CD 輸入盤

ジャクリーヌ・デュ・プレ/ザ・コンプリートEMIレコーディングス(17CD限定盤)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
9990919342
組み枚数
:
18
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

デュ・プレ/EMI録音全集(17CD)
CD初収録トラックも!

2007年に限定発売されたボックスセット「ジャクリーヌ・デュ・プレ/ザ・コンプリートEMIレコーディングス」が、マイナーチェンジ&プライスダウンで再登場。

【変更点】
今回のセットには、1962年7月にレコーディングされたバッハのヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第2番の2つの楽章をCD初収録しているほか、2012年に新たにリマスターされた音源もいくつか収録しています。

【12年のキャリアとEMIへの録音】
16歳のとき、天才少女チェリストとしてロンドンのウィグモア・ホールでプロフェッショナル・デビューし、以後、1973年に多発性硬化症という難病に冒され28歳の若さで活動を停止するまでの12年間、ジャクリーヌ・デュ・プレのチェリストとしてのキャリアは、短いながらもこれ以上無いほどの輝きを放つ素晴らしいものでした。
 その間、彼女は一貫してEMIにステレオでレコーディングを続けており、当セットにはそれらをすべて収録しているほか、後年、EMIからライセンス発売された初期BBC録音集と、2002年に初めて発売されたブラームス:チェロ・ソナタ集のEMIによる別録音、そしてこれもEMIがおこなったブルッフ:『コル・ニドライ』のオーケストラ伴奏ヴァージョンの録音も収めています。(HMV)

【ロストロポーヴィチの言葉】
「彼女はチェロを握りしめて生まれてきたかのようです。楽器が手足のように、彼女の身体の有機的な部分そのものでした。それゆえ、演奏するにあたって音楽の流れを邪魔するものがなにひとつなく、感情がそのまま音楽となってダイレクトに聴衆に届くのです。この天賦の才は、今日でも彼女の録音を聴けば感じ取ることができます。」

【収録内容】
Disc1
・エルガー:チェロ協奏曲ホ短調Op.85
 ロンドン交響楽団
 ジョン・バルビローリ指揮
 1965年8月19日、Kingsway Hall(2004年リマスター)

・ディーリアス:チェロ協奏曲
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 マルコム・サージェント指揮
 1965年1月12&14日、No1 Studio, Abbey Road(2001年リマスター)

・サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調Op.33
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1968年9月24日、No1 Studio, Abbey Road(2000年リマスター)

Disc2
・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調Op.104
 シカゴ交響楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1970年11月11日、Medinah Temple, Chicago(1995年リマスター)

・ドヴォルザーク:『森の静けさ』Op.68-5
 シカゴ交響楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1970年11月11日、Medinah Temple, Chicago(1995年リマスター)

・シューマン:チェロ協奏曲イ短調Op.129
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1968年4月7-8日、5月11日、No1 Studio, Abbey Road(2000年リマスター)

Disc3
・モン:チェロ協奏曲ト短調
 ヴァルダ・アヴェリング(ハープシコード・コンティヌオ)
 ロンドン交響楽団
 ジョン・バルビローリ指揮
 1968年9月20日、No1 Studio, Abbey Road(2000年リマスター)

・ハイドン:チェロ協奏曲ニ長調Hob.VIIb:2
 ロンドン交響楽団
 ジョン・バルビローリ指揮
 1967年12月13日、No1 Studio, Abbey Road(1998年リマスター)

・ハイドン:チェロ協奏曲第1番ハ長調Hob.VIIb:1
 イギリス室内管弦楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1967年4月17&24日、No1 Studio, Abbey Road(1998年リマスター)

Disc4
・ショパン:チェロ・ソナタ ト短調Op.65
・フランク(デルサール編):チェロ・ソナタイ長調
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1971年12月10-11日、No1 Studio Abbey Road(2000年リマスター)

