危機の神学 「無関心というパンデミック」を超えて 文春新書

若松英輔

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166613434
ISBN 10 : 416661343X
フォーマット
出版社
発行年月
2021年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
285p;18

内容詳細

広がる社会の分断、無関心という病、気候変動のリスク。コロナ禍で顕在化した社会の危機、心の危機に私たちはどう立ち向かえばいいのか。新型コロナウイルス感染症の流行という「危機」を手がかりにしつつ、より広い歴史的視座のもと、過去の叡智に未来への道筋を探る神学対談。

目次 : 第1章 常に直面するものとしての危機(コロナの危機のなかで/ 「無関心のパンデミック」 ほか)/ 第2章 疾病とキリスト教(神学はどのように生まれたのか/ 疫病とキリスト教 ほか)/ 第3章 「個」から「ともにある」へ(個の危機からともにある危機へ/ 自分自身が、自分にとって大きな謎になる ほか)/ 第4章 「危機」こそ「画期」である(危機は画期になり得る―アウグスティヌスの神学の成立/ 危機こそ画期である―トマス・アクィナスの神学 ほか)/ 第5章 危機の神学者としての教皇フランシスコ(危機を予見していた教皇フランシスコ/ 教会の枠を超えた教皇フランシスコの回勅 ほか)

【著者紹介】
若松英輔 : 1968年生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。『小林秀雄 美しい花』(文春文庫)で角川財団学芸賞、蓮如賞を受賞

山本芳久 : 1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は哲学・倫理学(西洋中世哲学・イスラーム哲学)、キリスト教学。主な著書に『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書、サントリー学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • trazom さん

    「コロナ前から存在していた「無関心のエゴイズム」という悪質なウィルスが顕在化した」という教皇フランシスコの言葉が、ズシンと胸に響く。第一次大戦後の混乱がカール・バルトの危機神学を生み出したが、この困難な時代を救うのは、哲学か、科学か、それとも神学か…。若松さんと山本先生の対談は、神学の歴史を踏まえた深い示唆に満ちていて、多くの気付きを与えらえる。ただ、井上洋治先生の弟子として立脚点が余りにも共通しているお二人の議論が調和的すぎるのがちょっと残念。対談は、立場の違う者同士の格闘技の方が刺激的かもしれない。

  • みこ さん

    コロナで見えてきた無関心という名のパンデミック。昨今議論を招く分断というのも相手に対する理解の無さというより無関心からきているのかも。ただ、本書の内容自体は私自身に神学やカトリックに関する素養がないため、しばしば対談においていかれるような感じになってしまい話は半分くらいしか理解できなかった。仏教なら宗教としての仏教はともかく、日本における仏教の歴史くらいはどうにかわかるので違っていたかも。

  • Timothy さん

    教皇フランシスコに始まり、巡り巡ってまた教皇フランシスコに終わる。「危機」はそれ自体が否定的な意味のみを持つわけではなく、「これから取る道を選択すべき分かれ目」であり、善きサマリア人の譬えで危機に面していたのは強盗に襲われた人というよりもむしろ彼のそばを通り過ぎた一人一人であるという。2019年の来日ミサに参列していたが、「教会は野戦病院であれ」というとても印象的な言葉を聞き(見)逃したか、でなければ完全に失念していた。『福音の喜び』『パンデミック後の選択』、読んでみたい。

  • joyjoy さん

    自分には消化しきれない内容だったが、引用されている教皇フランシスコの言葉の数々が心に残る。とくに「善きサマリア人のたとえ」から、「…めいめいが、それを独りでするのではありません。サマリア人は、あの男の人の面倒を見てくれる宿屋の主人を求めました。わたしたちも広く呼びかけて、小さな個の集合よりも強力な「わたしたち」に巡り会うよう招かれています。…」という一節。善きサマリア人に自分を重ねることはなかなか難しい。宿屋の主人なら?あるいは、まわりに呼びかけることはできるのでは?と考えてみる。「危機」こそ「画期」。

  • 九曜紋 さん

    若松英輔氏、山本芳久氏はともにカトリック信徒で、それぞれ大学、大学院の教授。キリスト教という宗教の解説ならまだしも、テーマは「神学」。言わんとすることの概要はつかめたが、論旨の展開は難しい。神学をわかっている者どうしが意気投合し、どんどん二人だけの世界に入っていき、読者である私が置き去りにされた印象。「危機の神学-無関心というパンデミックを超えて」というテーマはタイムリーで意義深いのに、もう少し読者フレンドリーな構成にして欲しかった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品