日本語と西欧語 主語の由来を探る 講談社学術文庫

金谷武洋

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065160695
ISBN 10 : 4065160693
フォーマット
出版社
発行年月
2019年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
280p;15

内容詳細

現代の日本語文法で教えられる「主語」。だが元々日本語に主語はいらない。英語にそれが現れる時期も古代に遡れるものではない。では、どのような事情、何の必要があってそれは生まれ、拡がったのか。千年の言語史を遡行して、「神の視点の言語」と「虫の視点の言語」を解き明かす壮大な比較文法・文化論。

目次 : 序章 上昇気流に乗った英語/ 第1章 「神の視点」と「虫の視点」/ 第2章 アメリカよ、どこへ行く/ 第3章 英語を遡る/ 第4章 日本語文法から世界を見る/ 第5章 最近の主語必要論

【著者紹介】
金谷武洋 : 1951年生まれ。東京大学教養学部卒業。ラヴァル大学で修士号(言語学)。モントリオール大学で博士号(言語学)取得。専門は類型論、日本語教育。カナダ放送協会国際局、モントリオール大学東アジア研究所日本語科科長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 松本直哉 さん

    三上章の主語不要論に依拠しつつ、英文法の丸写しの学校文法において主語の存在が自明とされていることを批判、そもそも主語を必ず要求する現代英語の方が特殊であるとする。現代でもスペイン語など主語の要らない言語は多い。印欧語を遡れば名詞動詞とも語形変化がなく人称が不定だった。古英語から中英語にかけて主語の地位が確立されてゆく過程と、行為者を明示しない自然の成り行きを表現する中動態が衰退する過程を重ね合せるところは目から鱗だった。常にSVOを揃えなければ文が成立しない英語というこの奇妙な言語。

  • わたなべよしお さん

     元々、私も日本語に「主語」は要らないと思っていたので、感じ入りながら読みました。確かに、日本語の文章は主語(と言われているもの)が少ない方が良い文章になります。小中学生の感想文コンクールの審査員なんかをやると、つくづくそう感じます。「雪国」の冒頭を使った日本語と英語の比較もとても分かりやすく、非常に興味深かった。

  • Chicken Book さん

    これはほんともっと読まれるべき。日本の国語教育と英語教育の常識を根本から覆せる力がある。日本では、日本語も英語も同じような構造で理解できると信じて教えられたきたが、そのせいでニ言語間の圧倒的な差に悩まされる日本人は多かったのではないか。日本語と英語は考え方の根本がまるで違う。もはやそう割り切って国語と英語を教えてしまった方が、子どもの英語嫌いが解決できるかもしれないとさえ思った。著者の挑発的な論調には辟易したが、これが黙殺されている現状には憂慮しかない。

  • 寺尾蛙太郎 さん

    主語廃止論を掲げ、三上章の後継者たらんとする筆者の熱い想いが伝わる。 たしかに、日本語文法を小学生に教える際に、英語の統語論を用いた説明をしても、どこか空を切るような感覚がする。そういった違和感を理論づけるのが本書や『主語はいらない』なのだろう。 古英語から中英語への移り変わりの説明は勉強になった。我々が語学学習の際に肝とするsvoも言語変化の結果であるというのは驚いた。また、古英語の名詞変化の語尾が日本語の格助詞にあたる、というのは面白い。

  • 叙述トリックに盛大に引っかかりたい さん

    学校で習う日本語文法ってあくまで「英語学習へのステップへのひとつ」だなーと感じていたので、話はとても興味深く読めました。する言語・神の視点の英語、ある言語・虫の視点の日本語。格変化を極力減らした結果、主語と語順が徹底された英語。なるほど。枕草子の「春はあけぼの」の英訳がしにくいのもこういうところなんだろうなあ。ただ、わざとだろうけど論敵への煽り方はあんまり好きじゃない。

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