・ブルッフ:コル・ニドライOp.47
 ジェラルド・ムーア(ピアノ)
 1962年7月15日、No1 Studio, Abbey Road(2012年リマスター)

Disc5
・バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV1007
 1962年1月7日録音、BBC Studios, London

・バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV1008
 1962年1月26日BBC Studios, London、

・ヘンデル(スラッター編):ソナタト短調HMV287
 1961年3月22日(1999年リマスター)

Disc6
ベートーヴェン:
・チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.5-1
・チェロ・ソナタ第2番ト長調Op.5-2
・チェロ・ソナタ第3番イ長調Op.69
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1970年8月25-26日、Usher Hall, Edinburgh(ライヴ)

Disc7
ベートーヴェン:
・チェロ・ソナタ第4番ニ長調Op.102-1
・チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
・「マカベウスのユダ」の主題による12の変奏曲ト長調WoO45
・「魔笛」の主題による7つの変奏曲変ホ長調WoO46
・「魔笛」の主題による12の変奏曲ヘ長調WoO66
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1970年8月25-26日、Usher Hall, Edinburgh(ライヴ)

Disc8
ベートーヴェン:
・ピアノ三重奏曲変ホ長調Op.1-1
・ピアノ三重奏曲ト長調Op.1-2
・14の変奏曲変ホ長調Op.44
 ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1969年12月29、30日、70年1月3日、No1 Studio, Abbey Road(2001年リマスター)

Disc9
ベートーヴェン:
・ピアノ三重奏曲ハ短調Op.1-3
・ピアノ三重奏曲変ロ長調Op.97「大公」
・ピアノ三重奏曲変ロ長調WoO39よりアレグレット
・ピアノ三重奏曲変ホ長調(1784)よりアレグレット
 ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1969年12月29、30日、70年1月3日、No1 Studio, Abbey Road(2001年リマスター)

Disc10
ベートーヴェン:
・ピアノ三重奏曲ニ長調Op.70-1「幽霊」
・ピアノ三重奏曲変ホ長調Op.70-2
・カカドゥ変奏曲Op.121a
 ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1969年12月29、30日、70年1月3日、No1 Studio, Abbey Road(2001年リマスター)

Disc11
・ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲変ホ長調WoO38
 ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1969年12月29、30日、70年1月3日、No1 Studio, Abbey Road(2001年リマスター)

・ベートーヴェン:クラリネット三重奏曲変ロ長調Op.11
 ジェルヴァーズ・ドゥ・ペイエ(クラリネット)
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1970年1月30日、3月30日、No1 Studio, Abbey Road(2001年リマスター)

・クープラン:コンセール第13番(1724)
 ウィリアム・プリース(チェロ)
 1963年3月17日、BBC Studios, London(1999年リマスター)

Disc12
・R.シュトラウス:交響詩『ドン・キホーテ』Op.35
 ハーバート・ダウンズ(ヴィオラ)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
 エードリアン・ボールト指揮
 1968年4月6-7、9日、No.1 Studio, Abbey Road(1995年リマスター)

ラロ:チェロ協奏曲ニ短調
 クリーヴランド管弦楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1973年1月4&6日、Sevearance Hall, Cleveland(ライヴ/1995年リマスター)

Disc13
・ブラームス:
 チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
 チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1968年5月20日、8月18日録音、No1 Studio, Abbey Road(2000年リマスター)

・ボッケリーニ:チェロ協奏曲第9番変ロ長調G.482
 イギリス室内管弦楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1967年4月17日、24日、No1 Studio, Abbey Road(1998年リマスター)

Disc14
・ベートーヴェン:
 チェロ・ソナタ第3番イ長調Op.69
 チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
 スティーヴン・ビショップ=コヴァセヴィチ(ピアノ)
 1965年12月19-23日、No1 Studio, Abbey Road(2001年リマスター)

・ファリャ-マレシャル編:スペイン民謡組曲
 アーネスト・ラッシュ(ピアノ)
 1961年3月22日、BBC Studios, London(1999年リマスター)

