタン歌劇場の首席奏者に就任、その後、1953年にライナーがシカゴ響に移るとシュタルケルも一緒に動き、1958年に退団するまでライナーのもとで活躍します。
その間、1954年にはアメリカの市民権を得ており、1956年にはヨーロッパ公演も実施、1958年にはインディアナ大学の音楽学部教授に就任し、インディアナ州ブルーミントンに居を構え、長年にわたって演奏家活動と教育活動を並行して展開、2013年4月28日に88歳でその自宅で亡くなられています。
シュタルケルのレコーディング総数は160を超えると言われ、卓越したテクニックと音楽性、優れた音質によって、世界的に高い評価を得たものが数多く含まれています。
レコーディングなどでの使用楽器は、1950年から1965年までは主に、「アイレスフォード卿」という名前で知られるストラディヴァリウス、1965年以降はゴフリラーを中心に使用していたようです。(HMV)
【収録情報】
Disc1
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007
1. Prelude [2.31]
2. Allemande [4.29]
3. Courante [2.25]
4. Sarabande [3.22]
5. Menuets [2.56]
6. Gigue [1.39]
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV.1008
7. Prelude [3.16]
8. Allemande [2.48]
9. Courante [1.26]
10. Sarabande [3.40]
11. Menuets [2.35]
12. Gigue [1.42]
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調 BWV.1009
13. Prelude [4.13]
14. Allemande [2.55]
15. Courante [2.11]
16. Sarabande [3.20]
17. Bourrees [3.13]
18. Gigue [2.11]
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV.1010
19. Prelude [4.04]
20. Allemande [2.47]
21. Courante [2.31]
22. Sarabande [3.24]
23. Bourrees [3.53]
24. Gigue [1.38]
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
Format: Stereo
Recording: 1965.9 (No. 1) 1963.4 (No. 2) 1965.12 (No. 3-4),
Ballroom Studio A, Fine Recording, New York
Recording Director: Harold Lawrence
Disc2
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV.1011
1. Prelude [6.50]
2. Allemande [4.13]
3. Courante [2.07]
4. Sarabande [2.44]
5. Gavottes [4.05]
6. Gigue [2.35]
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV.1012
7. Prelude [4.43]
8. Allemande [4.33]
9. Courante [2.35]
10. Sarabande [3.23]
11. Gavottes [3.37]
12. Gigue [2.49]
・J.S.バッハ:チェロ・ソナタ第1番ト長調 BWV.1027
13. Adagio [3.26]
14. Allegro Ma Non Tanto(3.19]
15. Andante - Allegro [2.22]
16. Moderato [2.53]
・J.S.バッハ:チェロ・ソナタ第2番ニ長調 BWV.1028
17. Adagio [1.53]
18. Allegro [3.43]
19. Andante [4.46]
20. Allegro [3.52]
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ジェルジ・シェベック(ピアノ:13-20)
Format: Stereo
Recording: 1963.4 (No.5) 1965.9 (No.6) 1963.4 (Sonatas)
Ballroom Studio A, Fine Recording, New York
Recording Director: Harold Lawrence
Disc3
・ブラームス:チェロ・ソナタ第1番ホ短調 Op.38
1. Allegro Non Troppo [12.49]
2. Allegretto Quasi Menuetto [5.02]
3. Allegro [6.07]
・ブラームス:チェロ・ソナタ第2番へ長調 Op.99
4. Allegro Vivace [9.16]
5. Adagio Affettuoso [7.09]
6. Allegro Passionat [6.46]
7. Allegro Molto [4.23]
・メンデルスゾーン:チェロ・ソナタ第2番ニ長調 Op.58
8. Allegro Assai Vivace [7.38]
9. Allegretto Scherzando [4.55]
10. Adagio [4.55]
11. Molto Allegro E Vivace [7.10]
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ジェルジ・シェベック(ピアノ)
Format: Stereo
Recording: 1964.6 (Op. 38, 99) 1962.7 (Op. 58), Watford Town Hall, London
