当時、同声合唱における全国最高峰の中学校と気鋭の指揮者による鈴木輝昭の個展。 その洗練された、中学生にだけ許されるみずみずしい声質が綾なす豊かな音像にはただただ圧倒される。
《森へ》と《朗詠譜》の精緻な演奏もさることながら、委嘱作品の《梟月図》そして《Tir na nOg》のふたつの組曲の素晴らしい演奏は筆舌しがたいほどだ。その躍動感溢れる旋律と、散りばめられた技法や音響の鮮やかさは、これまでの合唱界では見い出されなかったものであったし、勿論それらを演奏するのに足る演奏家も出てこなかった。鈴木輝昭氏の合唱界への新た