Disc15
・ブラームス:
 チェロ・ソナタ第1番ホ短調Op.38
 チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 1968年4月、London(2002年リマスター)

・ブルッフ:コル・ニドライOp.47
 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
 ダニエル・バレンボイム指揮
 1968年6月、London(2002年リマスター)

Disc16
・ブラームス:チェロ・ソナタ第2番ヘ長調Op.99
 アーネスト・ラッシュ(ピアノ)
 1962年9月3日、Freeman's Hall, Edinburgh(ライヴ/1999年リマスター)

・チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調Op.50
 ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
 ピンカス・ズーカーマン(ヴァイオリン)
 1972年7月、Frederick Mann Auditorium, Tel Aviv(ライヴ)

Disc17
・パラディス-ドュシュキン編:シチリエンヌ
・シューマン:幻想小曲集Op.73
 ジェラルド・ムーア(ピアノ)
 1962年7月16日、No1 Studio, Abbey Road(2012年リマスター)

・メンデルスゾーン:無言歌ニ長調Op.109
 ジェラルド・ムーア(ピアノ)
 1962年7月15日、No1 Studio, Abbey Road(2012年リマスター)

・フォーレ:エレジーOp.24
 ジェラルド・ムーア(ピアノ)
 1969年4月1日、No1 Studio, Abbey Road(2012年リマスター)

・バッハ:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV564よりアダージョ
 ロイ・ジェッソン(オルガン)
 1962年7月15日、No1 Studio, Abbey Road(1995年リマスター)

・バッハ:ソナタニ長調BWV1028−アダージョーアレグロ
 ロナルド・キンロック・アンダーソン(チェンバロ)
 1962年7月15−16日、No1 Studio, Abbey Road(2012年リマスター)
・サン=サーンス:動物の謝肉祭より白鳥
 オシアン・エリス(ハープ)
 1962年7月21日、No1 Studio, Abbey Road(2012年リマスター)

・ファリャ-マレシャル編:スペイン民謡組曲よりホタ
 ジョン・ウィリアムズ(ギター)
 1962年7月21日、No.1Studio,Abbey Road(2012リマスター)

・ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調Op.65よりスケルツォ、マルツィア
 スティーヴン・コヴァセヴィチ(ピアノ)
 1965年2月25日、BBC Studios, London(1999年リマスター )

・パラディス-ドュシュキン編:シチリエンヌ
・シューマン:幻想小曲集Op.73
 ジェラルド・ムーア(ピアノ)
 1963年10月8日、BBC Studios, London(2007年リマスタリング)

 ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)

