恋文

連城三紀彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101405049
ISBN 10 : 4101405042
フォーマット
出版社
発行年月
1987年08月
日本
追加情報
:
16cm,240p

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    第91回(昭和59年度上半期) 直木賞受賞 。 昔の女の介護のために、 家を捨てて、病院に 行ってしまった夫を 想う郷子の視点で描く。 歳上の女房という表現が 昭和という時代を想起させる。 それにしても、全編に漂う 哀しさのようなものは 一体何なのだろうか。 どうしようもない人間の業の ようなものが、気丈な郷子の 心根と相まって、読者に 伝わってくる。そして、 江津子と夫が結婚するために、 郷子が夫に送ったラブレター… 心に残るよい愛のエピソードだった。

  • サム・ミイラ さん

    陳腐な言い方で恥ずかしいが本当に字が涙で滲んで読めなくなった。切ない。どうしようもなく切ない。紅き唇と十三年目の子守唄。そして私の叔父さん。主人公達に似た境遇を重ね自分の人生を振り返る。それを共感と呼ぶのならこれほどに共感出来る小説を私は始めて読んだ気がする。あとの二編は夫の生き方考え方が私とはあまりに違うため共感は出来なかった。だがきっと読み手により一番にも成り得る素晴らしい作品。ありふれた男女の日常を切り取りながらしかししっかりミステリーとして存在するこの一冊はまさに直木賞に相応しい傑作だと思う。

  • しんたろー さん

    30年以上ぶりの再読。全ページ黄ばみシミだらけの図書館本にゲンナリしたが、読み出すと全く色褪せていない連城ワールドに一気に惹き込まれた。忘れていた話も多く、若かった頃には判らなかった男女の機微をシミジミ噛み締めた。5編の短編は大人の狡さや弱さをストレートに描きつつ、裏側にある純愛を切なく見せてくれる。そして、恋愛小説でありながら男女のミステリをも表現した手腕に心から敬服!名台詞も多く「大人ってのは嘘をつくことじゃなく、つけること」が肝にある『私の叔父さん』は特に胸が震えた。真新しい文庫を愛蔵版に加えたい。

  • ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中 さん

    初めましての連城さん。少し昔の、今こんな恋愛をしていたらもっといい人いるよ、他に行きなよ!って言いたくなるような。身勝手で、耐え忍んでいて、だからこそそこに無二の結束があるような男女の関係が描かれる5編の短編集。「恋文」の主人公の女の人が思いの丈を爆発させるシーンは思わずもらい泣き。「紅き唇」の思い出の美しさ。縁側の硝子戸に唇をうつして見る健気さ、掌でつくる鬼灯の蛍の光と夜の静けさ。失ったものの大きさに呆然となるような「ピエロ」が一番好きかな。「私の叔父さん」は今の私にはもどかし過ぎた。

  • 匠 さん

    去年亡くなられた連城氏の直木賞受賞作。子どもの頃、親の本棚にあったのを拝借して読んだ時は大人の恋愛って面倒臭そうだなという印象しかなかったのだが、今読むと男の情けなさと表裏一体の優しさとか、女性のひたむきな愛情と表裏一体の強さとか、甘さのない愛の深さにもすごく感じるところは多く、人を想う儚さなんかが身にしみてしまう。描かれている人間像は昭和的でも、恋というものはいつの時代にも変わらず通じるものだよね。平凡な日常の中にいつでも起こり得そうな5つの恋愛短編集。短編だからこその余韻ある終わり方も良かった。

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人物・団体紹介

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連城三紀彦

1948年愛知県生まれ。早稲田大学卒業。78年に「変調二人羽織」で「幻影城」新人賞に入選しデビュー。81年「戻り川心中」で日本推理作家協会賞、84年『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞、同年『恋文』で直木賞を受賞。96年『隠れ菊』で柴田錬三郎賞を受賞。2013年10月、死去。14年、日本ミステリー文学

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