≪カール・ジェンキンズ≫Jenkins, Karl サウス・ウェールズ出身。聖歌隊指揮者兼オルガン奏者の父を持ち、その影響から、僅か5歳でピアノを弾き始めます。その後はピアノの他にオーボエを学び、11歳の時にウェールズ青少年オーケストラの指揮者にまで登りつめました。大学に通い、音楽博士号を獲得、その後はロンドン王立音楽院へ進みさらに音楽を学んでいます。その後、マイク・ラトリッジと知り合い、ラトリッジの在籍していたバンド、”ソフトマシーン”へメンバーとして参加しました。”オーケストレーションによるエスニック・サウンド”という独創的な意欲が沸き始めた頃に、あるCMの曲を依頼され、それをきっかけに、マイク・ラトリッジを引き抜いて、ソフトマシーンを脱退したのち”アディエマス”の結成に至っています。
≪マイク・ラトリッジ≫Ratlidge, Mike マイク・ラトリッジはロバート・ワイアットとは学友で、”ソフトマシーン”のオリジナル・メンバーの一人。ソフト・マシーンでは、フルート、ピアノ、キーボードから、ハープシコードまで幅広い活躍をしていました。アディエマスでは、主にプログラミングを担当している、ジェンキンスの良きパートナー。
アディエマスがこれまでにリリースしたオリジナル・アルバムは計3作。そしてベスト盤です。1995年にリリースされた記念すべきファースト・アルバム ”Adiemus Songs Of Sanctuary”は、デルタ航空のCM曲として作られたものに曲を追加して1つのアルバムになったとか。ボーナストラックを収録した国内盤は現在廃盤です。クラシックとポップスの両方の要素をもったスタイルが、世界中で人気を集め、発売後わずか1年で100万枚突破という、クラシック界では異例のビッグ・セールスとなりました。
その翌年の1998年、サード・アルバムの”Adiemus 3 - Dances Of Time”。ファースト・アルバム、セカンド・アルバムでヴォーカルを担当していたのはミリアム・ストックリーという女性、というのは上記で触れましたが、このアルバムから、フィンランドのコンサートで知り合った地元のコーラス・グループを、アディエマス・シンガーズとして加わって、より重厚感のあるサウンドになっています。そして前作とは異なって全て生楽器による演奏で作られた、新境地的な作品です。ちなみにこのサード・アルバムは、日本盤のみのスペシャル・エディション・ヴァージョンも発売されています。
オリジナル・アルバムは現在のところ上記の3作品。次は1999年にリリースされたベスト盤”Journey-Best Of”をご紹介します。”癒し系”なる言葉が流行った90年代末の日本にぴったりはまった彼らのニューエイジ・サウンドをお楽しみ下さい。目玉は、これまで日本では幻の曲だった『Cantilena』が収録されているところ。その他にもAdiemus3 Special Editionにしか収録されていなかった”Elegia”、”Beyond the Century”も収録されています。往年のファンも納得のベスト・セラーアルバムです。そして、このベスト盤に収録されていた"世紀を超えて”がNHKスペシャル「世紀を超えて」のテーマソングとして起用され、以後ロングセールスとなっています。