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飽くなき地景

荻堂顕

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041150672
ISBN 10 : 4041150671
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道は、多数のビルを建て、東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀、一族の守り神でもある粟田口久国の「無銘」の美しさに幼いころから魅せられていた。家の伝わる宝を守り、文化に関わる仕事をしたいと志す治道だったが、祖父の死後、事業を推し進める父・道隆により、「無銘」が渋谷を根城にする愚連隊の手に渡ってしまう。治道は刀を取り戻すため、ある無謀な計画を実行に移すのだが‥‥。やがて、オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌するなか、その裏側で「無銘」にまつわる事件が巻き起こる。刀に隠された一族の秘密と愛憎を描く美と血のノワール。

【著者紹介】
荻堂顕 : 1994年3月25日生まれ。東京都世田谷区成城出身。早稲田大学文化構想学部卒業後、様々な職業を経験する傍ら執筆活動を続ける。2020年、「私たちの擬傷」で第7回新潮ミステリー大賞を受賞。21年1月、新潮社から同作を改題した『擬傷の鳥はつかまらない』を刊行し、デビュー。24年、第三作の『不夜島』で第77回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    第172回直木賞候補作第三弾(3/5)、荻堂 顕、初読です。 本書は、日本刀に魅せられたスーパーゼネコン創業者一族企業大河ノワールの良作でした。まだ今回の直木賞受賞作を読んでいませんが、現時点既読3作の中では、BESTです。荻堂 顕の他の作品も読んでみたいと思います。 https://www.kadokawa.co.jp/topics/12469/

  • 修一朗

    読み始めてこれ堤康次郎とコクドがモデルになってるって思ったが兄弟の関係性も違うし史実ベースではない。史実の堤康次郎はもっと不動産狂いの暴君だった。戦後の東京を駆け抜けた堤清二を彷彿させる男の一代記。刀の保護は細川家から東京オリンピックのスポンサーは円谷幸吉から拝借して激しかった戦後の東京の変遷を描いている。右寄りの’されどわれらが日々’を想定したそうだけどもそんな感じじゃなくて堂場瞬一の「Killers」の雰囲気。ハードボイルド調のとても好きな文章だ。刀剣保護の歴史については初めて知った。面白かった。

  • モルク

    戦中の1944年から2002年まで旧華族烏丸家の嫡男治道の物語。家宝の日本刀をめぐり愚連隊の組に乗り込む大学時代。夢叶わず父の会社に就職するが家族を顧みない父と妾の公の存在が母を苦しめる。治道の腹違いの兄との不和、憎悪が広がる。前半は読みにくかったが後半はスピードアップ。そしてエピローグで明かされるあの日本刀の真実…そうだったのか。治道が支援した東京オリンピックマラソンメダリストの選手の話は円谷幸吉さんを思い出し涙。

  • hiace9000

    烏丸家の宝刀であり守り刀である「無銘」。人を殺める道具でありながらも秘刀に浮かび上がり、見るものを時に魅了し妖しく照り光る美しき地景と呼ばれる刃紋。戦後東京の止むることなく変貌を続ける景観こそ、一族の愛憎と秘密と情念と宿命と共に受け継がれてきた人の「業」という地景か―。硬質な文体が放つ質量が、作品が醸す呪縛や緊迫感で読み手を抑え込み圧し掛かってくる。終盤は魯迅の作品を思わせる深い寂寞に包まれるよう。荻堂さん初読みながら、戦後昭和史をこの角度で表出した特異な切り込む発想に、ガツン!と衝撃を受けるのである。

  • しんたろー

    荻堂顕さん初読み。直木賞候補作で戦後から現在への東京史のような物語だと聞き、興味津々で読んだ。西武の堤兄弟を核になる存在としておきつつ、様々な事件や実存する企業、実在した人物たちをミックスして「ノンフィクション+哲学小説」と感じる内容だった。1頁に狭い間隔で多くの文字が詰め込まれているので読み辛いし、心情説明に硬めの表現が使われることが多くて、スッと頭に入ってこないのには難儀した。物語自体は面白いし、登場人物も各人に良い味付けが施されているので、せめてレイアウトだけでも読者への配慮がなされていればと残念。

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