奇異譚とユートピア 近代日本驚異“SF”小説史

長山靖生著

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784120048357
ISBN 10 : 4120048357
フォーマット
出版社
発行年月
2016年03月
日本
追加情報
:
529p;22

内容詳細

海外の小説の影響を受けながらも独自に発展した科学小説、冒険小説、政治小説をジャンル別に考察、当時の時代背景とその生成過程を分析する。

目次 : 異国幻視と江戸文芸の余韻/ 阿蘭陀SFと維新後の世界/ 文明開化への揶揄と反骨/ 世界はいかに可能か―明治初期のヴェルヌ・ブーム/ 宇宙を目指した明治精神/ 内地雑居の未来/ ロビダの浮遊空間と女権世界/ 日本の中心で女権を叫ぶ若者たち/ 演説小説の多様な展開/ 予告された未来―それぞれの明治二十三年/ 挑発する壮士小説/ 進化論の詩学/ 国権小説のほうへ

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • KAZOO さん

    これはある意味ですごい大作であると感じました。幕末から明治期にかけての普通の小説ではない、SF的な感じの作品をかなり渉猟して、その内容などを時代別あるいは分野別に分類して批評したものです。写真なども入れていてかなり史料価値としても高いものがあると感じました。私はとりあえず図書館から借りてきて読みましたが、自分の手元に置いておきたい1冊です。

  • 渡邊利道 さん

    江戸末期から明治にかけての、現代SFの先駆的なものと捉えることもできる「驚異小説」を、テーマ、カテゴリー別に概観・紹介した大著。どれも論旨が明快で平易な考察と的確なあらすじや背景の紹介が組合わさって読物的面白さがある。演説小説とか国権小説とか、ある主張を広めるためとか科学精神啓蒙のためとか、道具的な文学観が何度も強く語られ、SFがジャンル的に「教訓物語」的側面を強く持っていることを再認識できる。ヨコジュンの先行研究に比べると叙述がストレートで大変読みやすい。

  • 黒豆 さん

    明治時代のSF文学事情を初めて読む、当時の政治だけではなく文化事情がよくわかる。未来像における男女同権への違和感など当時の事情が興味深い。それにしてもジュールベルヌの影響の大きさを再認識。紹介されているのは、新未来記、後世夢物語、西洋道中膝栗毛、西国立志編、国勢夢想記、未来之夢、二十三年国会未来記、二十三年未来記など

  • inaryoXD11 さん

    やっと読み終えた……途中他の本を挟んで一か月以上かかりました。明治日本のSF事情を研究されていますが、途中から政治小説に切り替わった感じ。確かに近未来小説だったり、ユートピア/ディストピアの視点だったりSF的と言える。前半のヴェルヌ作品に対する作者の興奮は何冊か読んでいますが新鮮でした。当時のワクワク感も伝わります。その辺も政治小説についても、ちょっと読みにくかった。難読文字や固有名詞に振り仮名があるだけでもっと早く読めたと思う。それにしても、もうヨコシュン先生はいないんだとときどき思い出しました。

  • 田中峰和 さん

    近代日本の小説史には、言文一致、自由恋愛、社会進歩などの大きな変革が伴った。江戸封建制度が終焉、憲法発布、国会開設から女権拡張まで社会的な変化は文学に大きな影響を与えた。一方、周縁の文学として隅に追いやられていた驚異小説の歴史を見せてくれるのが本書の特徴。驚異小説はサイエンス・フィクションに限らず、あり得ない空想の面白さを魅せる。「悦贔屓蝦夷押領」は江戸後期、流行した義経後日談。義経は実は頼朝の屈したのではなく、蝦夷に生き延びてそこで大王になったという物語。荒唐無稽な話は、江戸でも民衆に人気を得たのだ。

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人物・団体紹介

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長山靖生著

1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書に『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『モダニズム・ミステリの時代』(河出書房新社、本格ミステリ大賞)、『偽史冒険世界』

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