【ジャクリーヌ・デュ・プレ・プロフィール】
第二次世界大戦も終わりに近づいた1945年1月26日、ジャクリーヌ(ジャクリーン)・デュ・プレは、音楽好きの父デレクと、ピアノや声楽などの素養があった母アイリスの次女としてイギリスのオックスフォードに生まれます。「デュ・プレ」というフランス人のような姓は、先祖が英国海峡フランス沖にあるジャージー島の出身者だったためとのこと。 ジャクリーヌは、4歳の時にラジオから流れるチェロの音に関心を持ったことがきっかけで、母親のアイリスから4分の3サイズのチェロを与えられ、5歳になると母の薦めもあって、ロンドン・チェロ・スクールで姉のヒラリーとともに本格的にチェロのレッスンを受けることとなります。このスクールの総長はチェリスト出身の名指揮者ジョン・バルビローリで、彼はすぐにジャクリーヌの才能を見抜いたといいます。
 10歳になると、ギルドホール音楽学校に通い始めます。この年の始めには、後年まで「マイ・チェロ・ダディー(私のチェロのお父さん)」と呼んで敬愛したイギリスのチェリスト、ウィリアムス・プリースと初めて出会っており、彼女を気に入ったプリースは7年間に渡って彼女を教えることとなります。
 11歳でチェロ援助基金に合格した彼女は、12歳のときにBBC主催のコンサートで演奏。15歳のときには、ギルドホール音楽学校の金メダルを獲得し、クィーンズ賞も受賞、さらにスイスではカザルスのマスタークラスにも参加して腕を磨きます。
 翌1961年3月1日、16歳のときにロンドンのウィグモアホールで、プロとしての正式なデビュー・コンサートをおこない高い評価を獲得。直後にBBCでヘンデルのソナタ、ファリャのスペイン民謡組曲を録音しています。
 年末から翌1962年にかけてはBBCでバッハ無伴奏チェロ組曲第1番、第2番を演奏し、2月には母アイリスの伴奏でサン=サーンス:アレグロ・アパッショナート、グラナドス:ゴイェスカス間奏曲、メンデルスゾーン:無言歌二長調などを演奏して映像を収録(→EMI)。また、3月21日には、ロンドンのロイヤル・フェスティバルホールでルドルフ・シュヴァルツ指揮BBC交響楽団の演奏会でエルガーのチェロ協奏曲を演奏し、大きな成功を収めることとなります。
 その成功により、同じ年の夏にロンドンでおこなわれた「プロムス」にも出演して同曲を演奏、国民的なコンサートでの見事な演奏により、一躍人気を集めることとなったのです。なお、同じ夏にはEMIでブルッフのコル・ニドライ、パラディス:シチリエンヌ、シューマン:幻想小曲集、メンデルスゾーン:無言歌ニ長調、ファリャ:ホタ、バッハ:トッカータ、アダージョとフーガよりアダージョ、サン=サーンス:白鳥をセッション録音しており、9月には、ブラームス:チェロ・ソナタ第2番をアーネスト・ラッシュのピアノでライヴ録音しています。
 彼女はしかし、まだ自分の演奏に満足しておらず、この年の秋、フランスの名チェリスト、ポール・トゥルトゥリエに師事するため、パリに6ヶ月間留学することとなります。
 1963年には、ジェラルド・ムーアとのパラディス:シチリエンヌ、シューマン:幻想小曲集のほか、恩師ウィリアム・プリースとのクープラン:コンセール第13番が録音されています。この年、サージェントの指揮でエルガーのチェロ協奏曲を演奏しており、かつてはその録音がリリースされていました。
 1964年には、後援者のイスメナ・ホーランドから、ストラディヴァリウスの銘器ダヴィドフを贈られ、以後、生涯に渡ってこの楽器と付き合うこととなるのですが、デュプレの演奏が激しいこともあって、ダヴィドフはたびたび修理に出されていたようです。
 1965年1月、ジャクリーヌは、初の協奏曲レコーディングとなったディリアスのチェロ協奏曲をサージェント指揮ロイヤル・フィルとおこない、4月にはゆかりの深いバルビローリと初の共演を果たします。曲はもちろんエルガーです。
 翌月にはドラティ率いるBBC響のアメリカ・ツアーに同行し、カーネギーホールで華々しいデビューを飾っています。曲はやはりエルガーでした。8月にはバルビローリ指揮ロンドン交響楽団とエルガー:チェロ協奏曲のレコーディングをおこない、12月にはLPが発売されるなど、13歳から親しんだエルガーの名曲が、彼女のトレードマークとして、世界で広く知れ渡ることとなりました。
