夢の家

魚住陽子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784909646552
ISBN 10 : 4909646558
フォーマット
出版社
発行年月
2022年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
267p;19

内容詳細

画家の女性と彼女がかつて共に暮らした男性との愛憎を互いの心情描写で綴る表題作「夢の家」、家族を喪った一人暮らしの中年女性と彼女が関わる整体院を中心に、彼女を取り巻く人間模様を描く「シェード」、妻に先立たれた夫が、死の気配を感じながら、過去と現在への想念の中で送る日々を淡々と綴った「旅装」、そして、女子高生たちの日常のやりとりをいきいきと描いた「物置に蝶が来ている」、その他2編を加えた全6編を収録。

【著者紹介】
魚住陽子 : 1951年、埼玉県生まれ。埼玉県立小川高校卒業後、書店や出版社勤務を経て作家に。1989年「静かな家」で第101回芥川賞候補。1990年「奇術師の家」で第1回朝日新人文学賞受賞。1991年「別々の皿」で第105回芥川賞候補など。2000年頃から俳句を作り、『俳壇』などに作品を発表。2004年、腎臓移植後、2006年に個人誌『花眼』を発行。2021年8月に腎不全のため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ちゃちゃ さん

    翳りを帯びた死への諦観が、行間から滲み出るような短編集だ。魚住作品は初読みだが、巻末の御夫君のあとがきから、作者は長年の透析療養生活を経て2021年に逝去されている。死を見据えた晩年の凄みとでも言えばよいのか、死者と生者の境界に立つ存在(それはまさに作者自身でもある)から目をそらさず対峙する筆致が印象的だ。肉体を失ったあとも意識を持ちうる魂の存在を、どこかで求めていたのだろうか。亡き人の気配をありありと感じ、現実と夢想のあわいで、その記憶の中を彷徨う不安や心細さ、孤独が余韻として後を引く短編集だ。

  • pohcho さん

    短編集。あとがきを読んで遺作であったことを知り驚いた。 晩年の作品はやはり死の気配が強く感じられるが、生と死の境目がないような気もした。最後の作品となった「シェード」がすごくよかった。ハマスホイの絵や相貌失認など、本筋ではない部分でのミステリアスさが効いている。「治される方ではなく、治す方に行かれている」と先生に言われた美来さんのその後を読みたかったけど、もうそれは叶わないのが悲しい。

  • クリママ さん

    表題作含む6編の短編集。死者の気配、死と隣り合わせの情景。静かなのに、濃厚にしての濃密。続けて読むことができないくらいだ。今にして初めて知る作家さんで、夫君のあとがきによれば、長い間透析を受け、2021年に亡くなられたとのことだった。体中の血液が外に出て戻ってくるまでの数時間、透析後日にちがたつにつれ悪化する体調、その中で思いめぐらされた作品だろうか。

  • ケイティ さん

    何とも感想が難しいですが、短編集なのに魚住さんの晩年(に書いた作品だけではないが)の凄みというか、濃縮された独特の世界が詰まっています。直接的に描かないのに生と死の空気が漂い、物語という以上に誰かの人生の一部を切り取ったような生々しさがありました。特に「シェード」が一番心に残りました。魚住さんの夫で画家の加藤閑さんのあとがきも良かった。今どきの分かりやすさはないけれど、寂しい中に強く鋭い筆力を感じました。

  • ジュンコ さん

    魚住さんの作品を読むのはこれで三作目。静かで美しくて寂しい。この先もう新作を読むことができないのか…。

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