スクラップアンドビルド

羽田圭介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163903408
ISBN 10 : 4163903402
フォーマット
出版社
発行年月
2015年08月
日本
追加情報
:
121p;19

内容詳細

第153回 芥川賞受賞作

「早う死にたか」
毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、
ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

日々の筋トレ、転職活動。
肉体も生活も再構築中の青年の心の内は、衰えゆく生
の隣で次第に変化して……。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!

要介護老人と無職青年の息詰まる攻防戦。超高齢化社会の現実を鋭く描く、気鋭の問題作。

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
☆

4.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
芥川賞受賞後にドラマ化され映像を見てから...

投稿日:2021/04/12 (月)

芥川賞受賞後にドラマ化され映像を見てから読みました。自身の肉体に関する表現がおもしろく他の著作も読みたくなりました。

ヂユウ さん | 秋田県 | 不明

0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヴェネツィア さん

    読了後に、そこはかとない寂寥感を残す小説だ。作品のキー・コードは、確かに著者自身が「受賞のことば」で語っていたように「身体性」にあるだろう。身体中のどこもが、もう思うようには動かなくなった祖父。その一方の対局には、日々身体に負荷をかけ、自らの筋肉と身体的な精神性とを鍛錬する孫の健斗がいる。ことあるごとに「死にたか」を連発し、特養ホームへ送られようとしている祖父には当然未来はない。そして、若く洋々とした将来が開けているべきはずの健斗にも、私たちはそれほど明るい展望を抱くことができない。⇨

  • starbro さん

    「火花」は受賞決定前に読んでいたので、今回は同時受賞の「スクラップ・アンド・ビルド」、羽田圭介初読です。掲載誌か単行本のどちらで読むかを考え、やっぱり単行本を選択しました。尊厳死、養老介護等暗く重たいテーマですが、主人公の軽妙な語り口で一気に読めました。これからの超高齢化社会を深く考えさせる作品ですが、ニートながら極めてポジティブな主人公の存在で少しは明るい未来を感じさせます。「火花」よりも本作の方が芥川賞っぽいかな?次回作にも期待です。

  • 遥かなる想い さん

    2015年芥川賞受賞。 現代に生きる人々の閉塞感 のようなものを健斗と その祖父の交流を通して 描く。 要介護の老人と無職の孫の 組合せは現代そのもので あり、物語の展開が ひどく身近に感じる。 高齢化が加速する日本で 後期高齢者を巡る問題を 著者は健斗の眼を通して 軽やかに描くのだが… 健斗と亜美の関わりも 今の時代なのだろうか…ひどく 乾いた関係が印象的な 本だった。

  • zero1 さん

    誰がスクラップで何がビルドなのか?「死にたい」と漏らす87歳の祖父。一緒に暮らす28歳の健斗は再就職のため面接と資格試験のための勉強をしていた。「祖父の願い」をかなえるため、健斗は手厚い介護をする。ユーモアだと感想を持つ人が多いが、私は介護の現実を考え、少しも笑えなかった。そればかりか本当は死ぬ気などなく生にしがみつく狡い祖父のことが悲しく感じられた。「火花」(又吉)と第153回芥川賞ダブル受賞。読んでいて思い出したのが「七十歳死亡法案、可決」(垣谷美雨)。私もあなたも健斗で祖父だ。

  • morinokazedayori さん

    ★★★全編を通して、言いようのない閉塞感とやるせなさに満ち満ちていて、読んでいる間中、気が滅入った。被介護者と介護する家族それぞれの心の闇が痛いほど分かり、突き刺さる。年齢を重ね、たとえ身体の一部の機能が衰えても、前向きに日々成長し続け若い人への手本として、自分は生きることができるだろうか。家族が要介護となったときに、常に穏やかな心で接することができるだろうか。普段目を背けている現実を突きつけられた感じだ。自分のためにも家族のためにも、生きている限りは心身健康であるよう心がけたい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

羽田圭介

1985年東京生まれ。高校在学中の2003年、『黒冷水』で文藝賞を受賞してデビュー。2015年『スクラップ・アンド・ビルド』で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品