本売る日々

青山文平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163916682
ISBN 10 : 4163916687
フォーマット
出版社
発行年月
2023年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
240p;20

内容詳細

本を行商して歩く私が見たものは、本を愛し、知識を欲し、人生を謳歌する人びとだった。

【著者紹介】
青山文平 : 1948年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一政治経済学部卒。経済関係の出版社勤務、フリーライターを経て、2011年『白樫の樹の下で』で松本清張賞を受賞。15年『鬼はもとより』で大藪春彦賞、16年『つまをめとらば』で直木賞、22年『底惚れ』で中央公論文芸賞と柴田錬三郎賞をダブル受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • starbro さん

    青山 文平は、新作中心に読んでいる作家です。本書は、行商本屋時代幻想譚連作短編集でした。オススメは、『鬼に喰われた女』です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916682

  • パトラッシュ さん

    生活にゆとりができた江戸後期の地方では、読本や絵草紙だけでなく本物の知識を求める人が増えていく。そんな農村を商圏に学術書である「物の本」を扱う本屋の平助の目を通して、書物を介して接した人間模様を語っていく。男女関係のもつれや最新の医術修得など、様々なことを読書で知れば知るほど却って解決が難しく困り果てる姿は滑稽で哀しい。農村まで国学や歌学が広がる過程で起きた悲喜劇かと微苦笑を誘う人情物だが、こうした知識のしみ込んだ名望家層が幕末維新期に地方の指導者となるのだから、いわば動乱前の人を育てる物語として読める。

  • みっちゃん さん

    良き、善き。重い本を行李に納めて担ぎ、城下から山を超えて。得意先は在所の名主達。彼らは当時の知識人であり、その本を慈しむ思い、集めたい気持ち、そしてその内容について誰かと語り合いたいという願い、わかりすぎる程わかるけど、当時は一部の人にしか許されぬ贅沢だったんだね。本について語るうちに話題にのぼるのは、地道にこつこつと、慎ましく暮らす市井のひと達の生きる喜び、そして苦しみ。大切なひとと共に過ごし、愛し、幸せを願う気持ちはいつの世にも変わることはない。最後の最後にかの本屋の切なる願いが叶うのも好ましい。

  • のぶ さん

    今まで読んだ青山さんの本では一番読みやすかった。江戸時代の文政の頃、城下に店を構え、四日ほどかけて二十ほどの村を行商して回る本屋、松月堂の主人平助が主人公。行商でまわるのは村の名主や寺や手習い所。そこで出会うさまざまな不思議で不可解な出来事たち。平助が「本屋」としてその不思議を解いていく。本屋ならではの視点や解釈。本を扱うものとしての平助の姿勢に思わず背筋が伸びる。いつも青山さんの作品に出てくる主人公は真っ直ぐな人が多いが、本作でもそれがよく出ていた。三作の中では「初めての開板」が特に良かった。

  • hiace9000 さん

    美しい日本画の装画に誘われ手に。時代小説特有の澄んだ静謐感、村々を本を行商して歩いた松月平助の凛然たる佇まいに深く満たされていく。書を尊び、書が与う知の探究を愉しむ姿、往時の本屋や書物は知の宝庫としての価値は現代と比べようもなく高く、それを販ぐ行商人とは、知の中継地でもあり伝導者でもあったのかと。ただ古今通じて未だ変わらぬのは、書物を介して出会い誼を通じる人々との縁や対話の愉しみーという点か。"書林"を目指す本屋としての高邁な矜持と内なる葛藤を濃やかに丁寧に紡ぎ上げた、一幅の名画のような奥深い作品である。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

青山文平に関連するトピックス

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品