 この12月にはスティーヴン・ビショップとベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番と第5番をレコーディングしています。
 翌1966年2月には、彼女はさらなる研鑽を積むべく4ヶ月間ロシアに留学してムスティスラフ・ロストロポーヴィチに師事します。
 同年12月には、招待されたフー・ツォン家のクリスマス・パーティで、ダニエル・バレンボイムと出会い、彼女の提案によってブラームスのソナタ第2番へ長調が演奏されます。
 翌月(1967年1月)、バルビローリ指揮BBC交響楽団のロシア東欧ツアーに同行、1月3日、プラハ芸術家の家でエルガー:チェロ協奏曲を演奏してライヴ録音(→TESTAMENT)、4日後には、モスクワ音楽院大ホールでも同じくエルガーで賞賛を受けます。
 同年4月5日、バレンボイム指揮イギリス室内管弦楽団と初の共演でハイドンを演奏、ほどなく婚約が発表され、2ヵ月後には結婚式が挙げられます。なお、婚約直後にはバレンボイムとハイドンのチェロ協奏曲第1番とボッケリーニのチェロ協奏曲第9番のレコーディングがおこなわれ、さらにエルガーのチェロ協奏曲をバレンボイム指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団と映像収録しています(→OPUS ARTE)。11月にはチェリビダッケ指揮スウェーデン放送響のコンサートでドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏してライヴ録音(→TELDEC)、12月にはバルビローリとハイドンのチェロ協奏曲第2番のレコーディングがおこなわれています。
 1968年4月は、エードリアン・ボールトと『ドン・キホーテ』のレコーディングをおこない、バレンボイムとはブラームスのチェロ・ソナタ第1番と第2番、シューマンのチェロ協奏曲を録音、5月になるとシューマンの仕上げに続いてブラームスのチェロ・ソナタ第1番と第2番を再度録音、6月には、バレンボイムとブルッフ:コル・ニドライを録音し、9月にバルビローリとモンのチェロ協奏曲、バレンボイムとサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番を録音しています。
 この年の8月には、彼女が前年に訪れたプラハにソ連軍が侵攻、難民化したチェコ人を応援すべく、ロイヤル・アルバート・ホールでドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏するとバレンボイムと共に発表したところ、コンサート直前に脅迫を受け、警察の保護を受けることになるものの、なんとか演奏を終えています。
 1969年は4月にジェラルド・ムーアとフォーレ:エレジーをレコーディングしているほか、8月にはクリストファー・ヌーペン監督のためにシューベルト『ます』の全曲演奏を含むドキュメンタリーを映像収録(→OPUS ARTE)。12月から翌年1月にかけて、ズーカーマン、バレンボイムとベートーヴェンのピアノ三重奏曲全集をレコーディングしています。
 1970年1月、ドゥ・ペイエ、バレンボイムとベートーヴェン:クラリネット三重奏曲を録音。8月、エディンバラ・フェスティヴァルでベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集をバレンボイムとライヴ録音(→EMI)。渡米し、11月にバレンボイム指揮シカゴ交響楽団とドヴォルザークのチェロ協奏曲をレコーディング。フィラデルフィアでのコンサートでは、エルガーのチェロ協奏曲をバレンボイム指揮で演奏し、ライヴ録音(→SONY)。
