ウィーンのエレガンス、クレメンス・クラウス希少名演集!
録音が少ない巨匠クレメンス・クラウス[1893-1954]。ドイツの敗色濃厚となった時期の放送録音であるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番はコンマスのバリリが独奏。家族的な温かい雰囲気。典雅、優雅とはこの演奏のためにあるともいえましょう。
初出レパートリーとなる『展覧会の絵』はクラウスが公職追放解除になってからの演奏。これは、問題作です。技術的には頼りないばかりのウィーン・フィル。しかしながら、特に管楽器がソロで活躍する曲故に、当時のウィーン・フィルのサウンド・サンプルの体をなしております。ご通家には、当時のメンバーの名前も思い浮かぶことでしょう。トランペットからトロンボーン、ホルン、フルート何もかもが他のどこの団体とも違う高貴で鄙びた音色。「キエフの大門」ではかなり楽譜をいじくっていて面白い仕上がりです。1953年にバンベルク響と行ったセッション録音では、『オベロン』の深深たるドイツ・ロマンは言うに及ばず、『子供の領分』はクラウスのセンス溢れる佳品。そして圧巻はベルリン・フィルとの戦時下の放送用スタジオ録音。音質には限界がありますが、良くぞ遺してくれました。品格で聴かせる『驚愕』、流れの良さ、瑞々しさに脱帽のシューベルト。これを聞くとベルリン・フィルは当時から現代に通じる機能性と音色を持っていたことが分かります。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
● モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K.218
ワルター・バリリ(ヴァイオリン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1944年4月23日放送録音
● ムソルグスキー/ラヴェル編:組曲『展覧会の絵』
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1947年12月6日ライヴ録音
Disc2
● ウェーバー:歌劇『オベロン』序曲
● ドビュッシー/カプレ編:子供の領分
バンベルク交響楽団
1953年3月セッション録音
● ハイドン:交響曲第94番ト長調 Hob.I.94『驚愕』
● シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.485
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1944年11月21日(ハイドン)24日(シューベルト)放送録音
クレメンス・クラウス(指揮)
モノラル録音