【中古:盤質AB】 ロストロポーヴィチ／デッカ録音集（５ＣＤ）

ロストロポーヴィチ／デッカ録音集（５ＣＤ）
DECCAとPHILIPSの録音を集成！

名チェリスト、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ[1927-2007]が、デッカとフィリップスに残したアルバムは、ＬＰで６枚分でしたが、当セットにはそれら全録音をＣＤ５枚に収録しています。以下、オリジナル発売時の組み合わせでざっと内容をご紹介します。

【ブリテン：チェロ交響曲、ハイドン：チェロ協奏曲第1番】
1960年に知り合ったロストロポーヴィチとブリテンは最初から意気投合し、ロストロポーヴィチのチェロの才能にいたく感動したブリテンは、彼のための作品を続々と書き上げることとなります。1963年に作曲された「チェロと管弦楽にための交響曲」もそうした作品のひとつで、チェロの名技も十分に楽しめる見事なチェロ協奏曲に仕上がっています。オリジナル発売時の組み合わせは、当時珍しかったハイドンのチェロ協奏曲。このハイドンは長く廃盤だったので、今回の復活は歓迎されるところです。

【アルぺジョーネ・ソナタ、ブリッジ：チェロ・ソナタ】
感傷的な旋律で知られるシューベルトのアルぺジョーネ・ソナタを、鮮やかな歌い回しによって、チェロのための音楽としての魅力をフルに示してくれた若きロストロポーヴィチの快演。オリジナル発売時の組み合わせは、イギリス近代の作曲家で美しい旋律でも知られたフランク・ブリッジによるチェロ・ソナタ。こちらも感傷的なメロディの魅力を味わえる演奏で、ブリテンの絶妙なピアノ伴奏ともども聴きごたえ十分な傑作となっています。

【ドビュッシー、ブリテン：チェロ・ソナタ、シューマン：5つの小品】
ドビュッシー晩年の小規模な名曲に、若きロストロポーヴィチが驚くべき集中力で取り組んだ雄弁な演奏。彼に捧げられたブリテンのソナタも同じくテンションの高い演奏で、どちらも近代作品ならではの緻密な作曲技巧をパーフェクトに再現した技巧の安定度も印象的です。オリジナル発売時に組み合わされていたシューマンの「民謡風の5つの小品」は、素朴な旋律が魅力的な音楽で、ロストロポーヴィチもここではリラックスした響きを聴かせてくれています。

【ブリテン：無伴奏チェロ組曲集】
ブリテンの無伴奏チェロ組曲は、バッハの無伴奏チェロ組曲をかなり意識した作品と言われており、古風な楽曲スタイルの音楽に、精緻で近代的な作曲技法がふんだんに盛り込まれているのが特徴。ロストロポーヴィチは作品を3曲とも献呈されましたが、このアルバムの録音は1968年におこなわれたため、1972年に作曲された第3番は収録されていません。デッカとの契約がほどなく終了したこともあってか、その後、組曲第3番をレコーディングする機会に恵まれなかったのは残念なことでしたが、第1番と第2番の録音が残されたのは幸いでした。若きロストロポーヴィチの気迫みなぎる圧倒的な演奏です。

【ベートーヴェン：チェロ・ソナタ全集】
すでに40年以上に渡ってベートーヴェン：チェロ・ソナタ全集の代表的名盤として高い評価を獲得し続けてきたフィリップス録音による名盤。若きロストロポーヴィチと、12歳年上のリヒテル[1915-1997]が共演し、抜群の集中力で作品に取り組んだ演奏で、豪快骨太なチェロの魅力と、随所で示されるピアノの強烈な存在感の双方を満喫できる凄い演奏です。（ＨＭＶ）

【収録情報】
CD1
・シューベルト：アルぺジョーネ・ソナタ イ短調D.821
・シューマン：民謡風の5つの小品 Op.102
・ハイドン：チェロ協奏曲第1番ハ長調

CD2
・ブリテン：無伴奏チェロ組曲第1番 Op.72
・ブリテン：無伴奏チェロ組曲第2番 Op.80
・ブリテン：チェロ・ソナタ Op.65

CD3
・ブリテン：チェロ交響曲 Op.68
・フランク・ブリッジ：チェロ・ソナタ
・ドビュッシー：チェロ・ソナタ ニ短調

CD4
・ベートーヴェン：チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5‐1
・ベートーヴェン：チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102‐1
・ベートーヴェン：チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102‐2

CD5
・ベートーヴェン：チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5‐2
・ベートーヴェン：チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69

　ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ（チェロ）
　イギリス室内管弦楽団
　ベンジャミン・ブリテン（指揮、ピアノ）

　録音時期：1961〜68年
　録音方式：ステレオ（セッション）