いやな感じ

高見順

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784907986575
ISBN 10 : 4907986572
フォーマット
出版社
発行年月
2019年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
高見順 ,  
追加情報
:
424p;19

内容詳細

関東大震災後、虐殺された大杉栄の復讐に失敗したアナーキスト・加柴四郎。「生の拡充」を希求して夜の町を彷徨し、ファシストや軍と結託。韓国や上海での要人暗殺に加担、やがて日中戦争へ…。最後の文士・高見順、畢生の長篇小説が単行本未収録作品を加えて、いま甦る!「北一輝・大魔王観音」「革命的エネルギー」など、スピンオフ3編を併録。

【著者紹介】
高見順 : 1907年、福井県に生まれ、1965年、千葉県に没する。小説家、詩人。本名、高間芳雄。高校時代にダダイズムの影響を受け、東京帝国大学文学部時代にはプロレタリア文学運動に加わる。1935年、『故旧忘れ得べき』で第一回芥川賞候補。1941年、陸軍報道班員としてビルマに徴用。戦後も、小説、エッセイ、詩とジャンルを問わず活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NAO さん

    大逆事件から太平洋戦争勃発直前までの時代、軍人暗殺計画に連座していたものの未遂におわり、生き残るよう命じられたアナーキスト加柴四郎が見た、その時代の暗部。農民出身の軍人たちが目指す改革。ボルシェビキとアナーキストの勢力争い。中国支配を目論む陸軍の暗躍。アナーキストとしての自我を全うできない加柴の焦燥感が、不穏な東京で、上海で怪しく燃える。まさに、いやな感じの日本を舞台にしたいやな感じの話だ。

  • フム さん

    ひとり出版社「共和国」代表の下平尾さんが30年以上前に夢中で読んだ、という本。かつては文庫本があったが、今は絶版で古本の値段も高額で取引されていて驚いた。その復刻版という事で、発売と同時に手に入れて読んだ。関東大震災のどさくさに虐殺された大杉栄の復讐を誓った主人公のアナキスト加柴四郎が駆け抜けた一時代、至るところにちりばめられているディープなスラングを追いかけるように楽しんで読んだ。読んでいると映画『菊とギロチン』の若者達の世界にどっぷり浸かってしまって、読んでいる間、別な世界に行ったかのようだった。

  • 風に吹かれて さん

    @1960〜63年『文学界』掲載後、1963年7月刊。初めての高見順。 アナーキストやテロリストは社会が要請するのかも知れない。この世の中は、一度壊して、創り直した方がいい、と彼らは思っているのだろう。いや、作ることは考えていないかもしれない。まずは、壊せ!  時代は昭和初期。彼らが遊んでいる頃、その辺りに荷風もいたように気がする。同じ場所同じ時を過ごしながら全く違う日常を棲んでいる人たち。小説の舞台は、東京、北海道、そして中国と転々とし『いやな感じ』を感じるしかない時代を泳ぐように生きていく。

  • 田中峰和 さん

    ソ連の崩壊後では思想的にアナクロ過ぎて、受け入れられなかっただろうが、主人公・加柴の魅力だけで一気に読めた。執筆時の60年代は左翼思想が元気な時代、戦前の無政府主義や共産主義思想への憧憬が残っていた。高見自身、戦前はプロレタリア文学に傾倒した一人だけに、加柴は著者の分身のようなもの。治安維持法違反の疑いで検挙された経験もいかされているだろう。大杉栄への憧れからアナーキストになった加柴は理想から乖離するなか、右翼から左翼まで様々な人物と交流するが、やがて殺人に取りつかれる。いやな感じを持ちつつ殺害を続ける。

  • 章魚 たこ さん

    まさか高見順の長編を読むとは予想だにしなかった。図書館の新着棚にキッチュな変形本を手に取ったら本書だった。アナーキスト、テロリスト、ボルシェビキ、ニヒリスト、右翼思想家・活動家、青年将校、皇道派、統制派・・・さまざまな人物が交錯する昭和前期を駆ける大河。それぞれのレッテルの上にも下にも別のレッテルがあるのである。そんなもんだよね。そんな時代だし。さて、小説としては・・・これだけの”物語”なのに、饒舌な一人称と隠語のオンパレードで、活劇が活劇になっていない。もったいないねえ。

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