Recording Director: Harold Lawrence (Op. 38, 99) Wilma Cozart (Op. 58)
Disc4
・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 Op.104
1. Allegro [15.08]
2. Adagio Ma Non Troppo [11.11]
3. Finale - Allegro Moderato [11.47]
4. ブルッフ:コル・ニドライ Op.47 [9.57]
5. チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 Op.33 [15.46]
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ロンドン交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
Format: Stereo
Recording: 1962.7 (1-4) 1964.6 (5), Watford Town Hall, London
Recording Director: Harold Lawrence
Disc5
・シューマン:チェロ協奏曲イ短調 Op.129
1. Nicht Zu Schnell [10.36]
2. Langsam [4.01]
3. Sehr Lebhaft [9.01]
・ラロ:チェロ協奏曲ニ短調
4. Prelude: Lento-allegro Maestoso [11.12]
5. Intermezzo: Andantino Con Moto-allegro Presto [4.59]
6. Introduction: Andante-allegro Vivace [6.45]
・サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調 Op.33
7. Allegro Non Troppo [5.37]
8. Allegretto Con Moto [5.35]
9. Un Peu Moins Vite [7.27]
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ロンドン交響楽団
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮:1-6)
アンタル・ドラティ(指揮:7-9)
Format: Stereo
Recording: 1962.7 (1-4) 1964.6 (5), Watford Town Hall, London
Recording Director: Harold Lawrence
Disc6
・ボッケリーニ:チェロ・ソナタ イ長調 G.4から
1. Adagio [3.51]
2. Allegro [4.36]
・ヴィヴァルディ:チェロ・ソナタ ホ長調 RV.40
3. Largo [2.32]
4. Allegro [1.24]
5. Largo [2.22]
6. Allegro [1.51]
・コレッリ:チェロ・ソナタニ短調(原曲:ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 op.5-8/リンドナー編)
7. Preludio [3.23]
8. Allemanda [1.48]
9. Sarabanda [2.31]
10. Giga [1.47]
・ロカテッリ:チェロ・ソナタ ニ長調(編:A.ピアッティ)
11. Allegro [3.39]
12. Adagio [5.08]
13. Minuetto [5.28]
・ヴァレンティーニ:チェロ・ソナタ ホ長調(編:A.ピアッティ)
14. Grave [3.02]
15. Allegro [2.08]
16. Allegro (Tempo di gavotta) [1.24]
17. Largo [2.28]
18. Allegro [3.10]
・J.S.バッハ:チェロ・ソナタ第3番ト短調 BWV.1029
19. Vivace [5.02]
20. Adagio [5.22]
21. Allegro [3.41]
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
スティーヴン・スウェーディッシュ(ピアノ:1-18)
ジェルジ・シェベック(ピアノ:19-21)
Format: Stereo
Recording: 1966.6 (1-18) 1963.4 (19-21), Fine Recording Studios, New York
Recording Director: Harold Lawrence, Wilma Cozart
Disc7
・ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 op.65
1. Allegro Moderato [9.53]
2. Scherzo: Allegro Con Brio [4.23]
3. Largo [3.21]
4. Finale: Allegro [6.05]
5. メンデルスゾーン:協奏的変奏曲 Op.17 [7.55]
6. マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲 [7.36]
7. ショパン: 序奏と華麗なポロネーズ Op.3 [8.46]
・ドビュッシー:チェロ・ソナタ第1番ニ短調
8. Prologue [4.11]
9. Serenade et Finale [3.24]
10. Finale [3.18]
11. バルトーク:ラプソディ第1番 [10.22]
12. ヴェイネル:ハンガリーのウェディング・ダンス [3.49]
ヤーノシュ・シュタルケル(チェロ)
ジェルジ・シェベック(ピアノ)
Format: Stereo
Recording: 1962.7 (1-4) 1963.10 (5-12) Watford Town Hall, London (1-4)
Fine Recording Studios, New York (5-12)
Recording Director: Wilma Cozart