(こちらは新品のHMVレビューとなります。参考として下さいませ。中古商品にはサイト上に記載がある場合でも、封入/外付け特典は付属いたしません。また、実際の商品と内容が異なる場合がございます。)
レオポルド・ストコフスキー
ザ・コロンビア・ステレオ・レコーディングズ
レオポルド・ストコフスキー[1882-1977]が、その晩年にCBSコロンビアにステレオで残した全録音を集成したボックス・セットの登場。
どれも巨匠の至芸として評価の高い演奏で、これまでさまざまな形でCD化されていましたが、オリジナルLPのカップリングの形でまとめて発売されるのは今回が初めてとなります。
ストコフスキー研究家として知られるエドワード・ジョンソンの書き下ろしによるライナーノーツを掲載した32ページ・オールカラー・ブックレット付き。各アルバムは初出LPのジャケット・デザインを採用した紙ケースに収められています。
【1960年のフィラデルフィア復帰】
Disc1とDisc2には、オーマンディにポジションを譲ったフィラデルフィア管弦楽団へ、約20年ぶりに復帰した演奏会と並行してセッション録音により制作されたアルバムを収録。ファリャにワーグナー、バッハという、ストコフスキー得意系のプログラムが並んでおり、一部の実験的な試みやライヴ録音を除けばこのオケとの唯一のステレオ録音であることも貴重な要素となっています。
【グールドと『皇帝』】
Disc3は有名なアルバム。グールドの個性的なピアノを十分にサポートしながらも、ストコフスキーならではのユニークで表情豊かな演奏を存分に響かせる見事なベートーヴェン像を確立。
【初演曲アイヴズ交響曲第4番】
Disc4はアイヴズ。ストコフスキー自ら創設したアメリカ交響楽団との共演により初演した交響曲4番は、賛美歌の引用やフーガなどストコフスキー向きの内容の音楽で、レコーディングもストコフスキーが最初でした。組み合わせは同じくアイヴズのにぎやかな合唱曲。
【CBSと100歳までの録音を契約】
Disc5からDisc10には、1976年、ストコフスキーが94歳のとき、CBSと結んだ100歳までの録音契約によって制作されたアルバムを収録。これらの演奏はこのセットの目玉ともいえるもので、老境のストコフスキーによる無理のない自在な表現が、奏者たちの共感に満ちた演奏を得て見事な仕上がりを示したものばかりです。
オーケストラの「ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団」は、ロンドン在住の優れた奏者を集めて結成されたレコーディング専用の団体で、ストコフスキーの巧みな指揮もあって、演奏内容は申し分ありません。セッション最終日に収録されたビゼーの交響曲の終楽章は通しのワン・テイクでOKとなったという奇跡的な名演でもあります。(HMV)
【収録情報】
Disc1
・ファリャ:バレエ『恋は魔術師』全曲
シャーリー・ヴァーレット(Ms)
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1960年2月
・ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』第2&3幕より「愛の音楽」(ストコフスキー編)
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1960年2月
Disc2
・バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV.1050
アンシェル・ブルシロウ(Vn)
ウィリアム・キンケイド(Fl)
フェルナンド・ヴァレンティ(Cemb)
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1960年2月
・バッハ:コラール前奏曲『イエスよ、私は主の名を呼ぶ』BWV.645(ストコフスキー編)
・バッハ:コラール前奏曲『来れ異教徒の救い主よ』BWV.659(ストコフスキー編)
・バッハ:コラール前奏曲『我ら唯一の神を信ずる』BWV.680(ストコフスキー編)
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1960年2月
Disc3
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
グレン・グールド(P)
アメリカ交響楽団
録音:1966年3月
Disc4
・アイヴズ:交響曲第4番
アメリカ交響楽団
デイヴィッド・カッツ、ホセ・セレブリエール(補助指揮者)
ニューヨーク・スコラ・カントールム合唱団
録音:1965年4月
・アイヴズ:『民衆』
・アイヴズ:『ゼイ・アー・ゼア!(新しい自由な世界のための戦い)』
・アイヴズ:『選挙』
・アイヴズ:『リンカーン』
グレッグ・スミス・シンガーズ
イサカ大学合唱団
アメリカ交響楽団
録音:1967年11月
Disc5
・ビゼー:『カルメン』第1組曲
・ビゼー:『カルメン』第2組曲より
・ビゼー:『アルルの女』第1組曲
・ビゼー:『アルルの女』第2組曲より
ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
録音:1976年8月
Disc6 ストコフスキー編曲によるアンコール!
・R=コルサコフ:熊蜂の飛行
・ドビュッシー:月の光
・ショパン:マズルカ第17番変ロ短調 Op.24-4
・ドビュッシー:グラナダの夕べ
・ノヴァチェック:無窮動 Op.5-4
・チャイコフスキー:ユーモレスク Op.10-2
・アルベニス:セビーリャの聖体祭
・ショスタコーヴィチ:前奏曲変ホ短調
・R=コルサコフ:イワン雷帝
・ショパン:前奏曲ニ短調 Op.28-24
ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
録音:1976年7月
Disc7
・シベリウス:交響曲第1番ホ短調 Op.39
・シベリウス:『トゥオネラの白鳥』
ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
録音:1976年11月
Disc8
・チャイコフスキー:『オーロラ姫の婚礼』(「眠れる森の美女」の第三幕、オーロラ姫の結婚式の場面を中心に組み立てられたディアギレフによる短縮版)
ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
録音:1976年5月
Disc9:ラスト・レコーディング
・メンデルスゾーン:交響曲第4番イ長調 Op.90「イタリア」
ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
録音:1977年6月
・ビゼー:交響曲 ハ長調
ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
録音:1977年6月
Disc10
・ブラームス:交響曲第2番ニ長調 Op.73
・ブラームス:悲劇的序曲 Op.81
ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団
録音:1977年4月
レオポルド・ストコフスキー(指揮)