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西加奈子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309021485
ISBN 10 : 4309021484
フォーマット
出版社
発行年月
2012年12月
日本
追加情報
:
247p;20

内容詳細

——奇跡が空を舞う、書きおろし長編。

池井戸花しす、28歳。誰にも嫌われないことにひっそり全力を注ぐ毎日。過去と現在を行き来しながら、彼女は自らの“今”を取り戻す。「祝福」がふりそそぐ、温もりの書き下ろし長編。

20冊目となる西加奈子の本はまさに著者新境地作品。
今この瞬間生きていることの温もりと切なさが、120%胸にしみわたる密度の濃さ。
著者にとってもトライアルでもあったこの渾身の書きおろし作品は、日常の生々しさをやわらかく包み込み、すぐ隣にある「奇跡」そのものに気付かされる、始まりのための物語 。

「みんな自分が好きなんだ。
でも、誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、
その人を傷つけることは怖くなくなるはずなんだ」

【あらすじ】
 池井戸花しす、28才。たまたま行った産婦人科で出会った2歳年上のさなえと、2匹の猫と一緒に暮らしている。数年前に職場不倫をしていたデザイン事務所を辞めた花しすの今の仕事は、アダルトビデオへのモザイクがけ。「いつだってオチでいたい」と望み、周囲の人間に嫌われないよう受身の態度をとり、常に皆の「癒し」であろうとして、誰の感情も害さないことにひっそり全力を注ぐ毎日だった。

 一方で、花しすには誰にも言っていない趣味があった。電源の入ったICレコーダーを常にポケットにしのばせ、街の音や他人との会話を隠し録りして、そしてそれを寝る前にこっそり再生し、反芻すること。

 くり返し花しすの前に現れる謎の男性、新田人生。
 寝たきりのまま亡くなった父の母である祖母、そしてその祖母を介護していた母。
 モニター越しに性器を露にする見知らぬ外国人女優EVRYN。
 そして常に傍らに漂う「白いもの」……
 花しすが見つめ、他の誰かにいつも見つめられてきた自らの人生。
 その記憶を反芻するように、彼女は何度もICレコーダーを再生する。

 そんな時、レコーダーから突然声が響く。
「忘れんといてな」
 それは花しすの母が、かつて不意に花しすに向けてつぶやいた一言だった——

【著者紹介】
西加奈子 : 1977年、イラン・テヘラン生まれ。エジプト・カイロ、大阪で育つ。関西大学法学部卒業後、2004年に『あおい』でデビュー。2007年『通天閣』で織田作之助賞を、2011年咲くやこの花賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • hiro さん

    西作品2冊目。男性には理解しづらく、大阪弁の主人公という共通点から川上未映子さんの『乳と卵』を思い出す。花しすは28歳、職業AVのモザイクがけ、ICレコーダーで日常会話を隠し録りし夜それを聞く、他人には見えない白いものが見えるという主人公。その花しすの現在の話に、過去の話が挿入されて、話は進行するが、花しすの前に現れるタクシー運転手、医者等の名前がなぜか皆、新田人生という不思議な話だった。『きいろいぞう』でも感じた、ふあっとした雰囲気が西作品の持ち味なのだろうか。もう少し他の作品も読んでみようと思う。

  • 風眠 さん

    自分の立ち位置や存在意義とか、確かめるように会話を録音する花しす(かしす)。AV女優の局部にモザイク処理をする仕事をしている花しすの今と、初潮をむかえてから、要介護となった祖母の下の世話をする役目を与えられた少女の花しすと、行きつ戻りつしながら、女としてのアイデンティティを確立していく過程が描かれる。彼女の目に映る女の局部はどちらも同じ、女なのである。花しすにしか見えない、白くてふわふわしたもの、それは女への「しゅくふく」なのであり、育ちゆく未来への予感のような、生まれる奇跡のようなものなのかもしれない。

  • くりきんとん99 さん

    前々から気になってた西加奈子さんを初読み。なるほど〜、こういう作品を書く方だったのね〜。普通の女の子の普通の日常を描いているようで、でもちょっと違う。不思議なものを普通に見てたり、普段の会話を録音してたり。優しい文章なんだけど、ちょっと怖いような、でもちょっと切ないような。初めて読んだ西さんの作品は、不思議な世界だったかな。

  • なゆ さん

    表紙からほんわかした話を想像するも、ラストに不思議感ただよう西加奈子ワールド全開。命の根源であるところの女≠ニいうことを、改めて思い知らされる。花しすの、今と、小・中・高・大学・就職後の話を行ったり来たりしながら話が進む。白いふわふわしたものや、謎の新田人生という人物、降ってくる文字がとても気になって、一気に読んでしまった。波風をたてたくない、嫌われたくなくて言いたいことが言えない…という気持ちはなんかわかるだけに、ラストはガーンときた。花しすはきっと強くなってる。私もそうなりたいと思う。

  • 巨峰 さん

    言葉がぐっとふってくるところで、不覚にもこみあげるものがあった。僕も、沢山の言葉に、沢山の人に出会ってきたな、と。しかし、この小説、根本的に男が読んだらあかんものやないやろうか。

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