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須賀敦子全集 第8巻

Atsuko Suga

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309420585
ISBN 10 : 4309420583
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2007
Japan

Content Description

留学生活や新婚生活を生き生きと伝える書簡、遺された小説草稿、詳細な年譜など、希有な人生の軌跡を辿る貴重な資料満載。

目次 : 書簡(一九五九年 父・豊治郎、母・万寿宛/ 一九六二年 父・豊治郎、母・万寿ほか宛 ほか)/ 「聖心の使徒」所収エッセイほか(シエナの聖女―聖カタリナ伝/ アッシジでのこと ほか)/ 荒野の師父らのことば―(抄)ジョヴァンニ・ヴァンヌッチ編・須賀敦子訳(師父らの完徳について/ 静寂あるいは心の平和について ほか)/ ノート・未定稿「アルザスの曲りくねった道」(ノート「アルザスの曲りくねった道」/ 未定稿「アルザスの曲りくねった道」)

【著者紹介】
須賀敦子 : 1929‐98年。兵庫県生まれ。聖心女子大学卒業。上智大学比較文化学部教授。1991年、『ミラノ 霧の風景』で女流文学賞、講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kaoru

    須賀敦子全集の第8巻。父母や夫ペッピーノに宛てた若き日の書簡の弾むような筆致。幾つかの日本文学への辛辣な批評。日常の描写には彼女の諧謔精神が伺えて楽しい。『聖心の使徒』誌に発表した数々のエッセイのほかに、初の小説として発表される予定だった『アルザスの曲がりくねった道』の構想が記されたノートと未定稿も収められている。フランス人修道女オディールの人生を中心に据え、アラブ世界、タイ、ベトナムやカンボジアをも含む大きな広がりのある作品となったことが予想され、それが彼女の死で書かれずに終わったのが本当に惜しまれる。

  • はっせー

    須賀敦子全集を読んではや2年。とうとう最後になってしまった。残っている別巻はインタビュー集になるので須賀敦子さんの文章は事実上これが最後。須賀敦子全集はわたしの読書にとってもとても重要な意味を持つだろう。初めての全集。そしてこんな文章を書きたいと思わしてくれた作家に出会えたこと。別巻を読んで締め括りたいと思った!

  • aika

    自分で本当に考える。それが須賀敦子の揺るがない軸であることが、書簡集や資料からひしひしと伝わってきました。ロンドンから綴る両親宛ての手紙は、若き彼女の快活な姿が印象的です。コルシア書店という魂が希求した居場所を見つけ、信仰と文学という人生の価値観を心から分かち合えたペッピーノへの手紙は、こんなに深い結び付きがあるのかと溢れ出さんばかりの愛が眩しいほどでした。波乱に満ちた修道女の生涯を描く未完の小説「アルザスの曲がりくねった道」は、序章を命懸けで書き残した須賀さんの霧の向こうを思わずにはいられませんでした。

  • rinakko

    ペッピーノに宛てた書簡はとても素敵だ。恩寵のような出会い。思いが募って、言葉の端々にまで愛が溢れて。正直なところ、信仰の話になると読むのが辛かったけれど、その尊さは伝わってきた。

  • no.ma

    『ヴェネツィアの宿』を読み須賀敦子の文章に一目惚れし、全集というものを初めて大人買いした。それからこの第8巻を読了するまで、まさか9年もかかるとは思ってもいなかった。全集を読むというのは一人の作家の人生そのものを辿ることであり、全てにおいて私は未熟だと思い知らされた。須賀敦子は60代になってから自分の文章を綴り始める。解説で指摘されるように、私が魅了されたのは文章の巧みさではなく、一人の人間が歩いてきた軌跡の深さ、生きる姿勢のうちにあるのだとわかった。この読書体験はかけがえのない私の財産となった。

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