中江兆民 百年の誤解

西部邁

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784788713109
ISBN 10 : 4788713101
フォーマット
出版社
発行年月
2013年11月
日本
追加情報
:
259p;20

内容詳細

“東洋のルソー”の正体は日本の伝統に棹差そうとする保守思想家であった!近代日本思想史における俗論を糺す著者渾身の一冊!

目次 : 兆民を「もとおる」―滑稽譚で矛盾を乗り超えんとした人/ 心理劇「三酔人」の脚本や如何―大愚は大賢に通ず/ 大きくかつ長い誤解にさらされて―西洋哲学の全貌をみた者の運命/ 哀しきトリック・スター―認識と政治と生活を区別しなかったがゆえに/ 「共和制」の神髄を明察した―「君民共治」が「今ルソー」のレス・ピュブリカ/ 急進を厭う進化論―陽明学徒は西洋を慕いはしない/ 平等への「醒めた夢」―平等「主義」に走りはしなかった/ 直接民主制と間接民主制のあいだの境界線―その線上には高い壁がある/ 諭吉と兆民―かくも近い二人をかくも遠くに隔てたのは何か/ 金銭と異性にまつわる生の修羅場―「勇民」はそこに突き進んだ/ 「政治と哲学」を架橋するとは―哲人統治の幻/ 素朴かつ真率なナショナリスト―国民党結成という「偉大な頓痴気」/ 「一年半の命」―死の意味を求めて/ 明治の震撼を鎮めようとした十日間―兆民は無神・無霊・無自由で死に得たか/ 「考える葦」―これが兆民論の結語

【著者紹介】
西部邁 : 1939年3月15日生まれ、北海道出身。東京大学経営学部卒。東京大学教養学部教授を経て94年から2005年3月まで雑誌「発言者」主幹。現在、評論家、隔月刊誌「表現者」顧問。『経済倫理学序説』(1983年、中央公論社)で吉野作造賞、『生まじめな戯れ―価値相対主義との闘い』(84年、筑摩書房)でサントリー学芸賞を受賞。94年、著作・言論活動に対して第8回正論大賞を受賞。2009年、芸術選奨文部科学大臣賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 那由田 忠 さん

    中江兆民は、ルソー翻訳で民主主義推進を主張した思想家というイメージが強い。これが「誤解」だと西部は言う。中江は政治家になれず、自分の書いたものが少なく大半が翻訳である。翻訳で欧米の哲学を理解し、日本に哲学がないことの問題点を補おうとしたのだと。キリスト教を否定した素朴な唯物論に終わったけれども、伝統や慣習を重んじた常識的な保守思想家であったと推測する。西部に言わせると慣習を重視すると保守思想→民主主義/衆愚政治否定になるらしいので、それは困るけれど中江の実態を見ようとしたところは評価できる。

  • ゆうきなかもと さん

    先日、亡くなった西部氏による、中江兆民は、実は保守思想家であった論。 「三酔人経綸問答」の解釈について。南海先生=兆民説に大いに賛成。 この本の、二者の対立する意見を第三者がうまいこと言ってまとめる展開は、「荘子」によく出てくるお決まりのパターンなんで、南海先生の意見が著者の意見に決まっている。 漢文を多少読んでいればわかると思うんだが…。と20歳くらいのとき思ったことを思い出した。

  • takeapple さん

    西部邁の著作をはじめて読んだ。西部さんは、現代民主政治を愚衆政治としているし、保守論客であるので、その人がどうして中江兆民の事を書いているのか不思議だったが、西部さんは、中江兆民が大好きなだけでなく、アメリカ的な愚衆政治はだめだけれど、本当は保守というか右派を自認している人々のもつ愚かしさは、もっとダメだと思っているのだということが伝わってくる。中江の解釈については「そうも読める」とか「ここは、こういう意味だと思われる」とか、強引なこじつけが結構あるけれど、自分で中江兆民全集を読み込まないと駄目だと思う。

  • 軍縮地球市民shinshin さん

    自由民権の思想家・中江兆民が実は保守思想家ではないのか、という視点で兆民の論考を解読した本。兆民が日露戦争開戦に際して、弟子の幸徳秋水に私的会話ではあるが、ロシア本国に攻め上るまでやらなれければなどと話していた逸話を紹介しており、それがあながち兆民の思想と食い違ってはいないことが分かった。衆議院議員をすぐ辞めたのも、議員のレベルが低かったことに幻滅してだという。兆民の思想は、戦後の左翼がいうような「簡単」なものではなく、奥が深いものである。兆民はフランス革命後100年経過していたフランスの惨状をみているし

  • マウンテンゴリラ さん

    中江兆民にしても福沢諭吉にしても、原著さえ読んだことがない私が、本書をもって明治の知識人を理解したとはとても言えない。歴史教科書などで民主主義、自由、平等といった思想の我が国における先駆者として祭り上げられ、後世の我々がそれらを発展させてきたことによって、既に学ぶところのない過去の人となってしまった、というのが大衆的な彼らに対する理解であったのだろう。しかしそれが大いなる欺瞞で、当時においても、何よりも現代においても、日本人のあり方に強い反省と思索を促す生きた思想であるということを教えられた。→(2)

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西部邁

1939年、北海道生まれ。思想家。東京大学教授、秀明大学教授・学頭、雑誌「発言者」主幹、「表現者」顧問を歴任。著書に『経済倫理学序説』(吉野作造賞)、『生まじめな戯れ 価値相対主義との闘い』(サントリー学芸賞)、『サンチョ・キホーテの旅』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『ファシスタたらんとした者』ほか多

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