 1971年1月、バレンボイム指揮フィラデルフィア管弦楽団のコンサートでサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番をとりあげライヴ録音(→TELDEC)。英国に帰ってから、指先の感覚が鈍くなるなどの体調不良を訴え、病院で診察を受けた結果、心因性のものと診断され、秋から1シーズンの演奏をすべてキャンセルします。しかし、12月にはかなり良くなり、キャンセルしたベートーヴェンのチェロ・ソナタの代わりに、ショパンとフランクのチェロ・ソナタをバレンボイムとセッション録音します。このときの演奏は、5ヶ月間もチェロに触れていなかったことが信じられないほどの名演奏でしたが、これが彼女の最後のスタジオ録音となりました。
 1972年7月、エルサレムで、ラジオ放送のためにバレンボイム、ズッカーマンとチャイコフスキーのピアノ三重奏曲『ある偉大な芸術家の思い出』を演奏しライヴ録音(→EMI)。
 1973年1月、バレンボイム指揮クリーヴランド管弦楽団のコンサートでラロのチェロ協奏曲を演奏しライヴ録音(→EMI)。同年2月、メータ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団とエルガーのチェロ協奏曲を演奏し、さらにニューヨークではリサイタルも開きますが、症状は徐々に進行しており、バーンスタインとの共演はキャンセル、4月に来日した際にはすでに演奏不可能となり、予定されていたコンサートはすべて中止となってしまいました。
 同年10月には中枢神経が冒され、難病「多発性硬化症」と診断されます。しかし、ジャクリーヌ本人や家族は、この病気の進行が遅いものであることを祈って日々を過ごしていたのですが、1975年、ニューヨークのロックフェラー研究所がくだした診断は、「多発性硬化症がさらに悪化している」というもので、これにより、ジャクリーヌはチェリストとして事実上の引退を決断することとなり、後進の指導にたずさわる道を選びます。
 この年、ジャクリーヌは音楽での社会貢献を称えられて大英帝国勲位(OBE)を授与され、一方、夫のバレンボイムはパリ管弦楽団の音楽監督に就任。パリを本拠地とするようになります。
 1978年、プロコフィエフの『ピーターと狼』のナレーターとして、「ジャクリーヌ・デュ・プレ基金」設立の記念コンサートに参加。
 1979年、エリザベス皇太后から音楽博士の名誉学位を授与されます。同年、母校のギルドホール音楽学校でBBCのために4回シリーズのマスタークラスも実施。
 1987年10月19日、病状悪化によりロンドンの自宅で死去。享年42歳でした。
 1988年1月26日、生きていれば43回目の誕生日だった日に、その輝かしい生涯に感謝するコンサートが開かれ、デイム・ジャネット・ベイカーが歌い、ズービン・メータがスピーチをし、夫だったバレンボイムがイギリス室内管弦楽団とモーツァルトのピアノ協奏曲第27番を弾き振りで演奏しました。
 1989年、ガーデニング好きには有名なハークネス社が、彼女の名を冠した「ジャクリーヌ・デュ・プレ」というバラを発表。晩年、視力が衰えたジャクリーヌが、その香りの美しさから好んだという白く清楚で儚げなバラで、現在でも高い人気があります。(HMV)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. I. Adagio - Moderato.
  • 02. II. Lento - Allegro molto.
  • 03. III. Adagio. - Cello Concerto in E Minor, Op.85 (2004
  • 04. IV. Allegro - Moderato
  • 05. Lento - .
  • 06. Con moto tranquillo - .
  • 07. Lento - .
  • 08. Con moto tranquillo - .
  • 09. Allegramente. - Cello Concerto (2001
  • 10. I. Allegro non troppo - .
  • 11. II. Allegretto con moto - .
  • 12. III. Allegro non troppo. - Cello Concerto No. 1 in A Minor, Op.33 (2000

