ショーケン最終章

萩原健一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065164808
ISBN 10 : 406516480X
フォーマット
出版社
発行年月
2019年05月
日本
追加情報
:
250p;20

内容詳細

ショーケン、ラスト・メッセージ

「はじめに」より

自分のことを記したこの本は、私にとって最後の著書になる。
自分の言葉で真実を語ろう。

2011年に人間ドックで入院したときに小腸に出来物が見つかり、「ジスト」という耳慣れない病名を告げられた。……
手術で肉腫を切除した。だが4年後に再発し、医師からは「萩原さん、5年がんばりましょう」と余命を宣告された。……

ドラマとコンサート活動を本格的に始め、どれも確かな手応えのある仕事を続けていたさなかだった。
それから抗がん剤治療を続けているものの、いまは腹の中に爆弾を抱えているような状態だ。明日爆発するか、それとも当分は大丈夫なのか、それは誰にもわからない。

これまでの人生を振り返って思う。
10代はわけがわからなかった。
20代は芸能界に嫌気がさした。
30代はリハビリの時代だ。
40代はとても楽しかった。
50代は責任ばかり負わされた。
60代はやっと自分に気がついた。
そして70代を前にして、これまでお世話になったり応援してくれたりした人たちに心から「ありがとう」の言葉を贈り、最後に本当の自分を伝えたいと思った。……

幸運にも私は日本を代表する映画監督や演出家、脚本家、カメラマン、そして俳優と一緒に作品をつくる機会に恵まれた。そこで学んだことは、この身体に刻み込まれている。
本書に記すのはそのごく一部ではあるけれど、創造の現場に情熱とエネルギーが渦巻いていた時代の証言として、またそれをいまに生かそうとしてする模索の記録として読んでいただければと思う。……
 
これまでは野良犬のようにハングリーで、嵐のように激しい人生だったけれど、生涯のパートナーを得て、そして深刻な病を得て、これまでとは違う生き方があることを初めて知った。……

病気になって、私は自分が持っている物や人間関係、こだわりのほとんどを捨て去った。無駄な荷物を下ろして身軽になった自分をいまはけっこう気に入っている。病気もまた豊かな人生の糧となり得るのだ。
たとえ病におかされていても、私はつねに新しい表現を追い続けてきた。病気かどうかにかかわらず、人は歳を取ればできなくなることが増えてくる。しかし、それは工夫次第で乗り越えることができるし、新たに見出せることもある。
私に残された時間はそれほど多くはないのかもしれない。しかし、それは以前よりも濃密な時間、深く穏やかに流れる時間だ。

【著者紹介】
萩原健一 : 1950年7月26日、埼玉県生まれ。1967年、ザ・テンプターズのボーカリストとしてデビュー。「ショーケン」の愛称で親しまれ、俳優・歌手として活躍。2018年、初の本人作詞・作曲によるシングル「Time Flies」発表。2019年3月26日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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時代に選ばれ、時代と遊び、時代に捨てられた...

投稿日:2021/04/24 (土)

時代に選ばれ、時代と遊び、時代に捨てられた男って感じです。勿論いい意味で言ってます。ショーケンは令和になんか付き合うことはないです。ご冥福を...

UG さん | 埼玉県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • えちぜんや よーた さん

    ショーケンさんって怖い人かと思ってたけど、そうでもなかった。職人気質な俳優さんで演技や役者の仕事について、大御所でもマスコミにでもズバズバとモノを申すからゴシップの対象になりやすかったのだろう。俳優・演出家・脚本家について全く素人な自分でも何の仕事をやっている人たちなのか説明がとても分かりやすかった。ということは生前は玄人にでも素人にでも第三者にも説明ができるよう、俳優としての肉体や精神を常にとぎすまされていたのだろう。安らかなご冥福をお祈りします。

  • keroppi さん

    NetGalleyにて読了。テンプターズ、映画、テレビドラマ、全てに私の思い出も重なる。特に、「傷だらけの天使」や神代辰巳監督の映画は、印象深い。ここには、ショーケンが死ぬギリギリまでの思いが綴られている。私生活も含めて、赤裸々に。特に、映画への愛が、熱い。人生そのものが映画みたいだなと思う。そして、最後の演技が、「いだてん」で見ることが出来る。これは、絶対見ないと。かたや、ピエール瀧は、代役を立てられたというのが、なんとも複雑な気持ちになってしまう。

  • あじ さん

    2008年刊行になった自叙伝『ショーケン』の最終章が、本人の意向に基づき没後の世に解き放たれた。一年半の余命宣告を受けてから九回に渡るインタビューを企画し、自ら原稿の推敲にも関わったという。女性関係を赤裸々に綴り、孤高の偶像に身を燃やした前著『ショーケン』はB面。俳優人生で培った遺産を分与した本著は本懐のA面だ。世代は異なるが、彼と同じ時代の線上を歩めた事を心から幸運に思う。萩原健一は表裏一体で完全無欠の生を全うした。◆2019.4月上旬NHKが独占放送した番組は8年に及ぶプライベート映像遺産であった。

  • ねりわさび さん

    存命中の萩原氏自身の監修を経て過去から逝去直前までの想いを著述化したエッセイ。過去作ショーケンが他者により捏造された事やマネージャーの裏切りや芸能界の闇の部分をカミングアウトされており、更にはアウトローという演技を続けざるを得なかった葛藤を言葉として紡いでいる。ガンと戦いながらも降伏だけはしなかった心根に修羅めいたものを感じました。大変面白かったです。

  • koji さん

    この書に関しては多くを語りません。不器用で生真面目で頭がスマートでアウトレイジで素直で寂しがりで人を楽しませるパフォーマーで稀代のモテ男で、最高にカッコ良かったショーケン。ありがとう!!そして死を覚悟しながら強烈な生きざまを見せた最終章に只々感服。

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