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源氏物語上 池澤夏樹=個人編集日本文学全集 全30巻

Mitsuyo Kakuta

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309728742
ISBN 10 : 430972874X
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

千年読み継がれる『源氏物語』が現代最高の訳で甦る。原文に忠実ながらも、読みやすく小説としての面白さが堪能できる角田訳。1帖「桐壺」から21帖「少女」まで、光源氏・恋の遍歴の巻。

世に優れて魅力ある男の物語が、たくさんの登場人物を連ねて際限なく広がる。その一方で人の心の奥へも深く沈んでゆく。いうまでもなく日本文学最大の傑作。――池澤夏樹

とりかかる前は、この壮大な物語に、私ごときが触れてもいいのだろうかと思っていた。
実際にとりくみはじめて、私ごときが何をしてもまるで動じない強靭な物語だと知った。
――角田光代

解題=藤原克己(国文学 東京大学)
解説=池澤夏樹
月報=瀬戸内寂聴
   大和和紀
帯写真=荒木経惟

<出版社から>
【角田光代訳『源氏物語』は、何より読みやすさと、昔も今もつながる感情を重視!】
角田訳は、物語としての面白さが堪能できる『源氏物語』です。これまでの現代語訳で挫折した方も、この角田訳なら必ず最後までたどりつけることをお約束します。

【読みやすさの工夫を凝らした角田訳の特徴】
●原文に忠実に沿いながらも、読みやすく、感情に引きつけて読める自然な訳文
●主語を補い、地の文の敬語をほぼ廃したことで、細部までわかりやすい
●現代的で歯切れがよく、生き生きとした会話文
●作者や第三者の声(草子地)を魅力的に訳して挿入
●和歌や漢詩などの引用はほぼ全文を補って紹介

平安時代中期の11世紀初めに紫式部によって書かれた『源氏物語』は、五十四帖から成る世界最古の長篇小説。輝く皇子として生まれた光源氏が、女たちとさまざまな恋愛を繰り広げる物語であると同時に、生と死、無常観など、人生や社会の深淵が描かれている。四百人以上の登場人物が織りなす物語の面白さ、卓越した構成力、細やかな心情を豊かに綴った筆致と、千年読み継がれる傑作。上巻には一帖「桐壺」から二十一帖「少女」まで、光源氏の誕生から若き日々を描く。

【著者紹介】
角田光代 : 1967年神奈川県生まれ。90年「幸福の遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、06年「ロック母」で川端康成文学賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、14年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さてさて

    この物語には平安の世にこの同じ国を生きた人々の暮らしが、恋愛が、そして人生が描かれていました。そしてそこにあったのは、いつの世も変わらぬ男と女の物語、愛し、愛され、そして愛し合うという今の私達と何も変わらない”恋愛物語”でもありました。一千年の時の流れは角田さんの名訳をもってしてもある種の割り切りが必要な部分もあります。世界最古の長編小説の傑作を、長編小説の名手でもある角田さんが『読みやすさをまず優先』に訳したこの作品。多くの方に是非この作品を手にしていただきたい、そう感じた日本文学の傑作だと思いました。

  • starbro

    池澤夏樹=個人編集 日本文学全集全30巻完読チャレンジ 、https://bookmeter.com/users/512174/bookcases 大トリは、千年を超える性愛の平安絵巻『源氏物語』です。本作は訳者があとがきで語っている様に『源氏物語』に対する訳者の偏愛がなく簡潔でニュートラルな美しい現代語訳です。通勤時間帯の満員電車の中の読書タイムですが、優美で風雅な世界に浸りました。続いて直ぐに中巻を読みたいのですが、2018年5月迄刊行されません。河出書房新社は刊行時期を見直すように。【読メエロ部】

  • ケイ

    光源氏が色々な女性と浮名を流す、ということしか知らずにきたが、角田さんの現代語訳が出たのを機に読む。読みながら、あきれ、憤る。ほとんど強姦のようなものではないか。なのに訴えることも出来ず。父親が夫でない子を事実を隠して産む話は生理的に受け付けない、というか、それで悪女ならいいのだが、そのクセして何かあるとオロオロ泣いて、病気になって何なんだろうと。こう思えば感情移入は不可能だが、この浮気男の行く末を見てやろうじゃないかという気にさせられた。非常に読みやすい訳。あと2巻が出るのは来年のようだ。

  • アキ

    2017年からずっと積読状態だったサイン本を7年越しにやっと読んだ。「源氏物語解説図鑑」を横に置いて参照しつつ、時代背景も少し理解できた。上巻は21少女まで。光源氏の数多くの女性との恋愛から、葵の上との間に出来た夕霧の登場までである。光源氏の恋愛だけでなく、須磨への移動、天皇の交代と政局の変遷など、長編小説の醍醐味を味わえる。角田光代訳の源氏物語は読みやすさを重視して翻訳したとあとがきにある。編者池澤夏樹が、翻訳の実例を挙げていた。翻訳者が薦める様に、物語世界を駆け抜けるように読み終えたい。

  • ちゃちゃ

    恋に懊悩し無常の定めに袖を濡らす光君の息づかいが、遠い平安の世から時空を超えて、まるで私たちと同時代を生きる人のそれとして感じられるような稀有な読書体験だった。世界に誇れる日本の古典文学として、格調を保ちつつも簡潔でわかりやすい訳に徹した角田氏に、感謝と敬意の拍手を贈りたい。特筆すべきは、光君の恋愛における心の機微を、現代小説を読む感覚で味わえたことだ。時折挿入される紫式部の絶妙で辛辣な鋭い「声」に、思わず苦笑しつつ楽しく読めた。上巻は、「桐壺」の光君の誕生から、政治的失脚を経て栄華を極める「少女」まで。

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