ズル休みして一人薄暗い部屋に寝ている感じと差し込む光と。 急に泣きたくなるような気持ちで思わず走り出す夕焼けの帰り道や。 そんな、ただ楽しかっただけじゃないはずの幼い日のあれこれを、 六郎さんの絵を見ていると信じられない位に生々しく思い出す。 思い出すというより連れ去られる。胸がざわついてちょっと怖い。 過小評価されているような気がしてならない日本の偉大な画家の軌跡を、 初期作品からたっぷりとたどる事の出来る楽しい本です。