ディスク   2

  • 01. I. Allegro. - Cello Concerto in B minor B191 (Op. 104) (2001 Digital Remaster)
  • 02. II. Adagio ma non troppo. - Cello Concerto in B minor B191 (Op. 104) (2001 Digital Remaster)
  • 03. III. Finale (Allegro moderato). - Cello Concerto in B minor B191 (Op. 104) (2001 Digital Remaster)
  • 04. Silent Woods, Op.68, B.182 (2000 - Remaster)
  • 05. I. Nicht zu schnell - .
  • 06. II. Langsam - Etwas lebhafter
  • 07. III. Sehr lebhaft - (Cadenza)

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総合評価

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短いデュプレのキャリアのパノラマを見せる...

投稿日:2015/10/30 (金)

短いデュプレのキャリアのパノラマを見せるようなBOXだが、何しろティーンの頃からのレコーディングがあるので、円熟の軌跡をはっきりと見ることが出来る。デュプレと言うとエルガーとドヴォルザークばかりが言われがちだが、それ以外の曲も素晴らしい。「ドンキホーテ」は、酸いも甘いもみたいなボールトの素晴らしい指揮を得て、感銘が深い。単なるじゃじゃ馬娘の演奏ではない。最後の方の回想的なシーンなんかは、若いのにこんな感慨に耽るような音楽も出来るとは、と感じさせる(想像力の問題なんだね、きっと)。ラロの協奏曲やブラームスのソナタ(何故か極く短期間に二度録音が行なわれており、両方が収録されているが、後のものの方が圧倒的に音が良いし、二番の一楽章はそれだけ提示部を反復している)は、短い生涯のうちでも彼女が深みを増していったことを示している。ここのレビューではバレンボイムへの風当たりが強いが、ちょっと映画での描かれ方の影響もあるのでは?確かに気負い過ぎというかあざとさ感はあるし、私も彼のブルックナーとかの指揮には関心がないが、決して無能な伴奏ではない。それに三重奏でのズーカーマンのヴァイオリンもいい。それと過去のレビューで音質についての批判が多いみたいだけれど、もちろん年代によってかなり違うのはやむを得ないとして、そんなに悪いとは思わない。とくに最後の方の録音は十分な音質だと思う。

mari夫 さん | 東京都 | 不明

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デュ・プレ。 ぽつぽつと単品で持っていま...

投稿日:2015/10/12 (月)

デュ・プレ。 ぽつぽつと単品で持っていましたから、ダブルのはなぁ・・・・と、思っていたところ、セール価格に。購入することにいたしました。 「本当のジャクリーヌ・デュプレ」映画ですね、あれ単館上映もいったりで、結局3度ほど観ました。 ずいぶんセンチメンタルに語られているのだけど、そこではなく音色の美しさに、映像の美しさに、毎度毎度号泣しておりました。 本当の姿からかけ離れてるとかで、映画が叩かれていましたが、原本読んでもそんなに嫌ではありませんでしたよ(私は) 私生活は別にして、バレンボイム氏との共演ものを聴いていると怒りがふつふつと湧いてくるのです。それは、デュ・プレが「歌おう!!」としているのに、バレンボイム氏がその「流れ」をぷつぷつ切りやがるからです。バレンボイムさんって「天才ピアニスト」とかいわれてましたけど「ちょっとずつ早すぎる」・「いい塩梅」のところから「はしりすぎ」るんです。それって正確とは違う。正確なリズムから見ても、前のめりしすぎる。 {というわけで、バレンボイム氏は好きではなかったけど、最近のピアノ演奏を(メータ指揮、バレンボイムピアノ)聴いたら、良かったんですよ!!これがまた。時間とともにバレンボイムさんが人を「待てる」ようになっていたんですね} デュ・プレさんをもっともっと自由に歌わせてあげたかった。もっともっと表現されてあげたかった。それでも、彼女の資質をうまくひきだせる度量を持つ人があまりに少なかったのだと思う。 あ〜。もっとデュ・プレの音が聴きたいな・・・・そんな想いを馳せつつ、このセットを聴くことにします。

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哀れ大資本のワーナーに吸収された、いまは...

投稿日:2014/06/26 (木)

哀れ大資本のワーナーに吸収された、いまはなき名門EMIから発売された17枚組CDです。 デュプレのチェロは生命力に満ち、鳴るべきところを隆々と鳴らす思いっ切りの良さで、どこかピアノのアルゲリッチを思わせるところがあります。 しかし彼女の生涯の不幸はダニエル・バレンボイムという浮気男に惚れてしまったことで、改宗までしてこんな不実なユダヤ教徒に嫁入りせずに、彼女を愛していたスチィーヴン・コヴァセヴィチと一緒になっていたら、彼女のあの不幸な後半生にもいくばくかの光明と救いがあったのかもしれません。 この全集の演奏のピアニストの大半はバレンボイムとのものですが、そんな思いで聴くスチィーヴンとのデュオによるベートーヴェンの3番と5番のソナタの味は、まことに甘く切ないものがあります。

あまでうす さん | 神奈川県 | 不明

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