失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇

野中郁次郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784478021552
ISBN 10 : 4478021554
フォーマット
出版社
発行年月
2012年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
318p 19cm(B6)

内容詳細

率先垂範の精神を欠くリーダー、硬直化した官僚的組織、プロフェッショナリズムの誤解―日本の企業・政府が「失敗の拡大再生産」のスパイラルに陥ってしまったのは、傑出したリーダーが出現しないからだ。いまこそ、戦争という有事におけるリーダーシップを検証すべきである。

目次 : 1 リーダーシップの本質(求められる「現場感覚」「大局観」「判断力」―戦場のリーダーシップ/ 名将と愚将に学ぶトップの本質―リーダーは実践し、賢慮し、垂範せよ)/ 2 組織とリーダーシップ(「攻撃は最大の防御」という錯誤―失敗の連鎖 なぜ帝国海軍は過ちを繰り返したのか/ 昭和期陸軍の病理―プロフェッショナリズムの暴走/ 総合国策の研究と次世代リーダーの養成―「総力戦研究所」とは何だったのか/ 日米比較:名もなき兵士たちの分析研究―「最前線」指揮官の条件)/ 3 リーダー像の研究(組織人になれなかった天才参謀の蹉跌―石原莞爾 官僚型リーダーに葬り去られた不遇/ 独断専行はなぜ止められなかったのか―辻政信 優秀なれど制御能わざる人材の弊害/ 危機に積極策を取る指揮官―山口多聞 理性と情熱のリーダーシップ)/ 4 戦史の教訓(ノモンハン事件「失敗の教訓」―情報敗戦 本当に「欧州ノ天地ハ複雑怪奇」だったのか/ 戦艦大和特攻作戦で再現する―合理的に失敗する組織/ 昭和期陸軍 皇軍派と統制派の確執に見る―派閥の組織行動論)/ あとがきにかえて 論理に依存するリーダーの限界―対論 リーダーの「現場力」を検証する(野中郁次郎/ 杉之尾宜生)

【著者紹介】
野中郁次郎 : 一橋大学名誉教授。カリフォルニア大学バークレー校卒業。専門は組織論。防衛大学校教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを経て2006年より現職。2002年紫綬褒章受章、2010年瑞宝中綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Isamash さん

    野中郁次郎一橋大名誉教授(カリフォルニア大バークレー校卒)等による2012年発行著作。菊澤研宗慶應大教授によるオリバー・E・ウイリアムソンの取引コスト理論を用いた日本軍隊組織における空気の研究が成る程と思わされた。空気に従うのは対人交渉の膨大なロスを避けるという点で個人個人としては合理性が存在すると。一方組織全体としては非効率で不正な結論となってしまい、それを防ぐには啓蒙されたリーダーの存在が必要であったと説いていた。山内正之明治大特任教授は、日本海軍にも山口多聞という優れた現場リーダーがいたことを強調。

  • やまやま さん

    現場感覚、大局観、判断力の三つで進むべき道を選ぶという野中先生の整理は非常にわかりやすい。アリストテレスを選ぶのも「論理」から来るかと感じる。総力戦研究所の章も興味深い。研究生名簿を拝見すると、縁のある方もいらっしゃる。戦後の各メンバーの活動を思うに、戦前のこの時点で無謀な戦争に突入することは易なしと判断されたことが政策に結びつかない苛立たしさは、時代が経過してマクナマラのアメリカでも同様で、これは大局観の欠如か。左様に日本だけのことでも無いとは思うが、見えない本質を見抜けとは、厳しい野中節です。

  • ヨクト さん

    言わずと知れた戦争分析・組織論の名著「失敗の本質」の続編。第二次世界大戦での成功と失敗から主題であるリーダー像について考察。今回は人物により比重おいている。石原莞爾や栗林忠道の人物像とリーダーとしてを評価。日本と世界の理想のリーダー像の違い、そして戦争に及ぼした影響。モノとコトの認識分け。求められるリベラル・アーツ。軍人の政治介入。「八木アンテナ」をはじめとする科学技術の理解と利用。少し主題とは離れた部分もあるが、全体を通して興味深く読めた。

  • 手押し戦車 さん

    事実から仮説を立て、仮説に合わせて事実を歪めてしまうと本質が失われる。事実の根源が批判精神にある権威に恐れず真実のみを語る事が重要。戦場において最も失われやすいのは真実。非常事態下のリーダーは意見や思想が発揮されマニュアルなどはではなく総合的な知恵が試される。組織を守り意思を体現していく官僚型リーダーと不確実性の大きい状況下で長期的視野に立ち大胆な戦略を推進する知恵発揮型リーダーが両方調和した時に組織の強みが発揮される。失敗の本質は現実に起きている真実から目を背け、期待される架空の事実から仮説を作ること

  • はるわか さん

    実践知を備えたフロネティック・リーダー。典型はチャーチル。個別具体の物事や背後にある複雑な関係性を見極めながら、社会の共通善の実現のために、適切な判断をすばやく下しつつ、自らも的確な行動をとることができる「実践知」/日本軍の組織的失敗の要因:@イデオロギーに縛られ現実を直視できず、国家の安全保障という大局的な見地に基づく現場対応もできなかった。A開かれた多様性を排除し、同質性の高いメンバーで独善的に意思決定する内向きな組織。B多様性の高いタスクフォースと官僚制を活かすために必要な統合・統治能力が欠如。

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